イソフラボンは健康を促進するか?

Is Tofu Good for You?                                           4月4日:ニューヨーク・タイムス 

豆腐は一般的にたんぱく質が豊富で健康な食品であると言われているが、エストロゲンを増加させるため、健康的ではないという説もある。この記事は、植物由来の化合物イソフラボンが含まれる大豆食品の安全性についての疑問に関して、専門家の解説を引用している。当ブログは国立研究所が2020年に公開した骨の健康、心血管リスク、がん、更年期症状などの複数の分野における本格的なイソフラボンの研究結果について、6人の筆者が掲載した包括的な文献を概略的にまとめてみた。

この記事は、最初に豆腐にはとても印象的な栄養素があることから説明している。たとえば、栄養士(a dietitian)のエイミー・ブラガニニは、3オンス(約85g)の豆腐(A three-ounce serving of tofu)には、必須アミノ酸(the essential amino acids)が9種類含まれており、調理法や料理の量によって異なるが、4〜14グラムのタンパク質を摂取することができる。また、ビタミン B、健康的な不飽和脂肪酸(healthy unsaturated fatty acids)、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、鉄などのミネラルも含まれている。一方、豆腐、豆乳、枝豆、大豆ナッツなどの大豆食品は悪い評判(an unsavory reputation)があるという。ブラガニニの顧客は、大豆食品が癌と関連しているかどうか(if soy foods are linked with cancer)懸念しているという。なぜなら、ホルモンのエストロゲンと構造的に似ている植物由来の化合物(plant-based compounds)イソフラボン(isoflavones)のレベルが比較的高い(relatively high levels)為である。イソフラボンの存在は、大豆が生殖能力に悪影響を及ぼし(negatively affect fertility)、男性にもっと女性的な特徴を与えるのではないかという懸念にもつながっている。しかし、ハーバード大学 T.H チャン公衆衛生学校の栄養学と疫学の准教授であるチー・スン博士は全体的に、食事に大豆食品を取り入れることは安全であるだけでなく、心臓や代謝の健康にも良い(benefit your heart and metabolic health)ことが研究によって示されていると述べている。また、大豆食品は抗がん(anticancer)作用、抗炎症(anti-inflammatory)作用、抗酸化作用(antioxidant properties)があると述べている。

大豆に関する長年の懸念のひとつは、大豆に含まれるエストロゲン様イソフラボン(estrogen-like isoflavones)が乳がんを促進する(promote breast cancer)可能性があることであったが、バンダービルト大学医学部の疫学教授であるシャオ・オウ・シュウによると、多くの研究で、大豆食品を多く食べる女性は、大豆をほとんどまたはまったく食べない女性よりも乳がんを発症するリスクが高くないか又はリスクが低いことを示している。2012 年に発表された研究で、シュウ博士と彼女の同僚は、乳がんと診断された中国と米国の女性のうち、その診断後に 1 日あたり約半分以上の大豆食品を食べた女性の割合は、食べる量が少ない人よりも再発する可能性は低いことを発見した。

幾つかの研究では、大豆の摂取量が多いほど、閉経後の女性(postmenopausal women)の骨粗鬆症による骨折(osteoporotic fractures)のリスクが低下することも判明している。加えて、2020年に発表された研究を主導したスン博士は食事に大豆を含めると心臓に良いという証拠が幾つかあると言った。特に豆腐からの大豆イソフラボンの摂取量が多いほど、冠状動脈性心臓病(coronary heart disease)のリスクが中程度に低下することを発見した。更に、米国の約 120,000 人の医療専門家を対象とした別の研究では、スン博士と彼の同僚は、30 年以上の追跡調査中(more than 30 years of follow-up)に、週に少なくとも 1回 、豆腐または豆乳を摂取した人は、 1 か月に 1 食分未満しか食べない人よりも、死亡する可能性が 15 %から 16% 低くなるという。

米国では、実際にイソフラボンと骨の健康、心血管リスク、がん、更年期症状などの分野での健康に関連する研究は多数ある。例えば、米国国立研究所が2020年12月17日に公開した研究結果によると、閉経後の女性の骨粗鬆症の予防と治療におけるイソフラボンの役割について、骨の健康に対する有益な効果を裏付ける科学的証拠があると結論付けることが可能であるという。しかし、実験計画に関連して、研究間に矛盾があるため、結果は慎重に解釈する必要があり、もっと多くの無作為臨床試験が必要であることなどから、結果は完全に決定的なものではないと述べている。全ての研究結果は「大豆イソフラボンが心血管リスクに対して有意な保護効果はない」ことを示唆している。この研究も「追加の高品質で大規模な無作為比較試験が必要である」と述べている。

また、研究者は乳がん、卵巣がん、子宮内膜がんなど産婦人科系の癌および前立腺がんとイソフラボンの摂取との関連性も明記している。「乳がんの再発に関する4つの研究のうち、3つの研究でイソフラボンの摂取は乳がんの再発リスクを低下させることが判明したが、この発見を確定的にするためには、さらなる研究が必要である」と述べている。「乳がんに関しては、1日に10 mgの大豆イソフラボン摂取量増加と乳がんによる死亡リスクの 9% 低下に関連し、イソフラボンの摂取により、卵巣がんのリスクは 33% 減少したことを示した」ため、この研究の「著者らは、食物からのイソフラボンの摂取が卵巣がんに対する保護的役割を果たしたと結論付けた」という。著者らは、「大豆製品および豆類からのイソフラボン摂取が、子宮内膜がんリスクの 19% の減少と関連している」と報告した。 しかし、アジア人女性(22%)のリスク低下は、アジア人以外の女性(18%)よりもわずかに大きかった。

著者らは「大豆食品の摂取も循環イソフラボンも前立腺がんのリスク低下と関連していないが、特定のイソフラボンであるゲニステインとダイゼインの摂取は、このタイプのがんのリスクの低下と実際に有意に関連していた」と報告した。また、非常に多数の研究がある更年期症状の一つであるのぼせに関連した結論は、一般的に「血管運動症状に対するイソフラボンの使用に関する証拠は、のぼせの軽減に役立つ可能性があることを示唆している。しかし、研究間には依然として大きな異質性があり、イソフラボンが血管運動を緩和するメカニズムについては、現在のデーターは決定的ではない」と報告している。

結論として、6人の著者は、イソフラボンが「閉経後の女性の骨粗鬆症の予防と治療に有益であることを示す科学的証拠がある」ものの、「研究間に矛盾」があるため、「結果は完全に決定的なものではない」と報告している。全ての研究結果を「慎重に解釈する必要があり、より無作為臨床試験が不可欠である」と述べている。また、心血管リスクに対して、大豆イソフラボンは有益な保護効果はないと述べている。乳がんや子宮内膜がんに関する「科学的証拠」は、リスクを軽減するのに役立つ可能性があることを示唆しているが、さらなる研究が必要であると述べている。また、イソフラボンの摂取は、更年期に伴うのぼせを軽減するのに役立つ可能性があるとし、この分野は依然として、それぞれ大幅に異なる研究結果があると述べている。要するに、イソフラボンの効果は、心血管リスクと前立腺リスクの低下には関連性がないようであるが、骨の健康、乳がん、卵巣がん、子宮内膜がん、のぼせなどには有効性があることを示している。総体的に、これらの臨床実験の結果は、より強力な結論に達するために更なる研究が必要であること示唆している。

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