
フロリダ州南西部 By KSAT
ハリケーン・イアンのために今日28日に予定されていた下院特別委員会の公聴会は延期された。現在フロリダ州は30年ぶりの歴史的なハリケーンのカテゴリー4から5の強風に見舞われている。壊滅的な被害が警告されている中で、フロリダ沿岸の一部では何百万人もの住民が避難命令または勧告を受けていたが、避難するには遅すぎた人々が自宅待機しているようである。30年前の最悪のハリケーン・アンドリュー以後、米国のハリケーンの予測は高度な衛星技術によって、劇的に向上した。幾つかの著名なハリケーンの歴史を見ると、フロリダ州はハリケーンに見舞われる頻度が高い州のひとつであることを示している。
国立ハリケーン・センター(NHC)が28日当地時間午前11時に発表した主な予測と警告によると、⑴ シャーロット・ハーバーを含むイングルウッドからボニータ・ビーチまでのフロリダ南西部の海岸線の地域は、破壊的な波を伴う地上 12 から 18 フィート(365 〜548 cm)の壊滅的な高潮浸水が予測される。これらの地域の住民は緊急に避難命令に従うことを促している。⑵ 壊滅的な風害はフロリダの南西部の海岸に沿って始まっている。ハリケーンの強風はイアンの中心に沿って内陸にまで及ぶと予想される。生命と財産を守るための準備を早急に完了する必要がある。⑶ 広範囲にわたる大雨は29日フロリダ半島全体に拡大し、ハリケーンは今週末に米国南東部の一部に到達する。生命を脅かす壊滅的な洪水はフロリダ州の中部で予測され、かなりの洪水の発生は南部および北部とジョージア州南東部とサウス・キャロライナ州沿岸に到達すると予測されている。フロリダ中部では大規模かつ記録的な河川の氾濫が長期化すると予想される。⑷ ハリケーンの状況は、ハリケーン警報が発令されたフロリダの東中部に沿って夜通し発生すると予測されている。また、29日と30日にフロリダ北東部からサウス・キャロライナ州の一部は、ハリケーン監視地域になる可能性がある。
フロリダ州の共和党知事ロン・デサンティスは28日、コリアー郡、リー郡、サラソタ郡、シャーロット郡の住民は、避難するには遅すぎると警告した。28日午後早期にフロリダ州の西海岸を襲ったハリケーン・イアンはフロリダ州ポート・シャーロットの近くに上陸し、カテゴリー 5 の状態に近づいた。フロリダ州は約30年前に、同様の強風に見舞われており、多くの地域で深刻な洪水を引き起こしている。今後数時間のうちに、州の南西部の海岸全体と内陸部で危険な暴風雨が予測され、週末にはジョージア州とサウス・キャロライナに向かう可能性がある。国立ハリケーンセンターによると、当地時間午前11時に、最大持続風速は時速155マイルであった。
フロリダ州は30年前に壊滅的な強風に見舞われた歴史がある。国立海洋大気局( NOAA)によると、1992 年 8 月 24 日、米国史上最も壊滅的なハリケーンのひ とつとして知られたハリケーン・アンドリューはマイアミの南部にあるデイド郡に上陸し、その時のカテゴリーは5 であり、最大持続風速は 165 マイルであった。これは1900 年以来、カテゴリー 5 として、米国に上陸した 4 つのハリケーンのうちのひとつである。他3つは、1935 年にフロリダ ・キーズ に上陸したレイバー ・デイ・ハリケーン、1969 年のハリケーン・カミーユ、2018 年のハリケーン・マイケルである。ハリケーン・アンドリューは、23人の死者を出し、合計50,000 軒以上の家屋を破壊し、推定 260 億ドルの損害をもたらした。これは、当時、米国史上最も高額な自然災害となり、13 年後のハリケーン・ カトリーナが発生するまで、米国自然災害の歴史上最悪のハリケーンであった。しかし、ハリケーンの予測技術は、その後大幅に向上した。この嵐そのものは壊滅的であったが、ハリケーンの専門家や予測関係者は、ハリケーンの計画、予測、対応を改善できるようにする劇的な進歩を遂げた。国立海洋大気局( NOAA) の国立ハリケーン・センターによると、ハリケーン・アンドリュー以降、NOAA はハリケーンの進路と強度の予測を大幅に改善し、進路の精度を 75%、強度の予測を 50%向上させた。 NOAA の科学者は現在、一連の衛星情報、陸上、海上、航空機関連の機器を使用して観測データを収集している。加えて、NOAA 衛星に搭載されている計器は世代ごとに改良され続けている。 共同極線衛星システム(JPSS)の軌道衛星によって収集されたデータは、数日前に悪天候の強度と場所を予測するのに役立つ大気温度と水蒸気情報で構成される気象予測モデルに貢献している。西半球のほぼリアルタイムの観測と環境条件を上から監視する一連の機器を備えた衛星テクノロジーは、急速に変化する嵐を観察する能力を向上させている。人工衛星に搭載された 高度なベースライン・イメージャーは環境条件を監視し、嵐の発生とその中の雲の特徴を識別できるいう。
