クリーブランドで29日に開催されたトランプ大統領の討論のパフォーマンスに対する議会内外の反響は驚異的である。特に討論会での白人至上主義者に関するトランプのコメントは共和党議員らの多大な不安と怒りを招いている。プラウド.ボーイズ(Proud Boys)に対するトランプのコメントは、彼の過去の言動のパターンから見て、政治的メッセージであった事を示唆している。最悪にも、米国情報機関はこのプラウド.ボーイズを国内最大のテロ脅威があるグループとして分類している。トランプは、この白人至上主義グループを非難するどころか、むしろ抱擁しているようなアピールをしたとして、討論会後、共和党は再度トランプと距離を置き始めた。議会および外部の共和党の反応はトランプの行動とは完全に矛盾していることを示唆している。
2017年8月、バージニア州のシャーロッツビルで、白人至上主義者らが集会を開催した時、ネオ.ナチの集会に参加していた白人男性グループは、抗議活動に参加していた人々の中に車を突っ込み、一人の女性を死亡させた事件があった。当時トランプ大統領は、白人至上主義者を批判せず、両方が良い人たちであるとコメントした為、彼は強烈な攻撃を受けた。一定の経済プロジェクトに基づいて結成されたホワイトハウスの製造業委員会のメンバーおよび複数の共和党高官らは、ホワイトハウスから去ったというエピソードもあった。当時、共和党議員らはトランプから距離を置き、彼に接近することを辞めた。現在、共和党は上院多数派のリーダーを先頭に、再度29日の最初の討論会でトランプがプラウド.ボーイズを提起し、この白人至上主義グループらの活動を否定せず、むしろ擁護していることを非常に懸念し、トランプに警告のメッセージを送っている。
トランプのプラウド.ボーイズに対する「立ち上がりなさい。待機しなさい」の発言は、この白人至上主義グループを擁護し、選挙投票場に行き、投票者を監視することを指揮している暗号であると解釈されている。驚くことにプラウド.ボーイズはシャーロッツビルで殺人行為があった白人至上主義者グループと関連性がある。30日のニュースウィークによると、2017年に起きたシャーロッツビルで開催された「ユナイト.ザ.ライト」と呼ぶ白人至上主義者らの集会はプラウド.ボーイズの元メンバーであるジェイソン.ケスラーが主催者の一人であると南部貧困法センターが報告した。FBIディレクターであるクリストファー.レイは、プラウド.ボーイズを「過激派グループ」および暴力的な白人至上主義グループによる国内テロの最大の脅威として分類している。上院議会共和党多数派リーダーのミッチ.マコーネル(ケンタッキー)は、トランプのプラウド.ボーイズに対するコメント後、最初に反応した為、他多数の上院共和党議員らが反応している。マコーネルは「白人至上主義者を非難しないことは容認できません。私は可能な限り強力な方法でそうします」と言った。上院共和党議員ビル.キャサディー(ルイジアナ)は「彼は白人至上主義を明確に非難すべきだ」と言った。
他多数の議会内外の共和党メンバーが声をあげている。30日のワシントン.ポストによると、共和党議員らは、29日の討論会でのトランプの態度と問題発言に神経質になっており、選挙に否定的な影響を及ぼすことを恐れている。共和党議員すべてが公式にそのような不安や怒りを表明していないが、彼らがトランプに近づきすぎると、特に穏健派や無党派の有権者の票を求めている一部の共和党議員には不利になると見なされるという。トランプのコメントはトランプが人種問題、都市でのプロテストでの混沌と不安に加えて、根拠のない不正選挙の主張で、既に論争的であるため、キャンペーンの最終段階をむかえた現在、彼らが直面している政治的混乱は、特にプラウド.ボーイズに対するトランプのコメントが共和党議員を崖淵に追い込んでいる。
厳しい再選に直面している共和党上院議員スーザン.コリンズ(メイン州)は記者団に「双方の妨害、名前の呼びかけは大統領討論会にとって非常に不自然でした」と語った。トランプが「プラウド.ボーイズと白人至上主義者を非難しないのは間違いだったのか」と尋ねられたコリンズは「絶対」にそうであると答えた。リサ.マーカウスキー上院議員(アラスカ)は記者団に「それは酷かったです」と言った。ベン.サス共和党上院議員(ネバダ)は罵倒語を提供した。マイク.ラウンド共和党上院議員(サウス.ダコタ)はプラウド.ボーイズの質問に対するトランプの回答に混乱したかどうかを尋ねられた時、極左グループまたは極右グループについて話しているかどうかにかかわらず、大統領は「非常に明確でなければならなかった」と述べた。厳しい再選に参加しているトム.ティリス共和党上院議員(ノース.キャロライナ)は、トランプがプラウド.ボーイズに対処したことについて、「私は彼が人種差別主義者ではないことを知っています。彼は彼らの活動を承認しないと確信しています」と述べた。上院で唯一の黒人共和上院議員ティム.スコット(サウス.キャロライナ)は、トランプが「誤って話したのであれば、それを修正すべきです。訂正しない場合、誤って話したのではないと思います」と言った。
