
投票権法案に投票しないと宣言していた上院民主党議員ジョー.マンチンは、その意向を変えたことを公表した。上院議会では、共和党が投票を阻止するため、フィリバスター(議事妨害)を行うことで、通過に必要な60票のクローチャー投票になる可能性があるものの、彼が妥協の姿勢を見せた為、民主党議員らは団結することが可能な状態になったとして、民主党仲間に希望を与えている。なぜ、マンチンは、バイデン大統領の課題に障害になっている議事妨害規定を廃止することに反対しているのか?
ジョー.マンチン上院議員(ウェスト.バージニア)は、抜本的な選挙と投票法案の変更に関する広範なリストを提供している。大多数の共和党は法案を阻止することがほぼ確実であるが、来週、投票が行われる予定であるため、民主党が法案の背後で団結できることを期待している。マンチンは今月初め、米国を統一するには「誤った法案」であると宣言したが、16日、法案が改正されれば支持するつもりであると述べた。つまり、下院議会で2019年3月に通過し、2年後の今年3月に再度通過した法案の一部を改正し、それが上院で通過すれば、下院民主党は、その改正法案を再度投票しなくてはならないことを示唆した。上院多数派のリーダーであるチャック.シューマーは先日、6月に法案に投票すると発表していた為、17日に民主党議員らによる会議を開催する予定であった為、マンチンはその前日にその変更リストを発表した。
しかし、大多数の共和党は反対している為、確実に10人の共和党が民主党に参加するかどうか不明である。党派ライン(51対50票)で通過させる為には、マンチンがフィリバスターを停止することに同意する必要がある。彼は、彼自身が提案した投票法案を超党派ベースで可決されることを希み、フィリバスター規定を廃止または改正することに反対する立場を変えていない。彼は「連邦選挙権法に関する議会の行動は、民主党と共和党の両方が前進する道を見つけるために集合した結果でなければなりません」と述べている。従って、さほど多大な進歩があるようには見えないが、幾人かの民主党上院議員は肯定的である。投票権の別の法案を先導したジェフ.マークリー民主党上院議員( オレゴン州)は、16日に「彼はすべてのアメリカ人の投票権と自由を擁護するなどの重要な問題に取り組むことで、本当に価値のある貢献をしていると思います」と記者団に語った。2020年11月に、ジョージア州から選出された元黒人牧師のラファエル.ワーノック上院議員は、この問題でマンチンと語ったと述べ、「前進する方法を見つけることを望んでいます」と言った。最近のNBCニュースでのインタビューで、ワーノックは「妥協と会話の余地はありますか?」と聞かれ、「もちろんです。人々の声が民主主義から押し出されないようにする方法を見つけることを確認しなければなりません」と述べた。また、For The People Act (H.R.1)とジョン.ルイス投票権推進法(H.R.4)の要素を組み合わせる可能性があると述べた。
しかし、法案そのものより、投票プロセスが問題である。議事妨害はバイデン大統領の課題をほぼすべてブロックしている。なぜ、民主党のマンチンは、自党大統領の課題を阻止し、共和党リーダーのミッチ.マコーネルを援助しているように見える状況を続けているのか?4月7日、ワシントン.ポストに投稿したオプエドで、マンチンは「議事妨害を排除または弱体化するために私が投票する状況はない」と宣言した。彼は議事妨害が民主的であると述べ、「最近の歴史について考えてみてください」と書いている。2013年、上院民主党多数派のリーダーであったハリー.リード(ネバダ)は、当時の大統領バラク.オバマの政権閣僚の候補者と連邦裁判官への投票を容易にするため、上院規定を変更することを先導した時、マンチンは「この規則変更に反対票を投じた3人の民主党上院議員のうちの1人でした」と述べている。また、2017年、上院共和党多数派リーダーのミッチ.マコーネル(ケンタッキー)が最高裁判事の候補者に関する議論を終えるため、60票から51票の単純過半数にすることを提案した時も「反対票を投じた」と述べている。これらの上院規則の二回の変更により、フィリバスターは非常に弱体化され、「少数派からの投票は、ほとんど又は全くなくても多数派がより簡単に議題を制定できる」状況になった。しかし、現在もほとんどの法案制定には60票が必要である。マンチンは「リーダー達が自業自得に気づいていない」この状態は、一つの法案が州によって需要の異なる問題を論議する必要性を弱体化していると述べている。
現在、フィリバスターは、上院で保持された状態になっており、継続予算および幾つかの法案を除くほぼ全ての課題の投票で、フィリバスターを利用して投票での通過を困難にすることが可能である。逆説的には、2022年または2024年に民主党が多数派を失った場合、共和党の課題を通過することを防ぐため、民主党がフィリバスターを利用し、彼らが望まない共和党大統領の課題に対抗することが可能になることを意味する。その顕著な例では2003年に、ジョージW.ブッシュ共和党大統領がホワイトハウスを支配していた時、上院議会では、共和党が現在の民主党と同じ51票の多数派を保持していた。当時、民主党はフィリバスターを利用して、多数のブッシュの政策法案をブロックした歴史がある。
しかし、民主党が少数派になった場合、党派のバランスは大きく崩れる可能性が高い。特にそれは、連邦裁判官を指名する民主党大統領の権限が極端に奪われる危険性があるためである。マコーネルは14日、2022年の中間選挙で、上院共和党が多数派を取り戻した場合、2024年に再選に直面するバイデンは、最高裁の空席を埋めるための指名者を選ぶことはできないと既に宣言した。民主党は2016年に、現在バイデン司法省の長官であり、当時オバマ大統領の指名判事であったメリック.ガーランドの最高裁任命プロセスを当時ブロックしたマコーネルの卑劣な策略を見ている。従って、現在、最高裁の最高齢者である民主党のスティーブン.ブレイヤー 判事は2022年の中間選挙前の今年、辞職するよう一部の民主党関係者に促されているが、ブレイヤー 判事はその要請を承諾していないと報告されている。マコーネルは2017年に司法部門、つまり連邦判事指名者の承認を容易にする為、単純過半数(51)に変更した為、トランプはわずか4年間の就任中に3人の最高裁を送り出すことに成功した。従って、2022年または2024年に、民主党が少数派になった時、共和党の政策法案をブロックできる議事妨害規定を維持したいというのがマンチンの真の意思であるなら、一部の民主党は理解できるはずである。一方、大半の民主党議員らはフィリバスターの廃止を求めて抗議活動さえ行っている。