最高裁判事2回目の旗掲揚のスキャンダル

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Photo credit : NBC Chicago

米国最高裁判事サミュエル・アリートの別荘で別の旗が新たに発見された。それは、2021年1月6日に連邦議会議事堂での暴動で、トランプの支持者である暴徒らが掲げていたとされる「天国への訴え」と名付けられた歴史的な旗である。加えて、マイク・ジョンソンが下院議長になる以前、彼のオフィスのドアの前に同じ旗が展示されていたことが判明した。複数の旗の暴露は幾人かの学者に意見を公表する機会を与えている。

米国最高裁判事サミュエル・アリートの別荘で、連邦議会議事堂での暴動でトランプの支持者である暴徒らが掲げた「天国への訴え」の旗を発見し、3枚の写真、旗を見た人々とのインタビューやA Google Street Viewを利用した通りから見える旗の写真を引用して、昨夜報じたニューヨーク・タイムスによると、その二つ目の旗は2021年1月6日に議事堂に押し寄せた暴徒の一部が保持していたものと同じであり、ニュージャージー州ロングビーチ島にあるアリート判事の別荘の外に掲揚されていたものである。また、この特殊な旗は「パイン・ツリー・フラッグ」と呼ばれるもので、その「歴史的意味は独立戦争にまで遡り、近年までほとんど知られておらず、現在はドナルド・トランプ前大統領のキャンペーンと、キリスト教の観点からアメリカ政府を作り直すための推進的な宗教的思想である『盗みをやめろ』への支持の象徴」とみられている。この旗は2023年7月と9月、ロングビーチ島のアリートの家に掲揚されたものであるが、その特定の時期にどのくらいの期間に翻っていたかは不明である。

Photo credit : National Defense PAC

タイムスによると、この旗の暴露により、「法学者や倫理学者の懸念を引き起こし、数十人の民主党議員からは判事が1月6日関連の事件から身を引くよう求める声が上がっている」という。また、リンジィ・グレイアム上院議員を含む一部の保守政治家からの批判も招いた。グレイアムは、逆さ旗を掲げることは「適切な判断ではなかった」と述べた。また、ニュージャージー州にある判事の別荘に「天国への訴え」の旗が掲げられているのが見られた期間中、1月6日の重要な訴訟が最高裁判所に提出され、議事堂に不法「乱入した人々を妨害罪で訴追できるかどうか」が論議された。米国最高裁判事らは、暴動に参加し既に有罪判決を受けた人々に対する「訴訟についての判決」及びトランプが主張した「絶対的免責」について「数週間以内に決定する予定」である。場合によっては、「トランプに対する起訴の一部が取り消される可能性がある」だけでなく「2020年の大統領選挙を覆そうとした同氏の責任をどの程度問うことができるかを決める」ことになる。

また、複数の倫理専門家はインタビューで、新しい旗に関する暴露は厄介であると語った。その理由は「この旗がアリト判事と1月6日の選挙破壊未遂に関連するシンボルとより密接に結びついていること、そして妨害事件が裁判所によって検討される中で最初に表示されたためである」と同紙は伝えている。近隣の住民らは「その旗が何を意味するのかを理解し、特に多くのボート乗りが行き交う目立つ場所に旗が掲示されているのを見て驚いた」と語った。インディアナ大学ブルーミントン校のチャールズ・ゲイ法学教授は、「誰しも偏見を持っているが、優れた裁判官は偏見と戦うものです。裁判官が自分の素質を旗に掲げて称賛するのは、非常に憂慮すべきことです」と語った。最高裁が新たな倫理規定を採択しようとしていた時期に、裁判官は偏見の印象を与えるべきではないにもかかわらず、この旗はアリート判事の意見を伝えていると見なされる可能性があるという。アメリカ独立戦争の際に制定されて以来、この旗には「反抗のメッセージ」が込められてきた。「天に訴える」という言葉は、不当な支配を打倒するためには反逆し、暴力さえも使う責任について書いた 17 世紀の哲学者ジョン・ロックに由来している。プリンストン大学の歴史家アンソニー・グラフトンはインタビューで、「これは武器による裁判の言い換えです。重要なのは、上訴はなく、助けや判決を求められる人は他にいないということです」と語った。