下院議会の元二人の議長、ジョン.ベイナー(オハイオ州)と彼の後継者であったポール.ライアン(ウィスコンシン州)の元最高顧問であるブレンダン.バックは「この選挙は、爆発のようなもの(バイデンの勝利に向かっている)が感じられます。それを変えるある種のイベントが必要です。討論会は方向を変えるチャンスでした」と言った。元共和党上院議員でトランプの批評家であるジェフ.フレーク(アリゾナ州)は、上院共和党サークルの私的警報は「明白である」と述べた。フレークは「人々は既に投票しているので、彼らは新しい物語を提案する事は難しいと知っています。別の方向に進んでも、遅すぎるように感じるので、彼らは多少なりとも心配しています。それは壊滅的です」と言った。上院のキャンペーンに取り組んでいるため、匿名を条件に語った上院共和党のベテラン戦略家は、パフォーマンスが悪いと言う人は誰もいないでしょうが、彼らは、それをトランプの本当に狂気的なツイートのように見なしています」と言った。
トランプはプラウド.ボーイズを非難していないだけでなく、Stand back, stand by (立ち上がりなさい。待機しなさい)と言ったことに対して、共和党の間で懸念が拡大している。トランプは再度白人至上主義に対する寛容な同じ立場を取っているだけでなく、政治的暗号を送っている可能性があると言う。30日のニューヨーク.タイムスによると、トランプのこのメッセージは、選挙に関連性がある。長い間、郵便投票は不正が発生するとのプロパガンダを戦略としているトランプは、プラウド.ボーイズのような白人至上主義グループを選挙投票場に送り、投票を監視することを奨励することで、ほとんどが民主党である少数派の有権者の投票権を脅かすことを狙っているとの疑惑が提起されている。
携帯電話のカメラを持ったトランプの選挙キャンペーンのグループは、29日にフィラデルフィアで大統領の再選を支援する為、新しく開設された市の衛星選挙事務所を訪問したという。しかし、地元の選挙法では不在者投票を要求して、投票を完了する有権者を監視することを認可していない為、彼らは退去を命じられた。トランプは実際に討論会中に「フィラデルフィアで悪いことが起こる」と主張し、支持者にあらゆる場所の「投票場に行き非常に注意深く監視する」よう促した。トランプのフィラデルフィアでの投票プロセスに関する根拠のない主張は、今年の選挙への信頼性を損なうトランプ.キャンペーンによる最新の大まかな試みである。また、トランプが過激派グループであるプラウド.ボーイズに「立ち上がりなさい。待機しなさい」と助言した時、選挙についての彼のメッセージは配信されたという。トランプのこのメッセージは「彼の信者が投票活動を監視するよう求める為であることは明らかである」が、「トランプ.キャンペーンがこれをどのように実行することを望んでいるかは不明である」とタイムスは説明している。トランプ.キャンペーンの弁護士であるジャスティン.クラークは、保守的グループが選挙日の前後に投票を監視するため、約5万人のボランティアを活用する計画があり、フィラデルフィアだけで少なくとも1,600人の共和党監視員を動員すると語った。
承認されたボランティアと、トランプが政治的暗号を送り、拳銃を保持している可能性があるプラウド.ボーイズの白人主義主義者を密かに派遣することとは本質的に性質が異なっている。従って、郵便投票を認可していない共和党州に住む民主党有権者、特に黒人には投票の脅しに直面する可能性がある。トランプがFBIによって定義されている危険な極右派グループであるプラウド.ボーイズに意図的な政治的メッセージを送ったのであれば、共和党議員らがトランプと距離を置くのは自然である。いずれにしても、ほぼ全ての民主党議員らと同様に多数の共和党議員は明らかに、憤慨しているようである。米国の大統領は、白人至上主義グループに対して、厳格な態度を明確に示す必要がある。しかし、トランプにはそれを行動で示せない政治的理由がある。白人至上主義グループはトランプの支持者であるため、トランプは公式に彼らを非難したこともなく、することもできない立場である。マコーネルが述べたような態度で挑む場合、トランプはこれらのグループの支持を失う可能性がある。また、トランプはFBIを信頼せず、対立しているため、自身の発言を取り消す可能性はない。2017年にシャーロッツビルで問題を起こした白人至上主義者のグループを擁護したトランプの態度には一貫性がある。1日、ホワイトハウスは、トランプが白人至上主義者を非難することを明確に宣言しないと報告された。トランプはプラウド.ボーイズが誰であるかを知らないと言ったが、大統領の長年の友人であるロジャー.ストーンはこのグループに関与している為、トランプが知らないはずはない。討論会で見られたトランプの危険であると言われている極右派グループに対するコメントの余波は、2017年のシャーロッツビルでの事件後に共和党がトランプから離れた時の現象と類似している。現在、FBIが監視している米国の白人至上主義グループにはProud Boys(プラウド.ボーイズ)、Boogaloo Bois(ブーガルー.ボォイズ)、Right Wing Militias(右翼民兵)がいる。トランプの問題は、彼が政権の専門家を疎外している為、認識不足からこの重要な安全保障に関連する分野でも失敗していることを示唆している。