
By Good Word News
ウクライナのヴォロディミール・ゼレンスキー大統領は4日にブチァを訪問し、壊滅的な町の状況を目撃した。米国とEUは更なる制裁を追加した中で、ゼレンスキーは今日5日、国連安全保障理事会に対するビデオ・スピーチで、ロシアの加盟権利を剥奪するよう求め、ロシアに対する説明責任を負わすよう要請した。既に世界のリーダーは、戦争犯罪の裁判を促進するよう公的に表明した。その裁判に向けての調査の進行はどのような状況になっているだろうか?
ゼレンスキー大統領は、破壊された複数のタンクやトラック、死体が散在しているブチァの壊滅的な町を視察している時、初めて、非常に悲痛な表情を見せた。彼は5日、国連安全保障理事会でのビデオ演説で、第二次世界大戦以来の「最も恐ろしい戦争犯罪」であると非難し、ウクライナでのロシア軍の行動について「完全な説明責任」を求めるよう要請した。ゼレンスキーは、彼が実際に見たロシアの大規模な残虐行為について描写し、ロシア軍が非武装の民間人を殺害し、死体が散在していることや、一部戦車で押し潰された人々がいたと語った。彼は、これらの行為は、ロシアの「占領者」がウクライナで行ってきたことの多数の戦争犯罪の一部であると述べ、大量殺戮は、既にマリウポリやイルピンを含む多数の都市で行われており、ブチァが最初ではない事を明確にした。ゼレンスキー大統領は5日のニューヨーク市で開催された会議へのビデオ演説中に、国連安全保障理事会からロシアを追放する求めた。
米国の国連大使リンダ・グリーンフィールドは4日、国連人権理事会からロシアを除去する為の投票を促した。可決する為には、メンバー193国の総会による3分の2の投票が必要である。また、米国は、戦争犯罪の調査を支援することを明白にしただけでなく、財務省は4日、ロシアが債務を支払うために米国の銀行に保有されている資金を引き出すことをブロックする新たな制裁を課した。これはロシアの銀行や国営企業に対する新規投資の禁止が含まれており、これらの制裁はG 7と欧州連合国も同時に課すシステムになっている。米国当局は、ゼレンスキー大統領が描写したようなロシアの残虐行為は「意図的」であると述べ、昨日多数の世界のリーダーが表明したように、ロシアは意図的に戦争犯罪に従事していることが益々明白になっている。
戦争犯罪により、ロシアの指導者を国際裁判所に告訴するよう求める声が世界的に高くなっている中で、そのために調査を開始した代表的な国際組織は以下の通りである。⑴ 国際刑事裁判所(ICC)の検察官は2022年3月2日に、ロシアによってウクライナで犯された戦争犯罪、人道に対する罪、または大量虐殺の過去および現在の申し立てについて完全な調査を開始した。調査を行う人々は、捜査官、弁護士、その他の専門家のチームが含まれており、目撃者 や証拠を保持している人々との接触に加えて、証拠の収集を行なっている。⑵ 国連人権理事会が2022年3月4日に設立したウクライナに関する国際調査委員会は、人権と国際人道法の違反に関する調査を行なっている。国連大使グリーンフィールドが国連人権理事会からロシアを除去するよう促したことは必然的な結果であることを示唆している。⑶ 国連人権高等弁務官事務所によって開発されたウクライナの国連人権監視ミッションは、2014年にロシアがクリミアを略奪した時に人権侵害の監視を開始し、約60人の国連人権監視者が調査に従事している。今年3月下旬、ウクライナ検事総長イリーナ・ ヴェネディクトヴァは、ウクライナの検察官が約2500件の「戦争犯罪の可能性のある事件」と「数百人の容疑者」の証拠を収集したと発表した。⑵ と ⑶ はいずれも独立した国際機関である。
また、独自の捜査を開始した国はポーランド、ドイツ、リトアニア、ラトビア、エストニア、フランス、スロバキア、スウェーデン、ノルウェー、スイスなどである。米国の主要メディアも調査を行なっている。最前線から戦争犯罪を調査しているAPの報告によると、一握りの高レベルの加害者のみを起訴するため、ICCはウクライナでのロシアの残虐行為の調査を開始した。ウクライナの検察官が何千もの刑事捜査を開始している中で、侵略犯罪を犯したロシアを裁判に導くため、特別法廷を設立するよう求める声は世界的に高まっている。2022年4月3日(日曜日)、ウクライナのキエフ郊外にあるブチャの集団墓地に、他の遺体と一緒に埋葬された死体の手が砂上に露出していた。犠牲者は手を縛られ、目隠しをされ、拷問や性的暴行の兆候が見られる場合、戦争犯罪はさらに説得力のある事件になる。犠牲者が民間人であろうと、捕虜の軍人であろうと、これらの残虐行為が許可されることはありえない。
