
2022年4月13日 フィンランドの首相サンナ・マリン By KHQA
今日で50日目を迎えるロシアのウクライナ侵略により、世界は幾つかの点で変わり、又は変わりつつある。それらはほとんど顕著であり、厳しい経済制裁によって、苦悩があることを認めたロシアの大統領ウラジミール・プーチンの政府関係者との会話はロシアも変わったことを示唆している。ソビエト連邦時代に何が起きたかを歴史的に見ても、ウクライナは災難に遭遇する運命にあるように見えるが、同国でのロシアの戦争は複数の観点から世界を変えている。
1. NATOの意義が強調されている:ソビエト連邦が崩壊した1991年以来、中立の立場にあり、北大西洋条約機構(NATO)に加盟することは絶対にありえなかったフィンランドとスゥエーデンは、NATOへの加盟を真剣に考慮し始めた。地図を見ると、なるほどと思えるが、フィンランドはロシアに近いため、将来、ロシアが侵略しないという保証はない。ロイター通信によると、フィンランドの首相サンナ・マリンは4月13日、NATO加盟を申請するかどうかの決定は数週間以内に行われると述べた。ストックホルムでの記者会見で、ロシアのウクライナ侵攻以後の安全保障の見方の変化を強調し、「NATO加盟を申請するかしないかにはさまざまな見方があり、これらを非常に注意深く分析する必要があります。しかし、私たちのプロセスはかなり早急になると思います」と述べ、今後数週間で米国主導のNATO同盟に加入するかどうかについて決定を下すと発表した。フィンランドと隣国のスウェーデンはNATOと緊密なパートナーであるが、冷戦中にソビエト連邦に対抗するため1949年に設立された30カ国のメンバーによる同盟への参加を避けてきた。マリンはスウェーデンの対応者と並んでの共同記者会見で、「私たちはロシアからのあらゆる種類の行動に備えなければなりません。」と語った。 彼女は、ロシア軍が2月24日にウクライナを侵略したときに全てが変わったと述べ、「パートナーであることとメンバーであることの違いは非常に明確であり、今後もそうなるでしょう。第5条で保証されているNATOの抑止と共通の防衛下でのみ、安全を保証する方法はありません」と述べた。
2. 世界的な輸入禁止に直面しているロシアの化石燃料:ロシアの化石燃料資源は、多くのヨーロッパが依存していた為、エネルギー部門での制裁は非常に厳しい挑戦である。EUは、2020年に19%を超える石炭をロシアから輸入し、同年に石油を約37%、天然ガスを40%以上輸入した。しかし、バイデン政権がロシアからの天然ガスと石油の輸入を禁止して以来、ヨーロッパ、特に同盟国はその圧力に直面していた。今日、ヨーロッパはロシアからの石油の輸入を禁止することを公式に決定する方向性を示した。14日のニューヨーク・タイムスの最新情報によると、欧州当局は、ウクライナへの侵略でモスクワを罰するため、ロシアの石油製品に対するこれまで最も厳しい禁輸措置を起草している。プーチンは、欧州連合がロシアの石油製品を禁止し、モスクワのウクライナ侵攻をさらに罰する中で、制裁措置がすでに「ロシアの有利な石油・ガス部門を混乱させ、輸出を弱体化させ、業界のコストを引き上げている」ことを認めた。プーチンは、モスクワ近郊の自宅からビデオ・リンクを介して政府関係者と話し、ロシアのエネルギー輸出の支払いが緊迫している「不利な国」の銀行は「資金の移転を遅らせていた」と述べた。
3. 寛大な難民受け入れ:ウクライナ難民は、ヨーロッパで非常に暖かく迎えられているという以前にない状況を見ている。ドイツの企業は、ウクライナの難民に数千の仕事を提供している。ポルトガルでは、仕事を探しているウクライナ人のための語学研修を提供している。リトアニアの企業は、難民がほとんど小さな子供連れであることから、ウクライナの女性が障害なく就職できるように現場で子供の世話をするというサービスを提供している。ウクライナでのロシアの攻撃が激化するに連れて、国外に逃げる難民が激増している中で、ヨーロッパの企業は、高レベルのエンジニアリングの仕事から小売業や工場の仕事に至るまで、難民がすぐに収入を得ることを援助している。また、彼ら自身の労働力不足を埋めるため、雇用申請は早急に促進されている。これは、中央アメリカ、アフリカ、アフガニスタン、イラン、シリアからの難民とは異なり、ヨーロッパの幾つかの国は、ウクライナの難民だけを非常に暖かく迎えている。過去に難民や移民は歓迎されない風潮が強かったヨーロッパで大きな変化が見られる。この変化は、特にウクライナの難民が、永久的に彼らの国に滞在することを希望し、住宅や仕事も提供すると約束していることも含まれる。
