下院歳入委員会は30日(金曜日)、前大統領ドナルド・トランプが長年開示することを拒否し続けた納税申告書の中で、彼のキャンペーンが開始された2015年から最後の就任年であった2020年までの、彼の税金記録を公開した。幾つかのメディアは、トランプの6年間の納税申告書を分析している。彼の納税申告書は何を示しているだろうか?
ニューヨーク・タイムスが30日にまとめた6年間の納税申告書は、2016年と2017年に、トランプが支払った税金は、米国の平均的な労働者より遥かに少ないことを示している。2018年と2019年を除き、収入はマイナスであり、2020年に支払った税金はゼロであることを示している。
表1:トランプが支払った税金
| 年 | 調整後の総収入 | 収入とAMTに基づく税 | 税額控除 | 控除後の最終税額 |
| 2015 | –$31,756,435 | $2,127,670 | –$1,485,739 | $641,931 |
| 2016 | –$32,409,674 | $2,234,725 | –$2,233,975 | $750 |
| 2017 | –$12,916,948 | $7,435,857 | –$7,435,107 | $750 |
| 2018 | $24,339,696 | $9,356,232 | –$8,356,766 | $999,466 |
| 2019 | $4,380,714 | $558,780 | –$425,335 | $133,445 |
| 2020 | –$4,795,757 | $0 | $0 | $0 |
*AMT:代替ミニマム税
表2:トランプの収入
| カテゴリー | 2015 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019 | 2020 |
| 給与 | $14,141 | $978 | $373,629 | $393,957 | $393,928 | $393,229 |
| 利息 | 9,393,096 | 8,994,141 | 6,758,494 | 9,435,377 | 11,332,436 | 10,626,179 |
| 配当金 | 1,729,897 | 337,938 | 21,984 | 60,254 | 71,921 | 25,347 |
| 事業所得 | –599,030 | 8,797,393 | 1,433,030 | –430,408 | –225,560 | –29,686 |
| 不動産 | –7,882,011 | –15,939,523 | –16,746,815 | –11,992,220 | –16,472,951 | –15,676,469 |
| その他事業 | –76,909,237 | –44,955,324 | –12,306,111 | 4,826,478 | 0 | 0 |
| 資本利得 | 35,835,453 | 10,941,053 | 7,528,298 | 22,015,123 | 9,257,197 | 0 |
| 他の利益 | 6,603,042 | –444,633 | 33,740 | 0 | 0 | –501,255 |
| 年金 | 77,808 | 77,808 | 84,351 | 86,532 | 86,532 | 86,532 |
| 払い戻し | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 382,065 |
| 総収入 | –31,736,841 | –32,190,169 | –12,819,400 | 24,395,093 | 4,443,503 | –4,694,058 |
ワシントン・ポストによると、トランプの納税申告書から判明したことは以下の通りである。
⑴ トランプは積極的に損失を報告した。トランプは、キャンペーンの時と大統領時代を通しょて、不動産、テレビのパーソナリティとしての以前のキャリア、ゴルフ・クラブやワインなど、多数のビジネスの様々な資金源から収入を得ていた。 彼の総収入は数億ドルに達したが、彼はその収入を減らすための控除を報告し、それに対して彼が負っている税金を報告した。2015 年から 2020 年にかけて、彼は 6 年のうち 4 年で調整後総収入がマイナスになったと報告した。報告された総収入は、赤字約 3,200 万ドルから 黒字約2,400 万ドルの範囲である。
⑵トランプは複数の外国に銀行口座を持っており、大統領在任中に多くの国でお金を稼いだ。トランプは納税申告書で、他国に1万ドル以上の金融口座を持つ米国人に必要な書類を作成したと述べた。⑶トランプは彼のビジネスからの多大な損失を報告することで、非常に裕福な人々が法外に低い税額の支払いを免れることを確実にすることを目的としている代替最低税を利用してほとんど税金支払いをしなかった。トランプは、所得控除の一部を追加することで、他の方法よりも多くの年月をかけて少なくとも一部の税金を支払う必要があり、この税金計算方法の対象となる約 20 万人の納税者の 1 人であった。
