ワクチンの義務化に関する裁判所の判定は何を示唆?

ワクチンの義務化は、バイデン政権が公表した翌日から州および連邦政府で、裁判所での紛争に発展していたが、米国最高裁は、先週ニューヨークのワクチン義務化を支持しただけでなく、ワクチンやマスクの義務化に挑戦した複数の告訴を次から次に却下した。加えて、全米の多数の州が告訴したバイデン政権のワクチン義務化は控訴裁判所によって保持された。ファイザーに続き、ワクチンを開発したモダーナ社も新変異種オミクロンに対して有効であると発表した。恐らく、裁判所はコロナウイルスの脅威を最も現実的に判断しているようである。

米国最高裁は13日、信仰を自由に行使する権利を侵害しているとして、ニューヨーク州のコロナウイルス・ワクチン要件に異議を申し出た医師と看護師による告訴を却下した。最高裁判事の6人は、ニューヨーク州のワクチン義務化をブロックすることを拒否したが、ニール・ゴーサッチ、サミュエル・アリート、クラレンス・トーマスの3人の強固な保守派判事は反対した。ゴーサッチは、14ページの異議申し立て書に、多数派の判事が「信教の自由に対する裁判所の公約を裏切った」と書いた。アリートはゴーサッチ判事の反対意見に加わったが、トーマスは「ワクチンの必要性を阻止しただろう」と述べたが、反対の理由を明白にしていないとニューヨーク・タイムスが同日に伝えた。最高裁は10月にメイン州の医療従事者が「信仰を自由に行使する権利」を求めた時に、上記3人の判事を除き、彼らの主張を拒否した。また、最高裁はインディアナ大学でのワクチン接種要項、ニューヨーク市の学校でのワクチン規定、およびマサチューセッツ病院の労働者に対するワクチン義務に対する異議申し立てを却下した。 更に、飛行機内でマスクを要求する連邦政府の命令に対する告訴を拒絶した。

加えて、第6巡回控訴裁判所は18日夕方、バイデン政権がワクチンの義務化を実施できると判定した。11月初旬に連邦労働安全衛生局(OSHA)は100人以上の従業員を抱える企業の労働者にCovid-19のワクチン接種または毎週の検査を受けることを義務付ける為の規制を発表していた。しかし、バイデン政権のワクチン義務化の規定は翌日ブロックされていたが、控訴裁判所はその一時停止を解除したことが18日に報告された。共和党主導の州、企業、宗教団体、および一部の個人は、バイデン政権の義務化は行き過ぎであるとして、全米の各地で10件以上の訴訟を提起していた。3人で構成される第6巡回控訴裁判所の判事は全員、申立人の宗教的理由による主張は「完全に推測的」であり、ワクチンの施行が遅れることの方がもっと経済的損害は大きいと判定した。巡回裁判所のジェーン・ストランチ判事は「基本的に、(ワクチン規制)は、米国で80万人以上が死亡し、医療システムが崩壊し、企業が数か月にわたって閉鎖を余儀なくされた致命的なウイルスの感染を削減するための重要なステップです。何十万人もの労働者の仕事に費用がかかりました」と、意見書に書いた。

共和党州の人々によるこれまでの訴訟は、オミクロン危機が報告される前であったため、告訴した共和党は、コロナウイルスを過小評価していた可能性があったことを示唆している。バイデン政権のワクチン義務化は約8,500万人の労働者が対象になっており、バイデン政権は1月4日に有効になるこの規定が半年で6,500人の命を救い、約25万人の入院を防ぐと予測している。これは、ワクチンの接種者が更に大幅に増加する可能性があることを示唆している。昨日、感染専門家のアンソニー・ファウチ博士がオミクロンの急増を警告した後、20日の株式市場は東部時間の正午頃にはダウ工業平均株は600ポイント以上も下落するという反応を示した。株式市場の動きは米国の経済的不安を示唆する最も手っ取り早いバロメーターであるため、ファウチ博士の指摘は現時点で、コロナウイルスの終息が当分ありそうもないことを示唆している。

一方、モダーナ社は20日、既に二回投与した人々がワクチンのブースター(三回目の活性)投与を受けた場合、文字通り彼らの免疫性は活性化し、顕著な保護があると公表した。モダーナのワクチンもオミクロンの拡大を阻止するツールのひとつになる。FDAはまだ承認していないが、ファイザー社は錠剤も開発し、オミクロンにも効果があると発表している。世界を席巻しているオミクロン変異体に対して、ファイザーやモダーナ社が有効であると発表している中で、裁判所の援助により、来年からワクチンの義務化が急速に進む可能性がある強力な啓示があることを示唆している。今日、前大統領ドナルド・トランプはテキサス州ダラスのアメリカン・エアーライン・センターで開催された「歴史ツアー」に参加し、コロナウイルスのブースター投与を受けたと述べた時、観衆からの否定的な声が聞かれたと報告されている。トランプは、これまで少なくとも二回、ワクチンを肯定的に語っているが、彼を支持する共和党に影響を与えているかどうかは不明である。しかし、共和党のワクチン否定率は、一年前の50%以上から、ワクチン義務化が有効になる来年1月4日以降にはもっと減少する可能性がある。なぜなら、10月1日に公表したブルッキングスによると、9月末の時点で、ワクチンを受けた民主党は92%、無党派は68%、共和党は56%である。複数の裁判所の判定は、バイデン政権のコロナウイルス対策が良い方向に進んでいることを示唆している。

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