ジョー.バイデン前副大統領は最初の討論会(29日)後の世論調査で、全国の支持率がトランプ大統領を大きく引き離し、14%ポイントもリードしていることが報告された。また、別の調査では、特に重要な接戦州の一部であるペンシルベニアやウイスコンシン州でバイデンがトランプより有利である。更に3つ目の世論調査は、全国の支持率でバイデンが16%ポイントもトランプをリードした。また先月に比較して、女性および有色人種の有権者のバイデンに対する支持は増加したが、トランプの支持は減少した。トランプは、15日に予定されているバイデンとの2回目の討論会に積極的である。
討論会後に実施され4日に公開されたNBC/Wall Street Journalによる全国世論調査の結果を報告したNBCによると、バイデンの支持率は53%でトランプは39%である。これは14%ポイントで圧倒的にバイデンが引き離している。同じ機関による討論会前の調査で、バイデン は51%、トランプは43%であった。これはバイデン が以前8%ポイント(安全圏)でリードしていた前回から更に2倍に近い率で増加したことを示唆した。また、前回に比較して、バイデンは2%ポイント増加したことに比較して、トランプは4%ポイント減少した。有権者は「2対1で、大統領になる気質はバイデンの方が良い」と述べている。世論調査を行った共和党の世論戦略家ビル.マキンターフとハート.リサーチ.アソシエイツの民主党世論調査員ジェフ.ホーウィットは「討論の明らかな敗者はドナルド.トランプだった」と述べた。ホーウィットは「そして、少なくとも短期的に、これはジョー.バイデンに対する彼(トランプ)の立場を傷つけた」と付け加えた。
トランプの最大の減少は、高齢者と郊外の女性から来ている。高齢者がバイデンを支持する率は62%、トランプは35%である。郊外の女性は58%がバイデンを支持し、トランプは33%である。大統領気質の優位性ではバイデンが大幅に優位である。有権者の58%は「バイデンが大統領になる気質が優れている」と述べ、トランプが優れていると答えた率は26%であった。これは32%ポイントの驚異的な開きがあることを示している。トランプの最大の弱点は彼の気質であることを示唆している。もちろん、大多数の有権者(73%)は、誰に投票するかは討論会に多大な影響を受けないが、討論後に有権者の19%はバイデンを支持する可能性があると述べ、トランプを支持する可能性が高いと答えた率はわずか6%であった。ここでも13%の大きな開きがあることから、全国の世論調査でバイデンが14%トランプをリードした状況に類似性があることを示唆した。
また、5日に公開されたロイター/イプソスの世論調査では、重要な接戦州ウィスコンシンおよびペンシルベニアでバイデンがリードしていることを示している。アリゾナ、ウィスコンシン、ミシガン、フロリダ、ペンシルベニア、ノース.キャロライナの6州は、11月3日の選挙でトランプが2期目の任期を勝ち取るか、又はバイデンが勝利するかを決定する上で重要な役割を果たす可能性が非常に高い。同日のロイターによると、これらの6州でバイデンまたはトランプに投票すると答えた率は以下の通りである。
| 接戦州 | バイデン | トランプ |
| ウィスコンシン | 50% | 44% |
| ペンシルベニア | 50% | 45% |
| フロリダ | 47% | 47% |
| アリゾナ | 47% | 46% |
| ミシガン | 49% | 44% |
| ノース.キャロライナ | 47% | 47% |
ウィスコンシンとペンシルベニアのみが9月29日から10月5日までに実施された最新の調査であり、他4州は9月11日から17日までの機関に実施されたデーターに基づいている。これら6州はCovid-19の蔓延対策と経済を重視している。ウィスコンシン州では蔓延の対策でバイデンの支持率は50%、トランプは41%である。経済の評価ではバイデンが44%であるが、トランプは51%である。ペンシルベニアでの蔓延の対策はバイデン が51%、トランプは41%である。しかし、経済評価ではトランプは51%、バイデンは46%である。従って、コロナウイルスのパンデミックに関して、バイデンは9%から10%ポイントでリードし、経済に関してはトランプが5%から7%ポイントでバイデンをリードしている。世論調査に応じたウィスコンシン州有権者の13%は、すでに投票したと述べており、ペンシルベニアではわずか2%のみが投票を終えたと述べている。
