IMFによる世界経済見通し 

Photo credit : IMF Media Center

国際通貨基金(IMF )は4 月 11 日の火曜日、世界経済見通しに関連する報告書を公表した。また、IMFの経済主任であるピエール ・オリヴィエ・ グランシャは記者会見で、世界の GDP 成長率の基準予測は 2023 年 1 月の世界経済見通しでの予測よりも 0.1 ポイント低く、2024 年には 3.0%に上昇すると発表した。世界経済は、過去 3 年間の前例のない激動からいまだに回復を続けており、最近の銀行の混乱により不確実性が高まっていると述べた。

グランシャは記者会見で、「世界の GDP 成長率は、昨年の 3.4% から 2023 年には 2.8% に低下し、2024 年には 3.0% に上昇すると予想している」が、1 月の予測からはほとんど変化はないと述べた。また、「先進国では、2022 年の 2.7% から 2023 年には 1.3% へと、特に顕著な成長鈍化が予想され、総体的な世界のインフレ率は、商品価格の低下と基調的なインフレ率を背景に、2022 年の 8.7% から 2023 年には 7% に低下する見込みである。重要なことに、この見通しは、最近の金融ストレスが引き続き抑制されていることを前提にしている」と述べた。彼は、最近の金融機関の混乱、頑固な高インフレへの懸念が根強いこと、景気後退への懸念があることなど、世界経済には「多くの不確実性があるため、短期および中期の見通し」は不透明であると示唆した。

今日11日にIMFが公開した世界経済見通しの報告書によると、2023 年初頭に、中央銀行が金利を引き上げたことで、食品とエネルギーの価格が下落したため、インフレ率が低下し、成長が安定しているという「暫定的な兆候」があった。しかし、執拗に続いている高インフレと最近の金融部門での混乱の中で、その兆候は後退している。現在、「多くの経済で労働市場が逼迫しているため、基本的な物価上昇の圧力は強まっており、銀行の脆弱性が注目され、それは非金融機関を含むさらに広範な金融部門全体に感染する恐れが高まっているため、金利の急速な上昇による副作用が明らかになりつつある」と指摘している。

以下のチャートは、11日にIMFが公開した世界経済見通しの予測 (実質GDP、年率変化率)を示している。

国名202220232024
世界3.42.83.0
先進国2.71.31.4
米国2.11.61.1
EU諸国3.50.81.4
ドイツ1.8-0.11.1
フランス2.60.71.3
スペイン5.51.52.0
イタリア3.70.70.8
日本1.11.31.0
イギリス4.0-0.31.0
カナダ3.41.51.5
中国3.05.24.5
インド6.85.96.3
ロシア-2.10.71.3
ブラジル2.90.91.5
メキシコ3.11.81.6
南アフリカ2.00.11.8

要するに、IMFおよび世界銀行の春の会議のために、今週世界中の経済関係者がワシントンに集まっている中で、IMFの世界経済の見通しは、「困難」が予測されるとして、「ハード・ランディングが多大なリスクになっている」と述べている。ハード・ランディングは、景気後退に陥る可能性があることを意味する用語である。IMF の警告に近い世界経済の予測は、ウクライナでのロシアの戦争の長期化、頑固なインフレ、債務不履行の可能性、最近の米国での 2 つの銀行の破綻、スイス連邦銀行によるクレディ・スイスの買収など、世界の銀行部門における数週間にわたる混乱を含む複数のマイナス要素により、世界中の経済生産が減速する可能性があるという懸念を反映している。

総体的に景気後退の懸念を示唆するIMFの報告に対して、米国財務省の長官ジャネット・イエレンは、世界銀行の春季会合前の11日の記者会見で、現段階では、信用度が収縮する可能性を示唆する証拠は実際には見ていないが、その可能性はあると述べた。しかし、「私たちの銀行システムは引き続き強力で回復力があると信じています。しっかりした資本と流動性があります。もちろん、リスクは残りますが、景気の後退は予想していません」と述べ、引き続きグローバル的不況に陥る兆候があるという懸念を否定した。

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