4. 世界の経済を変えている:国際通貨基金(IMF)は木曜日(14日)ウクライナに対するロシアの戦争は、高いインフレーシンを促進し、世界のほとんどの国の経済見通しを弱めていると警告した。同日に伝えたAPニュースによると、IMFの管理主任であるクリスタリナ・ゲオルギエバは、高いインフレーシンは世界経済にとって「明らかな現在の危機」であると言った。彼女は、ロシアのウクライナ侵略の結果が成長を続けるはずである143か国の経済の格下げに貢献していると述べ、戦争はエネルギーと穀物の世界貿易を混乱させ、アフリカと中東で食糧不足を引き起こす恐れがある述べた。ゲオルギエバは、この戦争が飢餓を促進する可能性があるとし、「現在、穀物とトウモロコシの価格は高騰しており、アフリカと中東の指導者たちは、供給が不足していると私に言っている」と語り、食糧不安が重大な懸念事項であることを警告した。ゲオルギエバはウクライナ人を支援するよう世界に呼びかけ、IMFはウクライナが当面の支出の必要性を満たす事を援助するため14億ドルの緊急融資を提供したと述べた。また、IMFは40万人以上の戦争難民を受け入れたモルドバを含むウクライナの近隣諸国にも支援を提供している。ゲオルギエバはロシアでの戦争が既に戦争前から高い傾向があったインフレーションが世界的に経済を弱体化するとの戦争の影響を強調した。今年3月の消費者物価は予想よりわずかに高い8.5%上昇し、40年以来の最高値を記録したことが今週12日に報告されたばかりである。ロシアに対する経済制裁の威力は、ロシアのエネルギー分野ですでにプーチンが自ら認めており、ロシア国内でも多大な経済的苦境による大な変化が起きている。米国は、経済制裁の一貫として、全ての製品のロシアへの輸出を停止し、先月ロシアに進出していた米国企業はほぼすべて、ロシアでのビジネスを停止した。ロシアからの脱出は現在も続いている中で、ロシア国内で米国製品が入手できない為、困難に直面しているビジネスが増えているようである。
それにしても、1930年代のウクライナ国民運動はジョセフ・スターリン率いるソビエト連合によって妨害され、ウクライナは歴史的に攻撃を受ける運命にあるように見える。1932年と1933年に襲った壊滅的な飢饉は、ウクライナを含めて、ソビエト連邦全体で約400万人の命を奪った。スターリンは、独立心の大盛な人々を罰するため、何百万もの農民を彼らの土地から追い出し、国営農場に加わるよう強制し、集団的な混乱を招いた。ソビエト共産党は、穀物だけでなく、全ての食糧が既に不足していたウクライナの農村地で飢饉を深める一連の決定を下した。この1930年代初期にウクライナが経験したことと、現在のロシア侵略による戦争で共通していることは、独裁主義と民主主義の戦いである。多くの人々の命が奪われることも含めて、独裁主義の政策と戦争での破壊による損失を防ぐことはほとんど不可能であるが、最後に勝利するのは、独裁と民主化のどちらであるかのかを問う必要がある。国連安全保障理事会は先週7日、ロシアを人権理事会から除去するかどうかを決定するため、総会の決議投票で、圧倒的多数の93対24票で通過した。58か国は決定を差し控えた。この投票結果が示すとおり、ウクライナの人々への同情のグローバル的規模は、ロシアの戦争を支持する国の数より、遥かに大きいことを考慮すると、最終的に民主主義が存続している歴史に対して、軍事力で人々を変えることは根本的に不可能であることを示唆している。つまり、プーチンは明らかに間違った判断をしたと言えるが、2014年にクリミアを略奪したことの多大な罰則を受けなかった為、彼はウクライナに対してもっと過激な方法で同じことを行なっている。プーチンは、フィンランドとスゥエーデンがNATOに加盟した場合、核兵器の配備を含めて、バルト海での防衛を強化することになると警告している。ロシアを世界的大国として復活させることで、彼が世界の権力の座に着くことを望んでいる事は明白である。