ジョー・バイデン大統領は22日、モンキーポックスと呼ばれるサル痘の感染が世界的に拡大する可能性があると最近報告されていることについて「心配するべきである」と述べた。既に利用可能なワクチンがあることに加えて、サル痘は、空中飛沫を介して感染するコロナウイルスとは異なっている為、パニック状況はない。しかし、アフリカ以外の国で検出されることは稀であるため、科学者はサル痘について、彼らが理解していることを説明し、警戒する必要があるその理由を提供している。
ホワイトハウスの公文書によると、アジアを訪問しているジョー・バイデン大統領は22日、公式訪問を行っている韓国で、記者に「あなたの健康顧問は、モンキーポックス(サル痘)と米国および世界中で起きている症例に関して、あなたの懸念のレベルはどうあるべきかについて何を言いましたか? 」との質問を受けた。バイデンは「彼らはまだ私に感染のレベルを教えてくれませんでしたが、それは誰もが心配すべきことです。私たちが何をしているのか、そして、もしあれば、どのワクチンがそれに利用できるのかを理解するのに一生懸命取り組んでいます。 しかし、それが拡大するとしたら、それは結果的であるという意味での懸念です。 彼らが私に言ったのはそれだけです。」と語り、大統領はサル痘のウイルスに関して、ある程度の懸念を表明した。
ネイチャー誌の20日の掲載記事によると、サル痘の病名は、1958年に実験用サルに最初に検出されたことに由来している。グローバル的に拡大する可能性があるモンキーポックスについて科学者が警告している理由を説明している。科学者は、過去1週間で、通常出現しないアフリカ諸国以外の少なくとも11か国で、サル痘が疑われる120以上の症例が確認されたことについて驚いている。コンゴ民主共和国で10年以上サル痘を研究したカリフォルニア大学ロサンゼルス校の疫学者アン・リモインは「この種の広がりを見るのは目を見張るものがあります」と言った。サル痘について科学者が説明している主要点は次の通りである。
⑴ サル痘のウイルスは、齧歯(げっし)動物などの野生動物から人にまたは感染した人から伝染すると考えられている。アフリカでは平均数千件の症例が通常、大陸の西部と中央部で発生する。⑵ アフリカ以外で検出された症例は、アフリカへの旅行または感染した動物の輸入に起因するわずか一部に限られている。しかし、過去1週間でアフリカ以外で検出された症例数は、ほぼ確実に増加している。⑶ アフリカ以外で検出された症例数は、ウイルスが人間に病気を引き起こすと最初に特定された1970年以降、初めて超過し、これは急速な広がりであることから、科学者は非常に警戒している。⑷ しかし、サル痘は人から人への感染がそれほど容易ではなく、天然痘ウイルスに関連しているため、その広がりを抑えるための治療法やワクチンがすでに利用可能であり、科学者は、新しいウイルスの感染状況を見ているがパニックには陥っていない。⑸ メリーランド州フォートデトリックにある米陸軍感染症研究所のウイルス学者ジェイ・フーパーは、小さな空中飛沫を介して感染が拡大するコロナウイルスとは異なり、サル痘は咳による唾液などの体液との密接な接触から伝染すると考えられているため、感染は遥かに制限されている。⑹ コロナウイルスもサル痘のウイルスもインフルエンザのような症状を引き起こす可能性があるが、サル痘はリンパ節の腫大を引き起こし、最終的には顔、手、足に特有の体液で満たされた病変を引き起こす。ほとんどの人は、数週間でサル痘から回復する。⑺ 予備的な遺伝子データから研究者が知ることが可能なことは、サル痘ウイルスは主に西アフリカで見られるウイルス株に関連しており、この菌株は、中央アフリカで伝染しているものと比較して、より軽度の病気を引き起こし、死亡率が低く、貧しい農村部の人口ではわずか約1%である。
それでも、科学者は幾つかの理由に基づき、警告している。⑴ 現在発生を引き起こしている菌株が西アフリカのものとどれほど異なっているか、様々な国で発生するウイルスが互いに関連しているかどうか不明である。⑵ シドニーにあるニューサウスウェールズ大学の感染症疫学者ライナ・マッキンタイアは、サル痘ウイルスは比較的大きなDNAウイルスであり、突然変異の検出と修復に優れているため、サル痘ウイルスが突然変異して人間の感染に熟達する可能性は低いと述べている。しかし、サル痘に感染した人と全く接触のない人が感染している。⑶ 明らかに全く、関連性がない人々にサル痘が検出された為、ウイルスが静かに広がっている可能性があることを示唆している。米国の疾病対策予防センター(CDC)のポックス・ウイルス・チームを率いる疫学者のアンドレア・マッカラムは「深く懸念している 」と述べ、サル痘が無症状で広がる可能性がある場合、ウイルスの追跡が困難になるため、特に厄介だと述べ、無症状で伝染する可能性があるかどうか完全に理解されていないことを示唆した。⑷ サル痘が性的に感染することは知られていないなど、まだ幾つかの点で研究が必要である。
米国CDCの科学者は5月22日、米国のサル痘の症例は非常に稀であることを明確にし、サル痘は米国では自然に発生しないが、海外旅行や病気がより一般的な地域からの動物の輸入に関連した症例が発生していると述べている。当局は、マサチューセッツ州公衆衛生局と協力し、米国居住者がカナダから米国に帰国した後、5月18日にサル痘の検査で陽性になった症例を調査している。また、CDCはヨーロッパや北アメリカなど、通常、サル痘を報告しない複数の国で5月上旬から中旬に報告されたサル痘の複数のクラスターを追跡している。 これらのクラスターの人々がサル痘に感染した原因は現在のところ不明である。CDCは、米国の医療提供者に、サル痘の旅行や特定の危険因子があるかどうか、性別や性的指向に関係なく、サル痘と一致する発疹のある患者に注意を払うよう求めている。
要するに、研究のため飼育されていたサルにウイルスが発見された1958年に「サル痘」と名付けられ、1970年に、サル痘の最初の人間による症例が記録された為、科学者は既にサル痘について理解している。その過程においてワクチンが開発され、効果があるとされるワクチンは利用可能であるため、現在緊迫した事態ではない。しかし、接触のない人からの感染が報告されたことで、不明な点が幾つかあるため、研究者は追跡を行い、新たな研究を実施しているなど、研究分野が拡大したことを示唆している。現在、お互いに関連のない人からの感染による非常に稀なサル痘の症例は、米国居住者がカナダから米国に戻った後、5月18日にサル痘の検査で陽性を示したとCDCは報告し、ガーディアンは今日(22日)、イギリスで20日に20件の症例が報告されたと伝えた。米国やカナダを含めて11か国で120以上の症例が報告されているため、科学者の間で警告が高まっている。