戦争犯罪の訴訟を起こす為には、検察官は殺人事件の場合と同様に、法医学的および弾道学的証拠を収集し、犠牲者の死因と状況を明らかにする必要があ。 また、彼らは明らかにウクライナで、進行中の武力紛争の文脈で犯罪が発生したことを示す必要がある。人道に対する犯罪の訴訟を起こすために、ブチャ、モティジン、イルピンなどの町で人々が殺された行動のパターンを示すことで、検察官はさらに、犯罪が民間人に対する広範囲にわたる体系的な攻撃の一部であることを立証しなければならない。次に、犯罪現場を民間または軍のトップ・リーダーと結び付けるため、一連の証拠を構築することにより、誰が責任を負うかを明白にする過程で更に困難な作業が要求される。その最初のリンクは、残虐行為が発生したときにどの部隊が存在し、誰の指揮下にあったかを証明する必要がある。ベルリンの欧州憲法人権センターの国際犯罪と説明責任のプログラム・ディレクターであるアンドレアス・シュレルは 「指揮官と加害者のリンクを調査したい場合、どの軍隊がどこに属しているかについての情報を収集し、分析することが重要です。軍隊全体からの関連証拠が必要です。文書が漏洩したり、目撃者が発言して内部計画業務を開示したりする可能性があります。」と述べている。
法務専門家は、プーチンや他の指導者に戦争犯罪や人道に対する罪の責任を個別に負わせるために、トップ層の指導者に対して訴訟を起こすのは難しいと予測した。英国の著名な弁護士であり、ロンドン大学の教授であるフィリップ・サンズは、ロシアの指導者層は「彼らが知っていたかどうか、知っていた可能性があるかどうか、知っているべきだったかどうかを証明する必要があります。」と述べ、中堅レベルの人々は3年間で裁判に直面する可能性があるが、主な責任者であるプーチン、外務大臣セルゲイ・ラブロフ、国防相、諜報機関の人々、軍の人々、そして戦争を支援している金融業者は、裁判から外れる「本当のリスク」があると述べた。プーチンを侵略犯罪、つまり、他国に対して冷酷で挑発的な戦争を行う行為で逮捕する事はできるが、ロシアは米国と同様にICCの署名国ではないため、ICCは、侵略犯罪のためのロシアを管轄していないことが一部の抜け穴である。
3月、ウクライナのドミトロ・クレーバ外相、元英国首相のゴードン・ブラウンを含む数十人の著名な弁護士や政治家は、ICCの署名国ではないとするこの法的な穴を塞ぎ、ウクライナでの侵略犯罪でロシアを裁判にかける特別法廷を創設するキャンペーンを開始した。国連のような国際機関を通して、または個々の国の集合による支援下で、そのような法廷を実際にどのように設置して幅広い正当性を持たせるかについての交渉は進行中である。第二次世界大戦後のニュルンベルク裁判は、ナチスの指導者に説明責任を負わせるため、ソビエト連邦、米国、英国、フランスによって設立された。主導権も支持しているサンズは、法的な重みがどうであれ、ウクライナから注がれるイメージは、ロシアに責任を負わせるために必要な政治的意志を強化すると述べた。サンズは「何かが動いているように感じます。そして、それが法律の仕組みだと思います。法律は導きません。法は従います。それは現実とイメージと物語に従います。それが物事を起こす原因です。地上での恐怖が酷いほど、侵略犯罪についての電話が増えます。政府は何かをするように強い圧力を感じています。」と言った。
ブチャでは、死体が路上に散在し、複数の民間車両は多数の弾丸の形跡があり、その車内で死亡した人々、じゃがいもが入った袋を下げて歩いていたと思われる男性の死体、集団墓地では複数の死者の体の一部が土から露出している様子など、あまりにも残忍な状況を描写したビデオが繰り返し放映されている。これは、初めて公開された無残な光景であることから、世界的なショックの表明は2月24日のロシアの侵略以来、最高潮に達した。世界の多数の指導者は4月3 日、初めてロシアが犯した戦争犯罪を認識したことを公的に表明した。ロシアの大統領を含むトップ指導者を戦争犯罪の裁判に導く為には、十分な証拠に加えて、目が眩むような面倒なプロセスがあり、それは非常に時間がかかることを示唆した。法務専門家は、彼らに戦争犯罪や人道に対する罪の責任を個別に負わせるための訴訟を起こすのは非常に困難であることを示唆した。しかし、専門家はロシアがICCの署名国ではないため、プーチンが裁判から逃れる可能性があるような抜け穴を防ぐために特別法廷の設立も含めて、あらゆる措置を検討し、ロシアの戦争犯罪者を正義に導くという目的の為に、日夜努力を続けているようである。