サプライ・チェーンの労働不足と人件費の上昇により、食品価格は高騰しているため、最も高い食品を購入することをやめ、手頃な食品に変えるか又は最も高い食品の購入の頻度を下げることで、一般的なアメリカ人の食生活のパターンも変わっている。フード・バンクへの寄付が大幅に減少している一方で、需要は急増している。食品高騰の影響はフード・バンクにまで及んでおり、現時点では、この状況を緩和する方法はないと言われている。
労働統計局のデーターを引用した27日のニューヨーク・タイムスによると、米国の都市の肉、鶏肉、魚、卵の価格は、2020年の初めから15 %上昇している。 ステーキ、ハンバーガー用の牛ひき肉、七面鳥は特に高価である。インディアナポリスに住むロビン・ミューラーは、週に1〜2回ミートローフやハンバーガー用の牛ひき肉を購入していたが、現在それは月に一度か二度だけ調理するだけであると述べた。インディアナポリスのグリーナーズ・フード・バンクの食糧戦略のディレクターであるアレクサンドラ・マクマホンが同紙に伝えた情報によると、パンデミックの前に13ドルから14ドルだったピーナッツ・バターのケースは現在16ドルから19ドルに値上げした。以前は1ケース9ドルで販売されていたサヤインゲンは、現在14ドルで販売されている。その結果、一部のフード・バンクは、提供を制限したり、費用を賄うために寄付を増やしたりしている。
この傾向は、食料価格が比較的安定していた過去10年間の状況から急激に逆転している。フード・バンクにとって、助けを求める人々の数が増えた場合でも、より高価な肉や農産物は予算を伸ばしてきた。グループの最高経営責任者であるスザンナ・モーガンは、オレゴン州とワシントン州南西部のパートナーに食糧を配布しているオレゴン・フード・バンクでは、援助を求めた人々の数は2019年の86万人から、パンデミックの2020年に170万人に増加した。オレゴンで今年、食品の支援を求める人口は更に増加し、130万人近くになると予測しているモーガンは「必要性はまだ途方もなく高いです」と述べた。ハワイのワイルクにあるマウイ・フード・バンクを利用する人々の数は、コロナウイルス蔓延の初期の数か月間で4倍以上になり、月に13,000人から60,000人に急増した。同フード・バンクは現在、信仰に基づく団体、青少年センター、高齢者向け住宅地のような、主に低所得の地域社会にサービスを提供している機関の20,000人以上に毎月支援を提供している。マウイ・フード・バンクの常務取締役であるリチャード・ユストは、既に食品が高いハワイで「食料価格が高騰し続けることは、子供を養わなければならない家族に大きな圧力をかけます。」と述べた。
輸送費と倉庫費の増加は、食肉加工センターや食品サプライ・チェーンで人件費の上昇に繋がり、それが価格高騰に繋がっているようである。コストの圧迫の結果で、利益を受けている人々もいる。例えば、消費者にとって、肉の価格は急騰している一方で、牛やその他の家畜の価格はそれほど変動していないため、牛肉加工業者にとっては好調な利益が得られている。農業経済学者のマイケル・スワンソンは「これはすぐに後退することはないでしょう。生産者と小売業者がこれらの値上げを得るとすぐに、彼らは非常に粘着性があります」 と述べた。スワンソンによると、カリフォルニアからニューヨークへの冷蔵トラックの輸送は、パンデミックが発生する前に2,500ドルから3,000ドルの費用がかかったが、現在、10,000ドルに増加した。7ドルから9ドルで販売されていた肉や野菜を移動するために使用されていた大きな木製パレットは、現在1個あたり25ドルから30ドルで販売されている。オレゴン州のフード・バンクでは牛ひき肉の購入を停止した。また、サツマイモは「価格の関係で手の届かない」特定の製品であり、現在南東部の州からの輸送が停止されたとモーガンは言った。
食品価格の高騰化は現実に起きている。米国農務省の経済研究サービスによると、牛肉と子牛肉の価格は2021年8月から9月にかけて3.3%上昇し、豚肉の価格は1.2%、その他の肉の価格は1.8%上昇した。牛肉と子牛肉の価格は2021年に6.5%から7.5%、豚肉の価格は6.5%から7.5%、その他の肉の価格は1.5%から2.5%、鶏肉の価格は3.5%から4.5%の範囲で上昇すると予測されている。肉の総計カテゴリーの価格は5.5%から6.5%の範囲で増加すると予測されている。魚介類の価格は2021年8月から9月にかけて1.2%上昇した。魚と魚介類の価格は2021年に4.0%から5.0%の範囲で上昇すると予測されている。「肉、鶏肉、魚」の総カテゴリーの価格は4.5%から5.5%の範囲で上昇すると予測されている。加えて、卵の価格は同時期に3.3%上昇し、2021年には2020年と比較して平均3.3%上昇した。卵の価格は、特に今年初めに鳥インフルエンザ の影響を受けた韓国や近隣諸国など、外国からの旺盛な需要が一因で高騰している。米国の卵の価格は2021年に3.0%から4.0%上昇すると予測されている。
要するに、フード・バンクは飢餓を防ぐため、フード・パントリーやスープ・キッチンのような組織などの仲介業者に食料を供給する非営利の慈善団体である。米国では食品値段が高騰した2000年の初期から急成長している。フード・バンクは、一般からの寄付、政府が買い取った余剰収穫の農産物の供給、低価格で業者から購入した食品をフード・パントリーやスープ・キッチン・サービスなどに提供することで、ホームレスや貧困者に無料の食事を提供している。パンデミックの影響を受けている現在、サプライ・チェーンの問題、労働力不足、需要と供給の不調整、輸入の減少などにより、特に肉、魚、卵など、通常需要の高い食品の価格は高騰しているため、フード・バンクの需要は増加している。一方、フード・バンクに食品を寄付する活動は鈍化または停止しているだけでなく、食品が高騰し、品不足の為、フード・バンクは葛藤があると報告されている。パンデミックによる食品高騰は、通常のパータンとは異なっていることを示唆しているが、これは引き続き、低所得者および貧困家庭に打撃を与えることを示唆している。