暗殺されたダリア・ドゥギナとは何者か?

By The New York Times

ロシアの大統領ウラジミール・プーチンのウクライナ侵略の意思決定に多大な影響を与えたと言われたプーチンに非常に近い影響力のある作家の娘であるジャーナリストは走行中の車の爆発による劇的な死を遂げた。ロシアは証拠を提示せず、ウクライナに責任があると批判している。ロシアのウクライナ侵略を支持した家族の一人が死亡したことは近年の傾向とは異なっている。毒殺や暗殺の標的にされているのは、ほとんどの場合、反プーチン派の人々であるが、今回はクレムリンの支持者が暗殺されたため、特に注目を集めている。彼女は父と全く同じ世界観を共有していた。ウクライナ戦争が半年を迎える中で、プーチン派のジャーナリストが暗殺されたことは何を意味するだろうか?

ニューヨーク・タイムスによると、驚異的な車の爆発によって20日に劇的な死を遂げた29歳の女性ダリア・ドゥギナは、ジャーナリスト兼コメンテーターであり、「父と同じタカ派の世界観を共有し、ウクライナに関する偽情報を広めたとして米国と英国の政府から制裁を受けていた」論争的な人物である。死亡する2日前の18日に、国営テレビのトークショーで「西洋人は夢の中に生きている。世界的な覇権から得た夢です」と主張した。ドゥギナは、独学の哲学者として、「プーチンの頭脳」と呼ばれることが多く、クレムリンにウクライナへの攻撃をエスカレートするよう促してきた攻撃的で、帝国主義を理想とするプーチンの主要な支持者であるアレクサンドル・ドゥギンの娘であった。彼らは土曜日にナショナリストのフェスティバルに参加していたが、それぞれ別の車で出かけた。彼女が運転していたトヨタ・ランドクルーザーは、モスクワの西20マイルの高速道路で爆発した。

近年、プーチンの支持者が暗殺される事件は稀である。ほとんどの場合、政治的にプーチンに反対する政治家またはジャーナリストが標的にされるため、彼女の劇的な死は、その責任の矛先がウクライナに向けられた。ロシア外務省のスポークスウーマン、マリア・V・ザハロワはテレグラムに、ウクライナが責任を負っていたとしたら、「キエフ政権によって実現された国家テロ政策について話す必要があります。調査の結果を待っています」と書いた。これに対して、ウクライナ大統領の顧問ミハイロ・ポドリャクは21日の朝、テレビ放映のコメントで「ウクライナは確実に昨日の爆発とは何の関係もありません。私たちはロシア連邦のような犯罪国家ではなく、ましてや、テロリストの国でもありません。」と反論した。

ロシアがウクライナを侵略して以来、今週24日で半年を迎える中で、キエフはウクライナの都市に対するロシアの攻撃が急増していると警告している。ワシントン・ポストが22日に伝えたところによると、ロシアの国内治安機関(FSB)は、メディアへの声明の中で、土曜日のモスクワ近郊での爆発は「ウクライナの特別サービス」によって画策され、爆撃の前に、数週間の監視を行ったとされるウクライナ人女性によって実行されたと主張した。彼女はドゥギナを殺害した後に、幼い娘と一緒にエストニアへ逃げたと報告した。FSB の声明直後、ドゥギナの父ドゥギンは爆発以来の最初のコメントで、 FSB の主張を繰り返し、「ロシアの敵は陰険で、ひそかに彼女を殺した。しかし、私たちの人々は、そのような耐え難い打撃によっても壊れることはありません。彼らは私たちの意志を血まみれの恐怖で打ち砕こうとしていたのです」との声明を発表した。彼の手紙による声明は、ドゥギンが編集長を務めるナショナリスト・キリスト教正教のテレビ・チャンネルの所有者を通して共有された。プーチンは彼女の死が「卑劣で残酷な犯罪」の結果であると述べたお悔やみの手紙の中で、ドゥギナは「ジャーナリスト、科学者、哲学者、従軍記者として、人々と祖国に誠実に奉仕し、行動を通してロシアの愛国者であることの意味を証明した」と書いた。

この状況は、ロシアのウクライナへの攻撃が益々強化される動機を与える可能性がある。ウクライナの大統領ヴォロディミール・ゼレンスキーは、8月24日の国の独立記念日に先立って、ロシアによる攻撃がエスカレートする可能性があると警告したため、この事件はすでに新たな攻撃の動機をロシアに与えている。爆発後、ロシアのメディアだけでなく、自称ドネツク人民共和国の分離主義者の著名人も証拠を提供することなく、すぐにドゥギナの死をウクライナの責任として押し付けたと報告されている。プーチンの究極の目的は穀物輸出のルートを結ぶ黒海があり、ウクライナにとって重要であるオデッサを支配することであると言われている。オデッサのウクライナ人が降参しない場合、この都市も破壊される危機感があるようだ。プーチンの強い支持者のジャーナリストであったダリア・ドゥギナが殺害された為、その動機は強化された可能性があることを意味する。

今週、ウクライナでの戦争は24日で半年を迎えるが、ウクライナの軍司令官であるヴァレリー・ザルジニー将軍は、退役軍人のイベントで、既に約 9,000人のウクライナ兵が死亡したと述べ、ウクライナの子供たちの多くは世話をする必要があると語った。国連は、2 月 24 日に始まったロシアのウクライナ侵攻で 約5,600 人の民間人が死亡し、約7,900 人が負傷したと述べている。しかし、その推定は過小評価されている可能性が高い。国連児童庁は22日、ロシアの侵攻以降、少なくとも約970人のウクライナの子供が死亡または負傷したと述べた。ユニセフ事務局長のキャサリン・ラッセルは、これらは国連が検証した数字であるが、「その数はもっと多いと信じている」と述べた。ゼレンスキーは、来年までに戦争を終わらせたいと語っているようである。しかし、ウクライナ戦争の半年後の今日、今後戦争が終わる兆候はほとんどないようである。APによると、ウクライナの主要な原子力発電所から川を隔てたニコポルでは、22日にロシアの砲撃により4人が負傷したと当局者は語った。ドニエプル川沿いのこの都市は、7 月 12 日以降、激しい打撃を受け、850 棟の建物が被害を受け、人口 10 万人の約半数が避難したと報告されている。

アメリカ・ウオッチ- Yuko's Blogをもっと見る

今すぐ購読し、続きを読んで、すべてのアーカイブにアクセスしましょう。

続きを読む