つまり、近年ハリケーンの予測技術は著しく向上しているものの、国立ハリケーン・センターのハリケーンの歴史を見ると、死者数や被害の規模を減少することはできないのが自然災害の性質であることを示唆している。少なくとも、1990年代の後半からハリケーンのカテゴリが4から5であった主な有名なハリケーンの歴史的な記録は、米国のどの地域がハリケーンの影響を受けやすいかを示唆している。例えば、① 1995 年9 月 11 日にアフリカの海岸から移動した熱帯の波として最初に検出されたカテゴリー4のハリケーン・オパールは、フロリダ州ペンサコーラ・ビーチ近くに上陸したとき、カテゴリー 3 に弱体化した。強風の倒木による 8 人、竜巻による 1 人を含めて、米国で 9 人の死亡が確認された。② 1998年10 月 22 日にカリブ海南西部で発達し始めた強力なハリケーン・ ミッチ はその後、再び西に向きを変え、急速に勢力を強め、カテゴリー 5 のハリケーンになった 。フロリダ・キーズでは漁船が転覆し、2 人が死亡した。ミッチは、中央アメリカで莫大な財産、インフラストラクチャー、および作物の被害を引き起こし、フロリダで4,000 万ドルの被害をもたらした。
③ 2001年6 月 5 日にメキシコ湾北西部の不安定な天候の地域が熱帯暴風雨に発展したときに始まった熱帯性暴風雨のハリケーン・アリソンは12 日に弱体化し、東北東へと進みながら亜熱帯低気圧に戻った。この動きにより 14 日までにノース・キャロライナ州南東部に移動し、そこで再び失速した。アリソンは、米国で 41 人の死者と少なくとも 50 億ドルの被害をもたらし、記録上、米国の熱帯性暴風雨の中で、最も致命的で損害額が大きかったハリケーンである。④ 2003年 9 月 1 日にアフリカの海岸線で発達した遅い熱帯の波によるハリケーン・イザベルは9 月 6 日の朝、熱帯性暴風雨に発展した。カテゴリー4のハリケーンは、バージニア州、メリーランド州、デラウェア州、およびワシントン D.Cを横切って、湾に流れ込んだ 8 フィート以上の高潮によって川を氾濫させた。2003 年シーズンで最も激しかったハリケーン・イザベルは17 人の死者と 30 億ドル以上の損害をもたらした。
⑤ 2005年8月に発生したハリケーン ・カトリーナは、米国史上最も壊滅的なハリケーンの ひとつであった。米国を襲ったハリケーンとしては、1928 年 9 月に発生したフロリダ州のパーム・ビーチとオキチョビー湖(米国フロリダ州で最大の淡水湖であり、50 州の中で 10 番目に大きな天然淡水湖)のハリケーン以来、最悪のハリケーンであった。ニューオーリンズ地域とミシシッピー州沿岸の地域では推定 750 億ドルの壊滅的な被害をもたらし、米国のハリケーンとしては史上最大の被害をもたらした。8月28日にカテゴリー5に到達したカトリーナは、ルイジアナ州で約 1,000 人、ミシ シッピー州で 200 人を含む、約 1,200 人が死亡したと報告された。⑥ ハリケーン・ アイクは、2008年カリブ海の一部とテキサス州とルイジアナ州の海岸に沿って広範囲の被害と多くの死者を出した主要なハリケーンの一つである。アイクは 9 月 4 日にカテゴリー 4とされ、アイクの高潮はテキサス州のボリバル半島を荒廃させ、豪雨による高潮、風、洪水により、テキサス州南東部、ルイジアナ州西部、アーカンソー州の他の地域に広範囲の被害をもたらした。 これらの地域で 20 人が死亡し、34 人が行方不明になり、ハリケーン・アイクによる物的損害は、推定193億ドルであった。さらに、アイクは、オハイオ渓谷(オハイオ州、インディアナ州、ケンタッキー州、ペンシルベニア州南西部とウェスト・バージニア州北西部のかなりの部分、およびオハイオ川とミシシッピー川の合流点までが含まれる広範囲の地域)で、28 人の死者、直接的又は間接的な10 億ドル以上の物的損害をもたらした。
フロリダ州の幾つかの地域で、28日現地時間の午後6時頃から、CNNの複数の記者らが誰もいない住宅街の通り、公園、ビジネス街の駐車場で取材していた。この時点でカテゴリー4と報告されている中で、同州のプンタ・ゴルダの建物の角で取材していた女性は、風で飛びそうな帽子を抑えながら、状況を報告していた。ここでは、住宅や大木の倒壊または破壊のシーンは描写されていなかったが、植木に沿って作られた薄いプラスチック製品の低い構造の白いフェンスはほとんど破壊され、細い枝の小さな木は、幾分水かさが増した地面に倒れていた。ブランデンのビジネス街では、建物の前に駐車された乗用車は通常の様子と変化はなかったように見えたが、ここでも徐々に雨量が増加する気配が感じられた。これらの地域は、大木の揺れが強風を感じさせるものの、この時点では、まだ洪水が発生していないため、多大な被害は報告されていない。しかし、ハリケーン・イアンはフロリダ州の中部をゆっくりとしたペースで移動すると予測されている為、今後停電と洪水は深刻になる可能性がある。プンタ・ゴルダとケープ・コーラルでは午後6時の時点で、既に住民が停電に直面していると報告されている。また、フォート・マイヤーズを含む幾つかの地域では高い水位による高潮が観測された。