Trump asked if U.S. was better off in his last year. In many ways, the answer is no. March 24, 2024 : Washington Post
ドナルド・トランプは先週、彼のソーシャル・メディアに、彼の任期の最後の年とちょうど4年後の現在と比較した場合、2020年が良好であったかを聞いた。米国の経済と健康の側面で、記録に残っているデーターを参考に、この記事を掲載した著者アシュレイ・パーカーと ハンナ・ノウルズがトランプの質問に回答し、それは明らかに「ノー」であると述べている。
トランプは最近、「4年前よりも生活は良くなりましたか?」と聞くことで、現在のバイデン政権より、彼の2020年は、もっと経済や社会状況は良好であったと示唆する戦略をキャンペーンに利用しているという。「トランプ大統領とその同盟者が示唆しているのは、トランプが大統領だった2020年にはこの国は繁栄していた(the country was thriving in 2020)が、現在のバイデン大統領下では繁栄していない」という主張を強調することが目的であるという。「しかし、現実は遥かに複雑です」と述べており、タイトルの後半部で、「多くの点で、答えはノーです」と反応している。
トランプがこのような質問を提起する4年前の2020年3月第3週の米国は、危機の瀬戸際(the precipice of crisis)に立たされていた。コロナウイルスのパンデミック(the coronavirus pandemic)は、ちょうど4年前の今頃、急速に拡大していた。この記事によると、「その週に報告された新型コロナウイルス感染者数は588人から3,659人に爆発的に増加し、新型コロナウイルスによる死亡者数は15日(日曜日)の16人から次の週の土曜日には52人であり3倍以上増加した。パンデミックの過程で、トランプは定期的に最も戦闘的(his most combative)で常軌を逸した衝動(erratic impulses)に耽り、その過程で多くの国民(large swaths of the public)を疎外させた」という。
米国のCovid-19の死者数は2020年3月21日には586人であったが、その後急増し始めた。折れ線グラフ上にマウスを移動させると、日付と死亡者数が表示される。この記録によると、2020年3月28日の死亡数は3,211人、4月11日には16,306人、 4月18日には17,201人に増加した。7月25日には8,229人に減少し、8月26日には4,296人と更に減少した。しかし、10月31日には7,019件に戻り始め、その後11月28日には 15,615人、12月5日には18,545人、12月26には23,364人が死亡した。つまり、トランプの任期最後の約3週間前に米国は最悪の健康危機に直面していたが、トランプは、この国はウイルスを「驚異的にコントロール(tremendous control)」しており、「我々はウイルスに勝利している」と語った。しかし、筆者らは「実際、その逆が真実であった(the opposite was true)」と述べている。
この状況に対して、有権者は公的にトランプを批判しなかったが、世論調査は彼らの声を反映していた。「2020年5月から2020年11月までの世論調査では、ほとんどのアメリカ人はトランプ大統領のパンデミックへの対応に不支持である(most Americans disapproved of Trump’s handling of the pandemic)ことが一貫して示されており、ほとんどの世論調査では、トランプのパンデミックへの対応に対する評価は、全体的な仕事の業績よりも悪いことが示されていたという。毎週有権者とグループに焦点を当てている共和党戦略家サラ・ロングウェルは、彼女と同じようなトランプの批判者が彼の質問に文字通りに答えていると述べ、「もし文字通りに答えれば(if you answer it literally)、トランプは毎回負けている」と語った。
2020年3月15日:新型コロナウイルスによる閉鎖措置(Covid closures)はイタリアを先頭にスペインとフランスが続いており、すでに欧州全土に広がっていた(already sweeping across Europe)。トランプ大統領はこの日、ホワイトハウス記者会見室(the White House briefing room)に現れ、他国では同じことが起きていたが、米国は順調だったとして、大統領と彼のチームが現状に細心の注意を払っていることを国民に保証した。2020年3月16日:この日は株式市場が崩壊した日であった。これは「ブラック・マンデー II」として知られるようになり、新型コロナウイルス感染症による株価下落は極端になり、ニューヨーク証券取引所は一時的に取引を停止した月の 3 日のうちの 1 日となった。ダウ工業株30種平均は3,000ポイント近く急落し(plummeted)、その価値のほぼ13%が消え去った(wiping out)」と記事は述べている。また、2017年から2020年までのトランプ時代と2021年から2024年のバイデン時代の株式市場の業績を図解で示しており、バイデン政権下での株式市場は健全であることを明白に示している。
