複数の全国世論調査は、多数派の回答者が有罪判決は正しいと評価した。有罪判決はドナルド・トランプにとって2024年の選挙で不利になる可能性があることを示唆した。トランプが意図的に犯罪を犯したと信じる率は過半数を占め、彼が選挙戦から辞退するべきであると答えた率もほぼ半数を占めた。一方、共和党大多数の有権者は、彼が有罪判決を受けても彼らの支持に多大な変化はないことを示した。これらの状況は、口止め料支払いを隠匿するための財務不正記録に関連する裁判を監督したファン・マーチャン判事による7月の罪状宣告がどのような状態になるかによってさらに有権者の世論は変化する可能性があることを示唆している。
全国の世論調査で、トランプの有罪判決の翌日5月31日に2,220人の登録有権者を対象に調査し、同日に発表したモーニング・コンサルトの世論調査では陪審員の評決を認めるかどうかの質問に対して、認めると答えた54%の回答者のうち、43%は強く認めると述べ、11%はやや認めると表明した。また、トランプが犯罪を犯したと信じる率は55%であり、犯罪を犯していないと信じる率は34%であった。モーニング・コンサルトの登録有権者の世論調査では、バイデンの支持率は45%、トランプの場合44%であり、有罪判決前のトランプ44%、バイデン42%の状況が逆転したが、さほど大きな変化はないことを示している。また、「2024年11月の大統領選挙が今日行われ、候補者が民主党のジョー・バイデンと共和党のドナルド・トランプだった場合、あなたはどちらに投票しますか?」との質問で、バイデンと答えた率は45%、トランプと答えた率は44%であった。同じく5月31日に、ロイター/イプソスの世論調査によると、共和党登録投票者の10人中1人(10%)のみが、ポルノ女優への口止め料支払いを隠すために事業記録を偽造した罪で、有罪判決を受けたトランプに投票する可能性が低いと述べている。
また、6月1日に発表した ABCニュースとイプソスの合同世論調査では、判決は正しいかとの質問に50%の回答者は「正しい」と述べ、正しくないと答えた27%を大幅に上回った。しかし、23%はわからないと答えた。また、有罪判決のため、トランプは大統領選のキャンペーンを辞退するべきか、または辞退するべきではないかとの質問に、辞退するべきであると答えた率は49%であり、辞退するべきではないと答えた率は37%である。分からないと答えた回答者は14%である。また、トランプは意図的に不法な行動を取ったと思う回答者は51%(前回53%)、意図的ではないが間違った行為に従事したと答えた人はわずか12%(前回11%)、何も悪いことはしていないと答えた率は19%(前回20%)で、過半数の米国人は、トランプの気性を肯定的に見ていないことを示唆した。
6月2日に公開したCBSニュースの世論調査では、5月30日に陪審員が34すべての罪状で有罪判決を下したことは56%が「公平な裁判」であり、57%が「正しい評決」であると答えた。公正性については党派的な格差が見られる。
| 民主党 | 独立系 | 共和党 | |
| 公正な裁判 | 96 % | 54 % | 14 % |
| 不公正な裁判 | 4 % | 46 % | 86 % |
そして、この評決後の大統領選に関する世論調査では、ジョー・バイデン大統領は、初めてドナルド・トランプを僅差でリードするようになった。また、同機関の調査で、有罪判決を受けたトランプが大統領として相応しいかとの質問に「はい」と答えた回答者は40%、「いいえ」と答えた率は過半数の51%であり、8%は不明であると答えた。また、判決前にトランプは有罪だと思っていた人のうち、10人中9人は陪審が正しい評決を下したと答えている。一方、以前にトランプは無罪だと思っていた人の間では、その逆の回答となっている。共和党有権者の大半は、トランプがこの事件で重大な罪で有罪判決を受けたとは考えていない。陪審員が誤った評決を下したと考える人のうち、10人中6人が、罪は「全く重大ではない」と述べている。さらに、懲役刑を受けた場合、トランプは「服役中に大統領として職務に従事すべきか」との質問に、45%は「すべきではない」と答え、38%が「すべきである」と述べ、17%が「不明である」と答えた。
6月に公開されたマリスト/NPR/PBSの全国世論調では、今日どちらかの大統領に決定する必要がある場合、どちらに投票するかとの質問で、バイデンと答えた率は50%であり、トランプと答えた率は48%であった。また、現時点での未決定はわずか2%である。また、「口止め料」に関する「判決が有権者に影響を与えるかどうか」を見る世論では、全国の有権者の67%は、トランプがこの裁判で有罪判決を受けても投票に影響はないと述べ、17%はトランプが有罪判決を受けた場合、投票する可能性は低くなると答えた。15%はトランプに投票する可能性が高くなると述べた。同機関の調査では、両氏の好感度は引き続き低い。バイデンに好印象を持つアメリカ人は42%(5月40%)、好ましくない印象を持つアメリカ人は52%(5月54%)である。トランプに好意的な意見を持つ人は41%(5月39%)、前大統領に好ましくない印象を持つ人は54%(5月56%)である。
要するに、有罪判決後のこれら5つの全国世論調査では、過半数の米国民は、ニューヨークでの口止め料支払いに関する前大統領ドナルド・トランプの裁判は公正であり、陪審員の評決も公正であると判断していることを示した。また、過半数の人々は、有罪判決を受けたトランプは大統領として相応しくないと見ていることを示した。これは、法律が前大統領であっても、一般の人々と同様に平等に対処していること、法の上に立つ者はいないことにアメリカ人が同意していることを示唆した。また、トランプが有罪になった後に、僅かながらも、支持率はバイデンがリードし、一ヶ月前から逆転したため、有罪判決は、トランプに取ってマイナスであることを示唆している。これは、政治的にターゲットにされていると繰り返し主張しているトランプの虚偽を大半のアメリカ人は信じていないことを明白にしている。しかし、現時点で、選挙があった場合、バイデン対トランプの競争は非常に激戦になることを示し、トランプの有罪判決は共和党有権者には顕著な影響がないことを示唆した。これは、トランプが7月11日にどのような刑罰を受けるかによっても状況が変わる可能性があるが、驚くことに、国民のほぼ半分はトランプが選挙競争から離脱することを望んでいることを示した。これら全ての世論を見ると、共和党がトランプを支持する状況は引き続き強いことを示唆している。いずれにしても、決定的な選挙競争を予測するには時期尚早である。