
By Fox News
バイデン大統領はNATOの同盟国のメンバーと24日に会い、25日はポーランドで米国の兵士らに会った。ワルシャワでの26日のスピーチで、ロシアの大統領ウラジーミル・プーチンに言及し、権力を維持することはできないと述べた。週末の西側の動きが活発である時にロシア軍は25日、戦争の目的を限定する可能性があることを示した。行き詰まっていると言われている中で、ロシアは「作戦の第一段階」の目標は「主に達成された」為、ウクライナ南東部でより多くの領土を占領することに力を集中すと発表した。つまり、 ウクライナでの戦争戦略をウクライナ首都のキエフから南東部に変更し、主にウクライナ南東部の地域の侵略に集中すると公式に発表した。現状を見ると、それには明白な理由があると思われる。
バイデン大統領は25日、ウクライナに隣接するポーランドを訪問し、当地に駐在している米軍の兵士らに会い、避難しているウクライナの難民らを激励した。26日にはワルシャワでのスピーチの最後に「自由な人々は絶望的で暗闇の世界に住むことを拒否している為、ウクライナはロシアにとって決して勝利にはなりません。私たちは、民主主義と原則、希望と光、神のの自由および品位と尊厳に根ざした、より明るい未来を持っています。この男は権力を維持することはできません。」と述べた。ウクライナの首都キエフの占領を目指していたロシアは、バイデン大統領がNATOの同盟国のメンバーらと会談した翌日、集中的に攻撃していたキエフとその周辺の最初の目標は達成したと主張し、今後主要都市ではなく、ウクライナ南東部にあるドンバスへの侵略に集中すると発表した。
ニューヨーク・タイムスの25日の報告によると、ロシアの上級将軍は、ロシアが支援する分離主義者が独立している2つの「共和国」をロシアが認めているドンバスとして知られる南東部地域を占領することに焦点を当てることが現在の計画であると述べた。ロシア軍の参謀本部作戦部長であるセルゲイ・ルドスコイ将軍は、ウクライナの戦闘力は「大幅に低下した」と声明で述べた。彼は「個々の部隊が任務を遂行し、それらが首尾よく解決されているので、私たちの力と手段は、ドンバスの完全な解放を目指す主要なことに集中する」 と述べた。また、ルドスコイ将軍は「ウクライナの非軍事化は、軍事インフラへのミサイル攻撃とウクライナの部隊への攻撃を通して達成されている」と述べた。ルドスコイは、都市を襲撃する可能性を「排除しない」と言ったが、「私たちの力と資源はドンバスに集中するだろう」と述べた。 ルドスコイは、西側がウクライナに武器を供給することは「大きな間違いである。これは紛争を長引かせ、犠牲者数を増やし、作戦の結果に影響を与えることは不可能になる」と言った。
初期の戦争の目的はキエフを支配し、ヴォロディミール・ゼレンスキー政権を打倒することであると認識されていた。しかし、最も重要なキエフを諦めたかに見える方針の変化は、ロシアの侵攻開始以来、ルドスコイ将軍の最初の公式声明が明らかにした。彼のコメントは、国防省のスポークスマンであるイゴール・コナシェンコフ少将による戦争の過程に関する毎日の最新情報よりも重要であることを示している。ロシアが戦争を迅速に終わらせる準備ができているかどうかは明白ではないが、彼のコメントは、戦場で多大な挑戦に直面したにもかかわらず、「ロシアが望むものを手に入れている」という主張を正当化するためであり、そのための「基礎を築いた」ことになる。この声明は、ロシア軍の最高指揮官の「最も直接的な承認」であり、それはプーチンも認識していると思われる。
従って、これまで多数の専門家が観測している通り、ロシア軍は行き詰まり状態であり、計画通りに進んでいない為、プーチンはそれを率直に認めることで、面目を潰すような方法をアピールするはずはない。例えば、ロシア側が主張しているロシア兵の死亡数も西側とウクライナの記録とは極端に異なる。ルドスコイ将軍は、戦争で1,351人のロシア兵が殺害されたと述べた。しかし、先週、米国国防総省は少なくとも7,000人のロシア人が死亡したと推定し、ウクライナ政府はロシア人の戦死者数はその二倍以上であると述べている。また、ルドスコイ将軍は、キエフや他の主要都市での最初の目標は達成したと述べているが、23日にはウクライナ兵が、キエフの周辺からロシア兵を押し出し、25日もロシア軍はウクライナ南部の都市ヘルソンを支配できなかったと報告されている。ロシア軍は今月初めにヘルソン支配権を得たと主張していた。また、資源の損失も大きい。ロシアは24日までに約15,000人の兵士を失い、軍艦は爆破され、空軍では100機に近いロシアの戦闘機はウクライナ兵に撃墜された。ウクライナの人々の激しい抵抗に直面している「ロシアは戦争の初期に主要都市を占領できなかった」ため、「ウクライナの全て又はほとんどを支配することができない」との結論に達した為である。ロシア軍はキエフの近辺で、集中的な攻撃を行いながら、同時に、侵略前にウクライナによって支配されていたドンバスの一部で、最大の人口中心地であるマリウポリの港湾都市での多数の爆破を続けていたが、キエフでの戦略には完全に失敗している。
ロシアの軍事アナリストであるパベル・ルジンは、ロシアの軍事司令官の公の声明を額面通りに受け取るべきではないと警告した。ロシアは確かにその戦争の目的を縮小している可能性があるが、可能性のある新たな攻撃の再編成のため、ルドスコイ将軍の発言も牽制の可能性があると述べた。ルジンは 「これは、私たちがもはやウクライナの国家を解体することを主張していないという合図であると言えます。しかし、私はむしろ、気を散らす操作としてそれを見たいと思います。」と述べた。ウクライナの「非軍事化」は、プーチンが2月24日に始めた戦争の主な目的のひとつであるが、ウクライナ軍は戦略的に優っているため、ウクライナを「非軍事化」させることに成功したと言えるのか不明である。いずれにしても、ロシアとウクライナの当局者は、戦闘が続いているにもかかわらず、ここ数週間、和解の枠組みについて交渉している。ロシアの平和交渉を成立させる為の主な条件は ⑴ プーチン大統領の軍隊が2014年にウクライナから略奪したクリミアを完全に支配すること、⑵ ロシアが支援するドネツク人民共和国とルハンシク人民共和国の独立を認めること、⑶ ウクライナがNATOに加盟しないことである。
結論として、バイデン大統領はNATOの記者会見で、プーチンの計画は彼が望んでいたことの反対に向かっていることを示唆した。複数の専門家は最近、ロシア軍が行き詰まりになると予測したばかりである。偶然にもバイデンがNATOの同盟国と秘密の会談を行った後、突然ロシアは彼らが作戦と呼ぶウクライナでの戦争の攻撃範囲を縮小し、ドンバスに集中すると発表した。その主な理由は、ルドスコイ将軍も認めている通り、ウクライナ人が「激しい抵抗」を続けている中で、ロシア兵は、ほとんど主な都市を支配することに成功していないからである。ルドスコイ将軍はウクライナの戦闘力が「大幅に低下した」と述べているが、西側とウクライナは、ロシア軍に顕著な低迷があると述べている。そのような事実を公表すると敗北を認めることになる為、面目を保つためであると思われる。しかし、現時点では、バイデンのポーランド訪問の注目をそらす為の一時的な作戦である可能性もある。米国とNATOの同盟国は、ロシアが化学または核兵器を使用する可能性があるとの懸念を緩めたわけではない。