⑷トランプは就任中、大統領の年間収入40万ドルを毎年連邦機関に寄付すると繰り返し約束した。しかし、その公約には一貫性がないことを示した。IRS の規則によると、「公的な目的に限り」政府機関にお金を寄付した納税者は、納税申告書の慈善寄付として、それらの寄付を差し引くことが可能であるが、トランプは 2020 年に慈善控除を受けていないため、その年に大統領の給与を寄付しなかったことを示唆している。また、それ以前の 2 年間に給与を寄付したかを明白に示す毎年の慈善寄付の記録があるかどうかは不明である。法医学会計士のブルース・ダビンスキーは、トランプが実際に給与を寄付したかどうかを納税申告書から判断することはできないと述べている。「2018年に請求された500,150ドルの慈善控除がどこに使われたかを示すスケジュールの記録はないとCBSニュースに語った。ダビンスキーは「通常、納税者がその多額の慈善控除を請求する場合、納税者はそのお金が誰に支払われたかの詳細なリストを含めます。たとえば、トランプの2018年の納税申告書では、そのようなスケジュールの記録はありません。 彼が大統領の給料を慈善団体に寄付したと言ったとき、彼が本当のことを言っていたかどうかはわかりません。」と述べている。
トランプの納税申告書は、2015年に1 億 500 万ドル、2016 年に 7,300 万ドルの損失を繰り越したことを示している。CNNの報告によると、トランプの提出書類は、中国を含む多数の外国に銀行口座を維持していたことを示している。ニューヨーク・タイムスは2020年に中国に銀行口座があることを報告した時、トランプ・オルガニゼーションの弁護士アラン・ガーテンは、同国でのトランプ・インターナショナル・ホテルの事業推進に関連していると当時述べていた。トランプは納税申告書に、アゼルバイジャン、パナマ、カナダ、インド、カタール、韓国、英国、中国、ドミニカ共和国、アラブ首長国連邦、プエルトリコ、フィリピン、グレナダ、米国領プエルトリコ、ジョージア、イスラエル、ブラジル、セント・マーチン島 、メキシコ、インドネシア、アイルランドの事業所得、税金、費用、またはその他の注目すべき財務項目を記載した。
2020 年に中国での商取引が明らかになったのは、トランプ陣営が対立候補のジョー・バイデンを中国の「操り人形」として描写しようとしたためである。ジョー・バイデンは既に2009年の副大統領時代から、自発的に納税申告書を開示したが、彼の所得税申告と財務開示には、中国からの商取引や収入があったことを示していない。また、トランプの納税申告書はトランプが大統領に就任した最初の年である2017年に、米国連邦所得税よりも多くの外国税を支払ったことを示している。トランプはこの年に米国の連邦所得税をわずか750ドルしか支払っていない。これは、彼が前年に主張した多額の繰越損失のためであり、彼のアメリカの事実上の納税義務をすべて無効にした。一方、トランプはその年、外国に100万ドル近くの税金を支払った。これは、トランプの企業とビジネスの利益がどのように世界中に広がっているか、又それらのビジネスがどのように地方の税法と規制の対象となっているかを示している。
加えて、トランプの納税申告書は、彼が非常に複雑な世界にいるビジネスマンであり、他の富豪者とは異なっていることを示した。シラキュース大学の会計実務専門のマリアンヌ・モンフォルテ教授は、納税申告書は専門家にとっても「泥沼」であると述べた。 「彼は典型的なビジネスマンで、あらゆることに手を出しています。彼は不動産からスタートしたため、評価額、収益、損失、減価償却費の間に一定レベルの複雑さが生じています。つまり、彼の納税申告書には、「他の億万長者には見られない複雑さの層が追加されている」と彼女は言った。民主党の戦略家アメシア・クロスは、「トランプ支持者は何の影響も受けないでしょう。 彼らにとっては、率直に言って、これは問題ではないと思います。それは、彼が実行したキャンペーン全体が基本的に嘘だったことを意味します。これは、彼が何年も隠そうとしていた」ことの理由を示していると述べた。
要するに、トランプの納税書は、キャンペーンで主張した彼の富と収入および税金の支払い状況が一致していないことを示した。トランプの2016年の大統領選挙で2015年から開始した彼のキャンペーンは、彼自身を「非常に金持ち」であると頻繁に述べていた。しかし、2015年から2020年の間に、二回わずか750ドルの税金を支払い、2020年にはゼロである驚きの記録がある。トランプの納税申告書の大きな特徴は、一部の年に米国での連邦税は非常に少なく、外国で非常に多いこと、および、大統領職からの給与を寄付する又はしたという話と専門家の発見とは一貫性がないことを示唆した。「キャンペーン全体が基本的に嘘だった」と言われているトランプと、現在、連邦および州の捜査に直面しているジョージ・サントスは幾つかの点で、驚くほど類似した性質があることを示している。サントスは、キャンペーン中、彼が非常に豊かで、エリートであることをアピールし、大幅な虚偽があったことが暴露された。両氏は、いずれも平然と重大な虚偽を語る異様性があるが、それは遅かれ早かれ、事実が表面化する結果になることを示唆している。