偉大な交換理論とは何か?

By Newsweek

今日(17日)ジョー・バイデン大統領とファーストレディは土曜日に黒人だけが殺害されたニューヨークのバッファローにあるスーパーマーケットの地域社会を訪問した。バイデン は、国内テロリズムを宣言し、白人至上主義は米国の毒であると述べた。この大量殺戮事件は、非常に良く計画されたものであるが、犯人はまだ未成年であることから、最近良く語られる「偉大な交換理論」に犯人が影響を受けていたかどうかにも焦点が当てられている。

土曜日(14日)にニューヨーク州のバッファローにあるスーパー・マーケットで銃乱射事件が発生し、10人の黒人男女が殺害された。逮捕された18歳のペイトン・ジェンドロンは5ヶ月前から計画し、非常に良く準備された犯行であることが彼の投稿から判明している。今日(17日)、ニューヨーク州コンクリン出身のジェンドロンは、一級殺人に対して無罪を主張した。「人種差別主義者の陰謀を家族に秘密」にしていたジェンドロンは、「文字通り、もう待つことができません。両親は何かがおかしいことを知っています」と4月15日に投稿した。そして、彼は予定の銃撃をいつ実行するかについて考え、土曜日にバッファローのスーパーマーケットで10人を殺した。彼は2月22日の投稿で、「私の両親は私についてほとんど知りません。彼らは私が持っていた数百シルバーオンス、または私が弾薬に費やした数百ドルについて知らないです。 彼らは私がランダムな軍隊に1,000ドル近くを費やしたことを知りません。 彼らは私がショットガンやAR-15、あるいは違法な雑誌を所有していることすら知りません。」と書いた。ジェンドロンは、極右の間で人気のある「偉大な交換理論(Great Replacement Theory)」を支持していたとワシントン・ポストが17日に伝えた。

バイデン大統領夫妻は、今朝現地を訪問し、ジル・バイデンは、既に多数の花束やローソクなどが置かれた道路沿いに、抱えていた花束を置いた。バイデン大統領は、地元のコミュニティ・センターでのスピーチで、「ここで起こったことは、単純で率直なテロリズムです。テロリズム、国内テロリズム、憎悪の奉仕に加えられた暴力、そして、あるグループの人々が他のどのグループよりも本質的に劣っていることを定義する権力への凶悪な渇きです。アメリカでは、悪は勝てません。憎しみは勝つことなく、白人至上主義は、最後の言葉を持たないでしょう」と語った。バイデンはこのスピーチで、米国は白人至上主義を責めることに失敗している現状を指摘した。

この事件は完全にアフリカ系アメリカ人に対する人種差別と憎悪による銃撃事件であると言われている。人種差別と憎悪に基づく殺人事件は珍しいことではなく、白人至上主義が米国で歴史的に根強いことを再度、浮き彫りにしている。この事件は、トランプ大統領が就任した後、白人至上主義者の活動が活発になったことを思い起こさせる。2017年8月、バージニア州のシャーロッツビルにあるバージニア大学のキャンパスで、ティキ松明を持った白人至上主義者のグループが行進しながら、「ユダヤ人は我々を交換しない」と合唱した。つまり、この白人至上主義グループは、米国が多人種文化に交換されていることに深い不満と苛立ちを表明した。

バッファローでの事件は、「偉大な交換理論」と呼ばれる陰謀説が隠れた原因であるかどうかの調査が行われている。土曜日の銃撃で黒人を標的にしたと非難されている18歳の白人男性は「偉大な交換理論」から来ている人種差別的な文書を投稿した為、法務執行当局はまだその信憑性を確認するために調査していたという。つまり、「偉大な交換理論」は白人の影響が衰えてきたという陰謀説に基づいている。米国は白人とクリスチャンの国であると信じている人々が、白人ではない人々を人間として劣っていると信じ、人種が多様化している米国は、白人ではなく、キリスト教徒でもない他の人種に交換されているという理論である。また、この陰謀説は、人種差別者が「偉大な交換理論」の背後にユダヤ人がいると信じていることを示している。そして、白人の影響力は、移民によって奪われ、更に白人の誕生率が低くなることから「偉大な交換理論」の陰謀説が台頭した。

2016年の選挙キャンペーンでの公約であったトランプ政権初期のイムラム教国からの入国禁止、政権後半期からの中央アメリカからの移民に対する「ゼロ許容」政策など、前大統領ドナルド・トランプの移民政策は、特にこのような陰謀説を信じる白人至上主義者に圧倒的に支持された。シャーロッツビルで、白人至上主義者の新グループが台頭したことは、近代政治の中で、トランプ政権以前には表面化していなかった異様で顕著な変化である。捜査官は、ジェンドロンが「偉大な交換理論」が語られるメディアからも影響を受けていないかを調査しているようである。14日に事件が起きるまで、「偉大な交換理論」は頻繁にフォッス・ニュースのホストの一人であるタッカー・カールソンが頻繁に語っていた。アメリカのためのメディア・マターズによると、カールソンは「白人至上主義者の『偉大な交換理論』を推進しただけでなく、聴衆に行動を起こすよう繰り返し呼びかけた 」という。また、この事件が報告された後の午後2時から、16日の正午までの間に、フォックス・ニュースが「偉大な交換理論」を表現したのはわずか3回である。リベラル派のCNNは40回、MSNBCは100回以上である。その逆転現象は、この陰謀説が何であるかを説明するためであり、フォックス・ニュースがその陰謀説を拡大していることを伝えている。事件当日の14日、MSNBCの一部の番組は、フォックスの「手は血に染まっている」と批判した。

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