加えて、6日に公開されたSSRSが実施したCNNの全国世論調査では有権者の57%は、バイデンを支持すると述べ、トランプを支持すると答えた41%を16%ポイントもリードした。これは、最初の討論会および大統領がコロナウイルスに感染した後に行われた世論調査結果である。また、以下の全ての課題で、投票登録有権者はバイデンがトランプより、うまく対処すると答えた。
| 課題 | バイデン | トランプ |
| コロナウイルスの対処 | 59% | 38% |
| ヘルスケア | 59% | 39% |
| 人種的不平等 | 62% | 36% |
| 最高裁判所への指名 | 57% | 41% |
| 犯罪と安全 | 55% | 43% |
| 経済への対処 | 50% | 48% |
トランプは、郊外の女性およびヒスパニックと黒人を含む有色人種の有権者の支持を拡大することを目指している。しかし、バイデンに対する女性の支持率は9月に比較して9%ポイント増加する一方で、トランプは5%ポイント減少した。また、総体的な有色人種の支持率もバイデンは9月から10%ポイント増加したが、トランプは4%ポイント減少した。
| 月別比較 | 10月現在 | 9月 | ||
| バイデン | トランプ | バイデン | トランプ | |
| 女性 | 66% | 32% | 57% | 37% |
| 有色人種 | 69% | 27% | 59% | 31% |
世論調査は完璧な11月の選挙結果を予測することを保証しないものの、これらの調査は、引き続きバイデンに有利な風潮があることを示唆している。重要な点は「バイデンへの支持の増加がトランプへの支持の実質的な減少に関連していないことである。トランプの支持基盤は、増加していない傾向はあるものの、安定しているとCNNは分析している。しかし、女性と有色人種の支持率が増加しない場合、トランプは彼の基盤だけの支持では勝利することが困難である。従って、アリゾナ、フロリダ、ノース.キャロライナの無党派の有権者の支持がバイデンを大きく引き離す状態にならない場合、彼の再選は引き続き困難である事を示唆している。
加えて、トランプは退院から初日の6日、早速コロナウイルスの救済法案の交渉を選挙後まで延期すると述べた。また、彼は最高裁判事空席へのエイミー.コニー.バレットの指名プロセスを遅らせないよう上院多数派リーダーのミッチ.マコーネルに要請したと報告された。しかし、昨日公開された世論調査では圧倒的多数の有権者は、最高裁の指名プロセスより、コロナ救済法案を通過させることを希望している。5日に発表されたHill-HarrisX世論調査では、74%の登録有権者(民主党と共和党の両方の過半数を含む)は、米国最高裁の認可に焦点を当てる前に、上院がコロナウイルス救済法を可決することを望んでいる。これは再度、トランプの方針が総体的なアメリカ国民の反対路線に立っていることを示唆している。コロナの救済法案と最高裁の指名プロセスのどちらを優先するか?トランプを含む共和党リーダー達は、大半の米国民が望んでいることと逆の行動を取っている。トランプは同時に15日の第二回目のバイデンとの討論会を楽しみにしているとツイートしたが、感染のクラスターが拡大しているハワイトハウスで、トランプのトップ顧問の一人であるスティーブン.ミラーは試験に陽性を示し、6日までに少なくとも11人が感染していると報告されている。コロナウイルスに感染し、治療中の大統領は、強さのイメージを投影しようとしているようであるが、感染クラスターが拡大しているホワイトハウスで隔離が要求される彼の健康状態は不透明である為、予定通りに実施されるかどうか不明である。これらの状況は11月3日の選挙でのトランプの競争を良好な方向に逆転する兆候ではないことを示唆している。