左右両側:パイン・ツリー・フラッグ Photo creidt : Tow Center – Medium

タイムスによると、「天国への訴え」と記載された旗は約10年前まで、ほとんどが「歴史的遺物」であった。イスラム・キリスト教・ユダヤ研究所の宗教学者マシュー・テイラーは、それ以来、「米国がどうあるべきか、どのように統治されるべきかについての神学的ビジョン」を表すために復活したと述べた。 同氏は、国旗を再普及させた右翼キリスト教作家兼講演者が、選挙を覆そうとするトランプの試みをどのように推進したかを追跡する近刊予定の本の著者でもある。忘れられかけていたこの旗を2013年に発見し、キリスト教を浸透させるという野心の象徴と見なした人物は「新使徒改革」と呼ぶ極右福音主義運動の著者ダッチ・シートである。彼は2015年に「天への訴え」というタイトルの本の中で「旗に向かって集まろう」と書き、「神はこのような時のためにそれを復活させました。外側に振って、内側に着用してください。私たちの時代のゴリアテ(聖書に登場するペリシテ人の戦士)を打ち倒す霊的革命を毎日天に訴えてください」と述べている。彼は米国最高裁を自らの使命の中心に据えた。2015年、各州は同性婚を認めなければならないという裁判所の判決がこの運動を活性化させ、成長を促した。3年後の演説で、彼は「最高裁判所ほど我が国に悪の侵入を許した門はない」と述べた。しかし、シーツと彼の仲間の指導者らは、「公的生活における信仰の役割拡大に最も尽力した最高裁のメンバーである信教の自由の声高な擁護者であり、中絶や同性愛結婚の権利の反対者であるアリート判事が大きな希望である」と述べた。

Photo credit : The New York Times

そして、シーツのような極右福音主義運動のリーダーやその仲間にとって、別の英雄は、ドナルド・トランプである。議事堂でこの特定の旗を振っていた暴徒らはほとんど、シーツ、彼の同盟者、支持者、更にキリスト教的なアメリカに対する彼らのビジョンに直接結びついていたという。旗の事件が暴露されるまで、米国民は、最も保守派判事の一人であるアリート判事が一部の宗教団体に影響を受けていたことは知られていなかった。最高裁が歴史的礎となったロー対ウェイド判決を転覆した時、彼が多数派の意見書を書き「政府機関に対する神の意図は今満たされます」と書いている。州及び連邦議会のトランプ支持者で「選挙が盗まれた」と主張したトランプの虚偽を促進した複数の議員らも、同じ旗を掲げたことがあるという。その中で顕著な人物は、現在の下院議長であるマイク・ジョンソンである。彼の事務所の前には、彼が議長に就任する前に「天への訴え」の旗が掲揚されていた。ジョンソンの広報担当者は、ジョンソンが「独立戦争中にジョージ・ワシントン将軍によって初めて使用されたことから、この旗の豊かな歴史を長い間高く評価してきた」と述べた。広報担当者は、その旗は下院共和党の客員牧師であるダン・カミンズ牧師からの贈り物だと述べたという。

最後に、米国最高裁の中に、実際には暴動を支持した個人が、この前代未聞の事件を論じているという信じられない状況がある。アリート判事の行為の背景には、時には狂気的な宗教が影響している事を示唆している。1993年 3 月にフロリダ州で無惨にも3回銃で撃たれて死亡した医師がいる。2009年5月にはカンザス州で、女性の切望に応じて中絶を援助した医師が射殺された事件が起きている。学者らは、米国最高裁判事らが、政治及び宗教に影響されるべきではないと述べている。上院共和党古参議員リンジィ・グレイアムさえ、「適切な判断ではない」と指摘したことは、一部の米国最高裁判事の行動が如何に党派的及び宗教的に偏っているかを示唆している。この新たな報道は、多数派である上院民主党からの非難を引き起こし、裁判所の責任を問うことも含めて、更に強固な対応を求めている。現実的にはアリート判事は過去の判決記録から、反女性、反避妊、反同性愛結婚、黒人に対する人種差別の傾向があったことが判明している。最初の旗事件が暴露された後、妻に責任の矛先を向けた事など、彼の本質は終身雇用の最高裁判事になっても変わることはなく、その立場で示している彼の言動は、彼がどのような人物であるかを示している。議員らがトランプに関連する判例から身を引くよう求めても、それを考慮することさえないとしたら、彼はそのような人物なのである。
 

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