2020年3月17日:トランプ大統領は、新型コロナウイルスを「中国ウイルス(the Chinese virus)」と呼んだ自身の表現を擁護し、そのような言葉が攻撃的であるという指摘を否定した。 この言葉がアジア系アメリカ人に対する偏見を生むのではないか(the phrase could create a stigma around Asian Americans)との記者団の質問に対し、トランプ大統領は「いいえ、私はそうは思わない」と答えた。2020年3月18日:トランプはこの日、自分が「戦時の大統領(wartime president)」であると宣言し、「必要な場合に備えて」医療用品の製造を強制する国防生産法(the Defense Production Act)を発動すると述べた。批評家にとって、この動きは遅すぎた。元米国軍医総長のヴィベク・マーシーは当時、「人々は今、苦しんでいます。現在、マスク、ガウン、手袋が不足しています」と語った。しかし、トランプは会見でも晴れやかな表情を見せ、「我々は勝っている。我々は勝つ。すぐに終わる」と語り、パンデミックはまもなく終わると予告した。
2020年3月19日:トランプはこの日、「ヒドロキシクロロキンと呼ばれる抗マラリア薬(antimalarial drug)が新型コロナウイルス感染症に対して有効であることが証明される可能性がある」と述べた。これは、新たな論争的発言として話題になったが、単にトランプ大統領の楽観論であった。連邦保健当局の関係者は「潜在的な治療法として、さらなる研究が必要だが、最終的には質の高い試験(a high-quality trial)でプラセボ以上のものではない(it was no better than a placebo)と判明した」と述べた。2020年3月20日:米国の感染者数は14,000人に膨れ上がり、都市封鎖が増加する中、カリフォルニア州は4,000万人の住民に自宅待機命令を出したばかりであった。NBCニュースの記者は大統領に「怖がっている今あなたを見ているアメリカ人たちへのメッセージがありますか」と尋ねた。トランプは、記者会見場の演壇(the briefing room podium)から、「あなたはひどい記者だ。それが私の言うことだ。とても意地悪な質問(a very nasty question)だと思う」と言った。
最後に、2020年3月と2024年3月を限定的に比較する場合、現在の方が遥かに良いと言えるほど、4年前のこの時期は、米国人が最悪の健康と経済危機に直面していた。全てのアメリカ人は、最悪のコロナウイルスのパンデミックに伴う様々な苦境を経験しているため、おそらくほとんど忘れることはできないほど、その記憶は鮮明に残っているはずである。また、コロナウイルスの発生源が中国であると示唆したトランプの発言を受けて、トランプの任期後の2021年からアジア系アメリカ人が攻撃される事件は全米で続発した為、記者の指摘は驚くほど正確であったことを示唆している。コロナウイルスの余波は暴力の形で、バイデン政権下で起きたことに注目する必要がある。いずれにしても、トランプの疑問の提起は、2024年の大統領選を強く意識した上での戦略であるという。7月に開催される共和党全国大会で共和党候補者として、指名される可能性が高いトランプは、現役の大統領ジョー・バイデンに対抗することが可能な課題を選択する必要がある。現在と4年前のどちらが、良好であるかを提起することで、経済に焦点を当てる戦略を利用する可能性があることを示唆している。例えば、インフレーションを例に挙げる場合、トランプは、有権者が身近に感じている物価高の一部を比較し、彼の政権下で経済は良好であったと主張することは可能である。例えば、ガソリンの価格は4年前の方が確かに安かった。そして、4年前に比較して、現在多くの製品はまだ高いと実感しているアメリカ人は多いようである。一部の製品は過去4年間で30%から50%増加しているものもある。以下は簡略的な調査による3つの製品の全国平均価格を比較してみた。
| 全国平均価格 | 2020年 | 2024年 |
| ガソリン/1ガロン当たり | $2.17 | $3.38 |
| ミルク/1ガロン当たり | $3.32 | $3.96 |
| たまご/12個当たり | $1.51 | $3.33 |
2020年に比較してガソリンが高騰している理由は、ウクライナを侵略したロシアに対する経済制裁として石油と天然ガスの輸入を米国とその同盟国が禁止したためである。卵が高価になっているのは致死性の高いウイルス性インフルエンザの伝染で、多量の鶏が死亡し、卵の生産が需要に追いつかないためである。これらは、バイデン大統領政権下ではトランプの時より高くなったと言う性質のものではない。しかし、トランプの多くの支持者は、彼が言うことを単純に信じる傾向があると言われている事実を考慮すると、特に経済の課題をキャンペーンの戦略として利用することは驚くことではない。