次期大統領のウクライナ停戦交渉計画は成功するか?

次期大統領ドナルド・トランプに関する珍しいニュースは、選挙の勝利が決定する前から、ソーシャル・メディアには何も投稿していないという。そして先週火曜日の選挙で勝利した2日後の木曜日にウクライナの大統領ヴォロディミール・ゼレンスキー大統領を含めて世界70カ国のリーダーと話をしたとNBCに語った。トランプは、ロシアとウクライナとの停戦交渉を公約しているため、この問題に取り組む可能性は高いが、幾つかの点で、その方法及びその成功の可能性はほとんど見えていない。

NBCとのトランプのインタビューのビデオは、現在削除されており利用不可能である。同局が所有するCNBCの8日の報道によると、トランプは、2024年の大統領選で勝利する前から、トランプ・メディアが運営するルツゥルース・ソーシャルに投稿していない。圧勝したトランプがそれを彼のソーシャル・メディアに「自分の業績」である勝利を大々的に宣伝していないと言うのは珍しいと言う。三回目の大統領選挙の挑戦で、初めて「最大の政治的偉業を達成した後、トランプは普段はあちこちで見かけるソーシャル・メディア・プラットフォームでは今のところ沈黙を守っている。カマラ・ハリス副大統領を打破して以来、選挙日にすべての投票所が閉まる前から、選挙運動の最大の支援者であるイーロン・マスクのX、マーク・ザッカーバーグのフェイスブックとインスタグラム、TikTokにも投稿していない。

しかし、トランプは、世界のリーダー達との社交で多忙であったことは確実である。CNBCによると、欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相、英国のキール・スターマー首相など、複数の世界指導者はすでにトランプと会い祝意を伝えている。トランプはまた、敗北した対立候補のカマラ・ハリス副大統領やジョー・バイデン大統領からも電話を受けており、彼らも同様にトランプの勝利に祝辞を述べた。選挙陣営幹部はNBCニュースに対し、トランプは水曜日の大半をフロリダ州の自宅マー・ア・ラゴで世界各国の首脳からの電話対応に費やし、木曜日にはさらに多くの電話を受ける予定であったと言う。木曜日(7日)午後のNBCとのインタビューで、トランプは、ウクライナのヴォロディミール・ゼレンスキー大統領を含む約70人の世界各国の首脳と会談したと述べた。彼は、ロシアのウラジミール・プーチン大統領とはまだ会談していないが、いずれ会談する予定であると述べた。トランプは同日に大統領移行チームとの初会合も予定していた。

 ワシントン・ポストの 11日の記事によると、トランプは7日にプーチンと電話で会話したようである。ロシアの大統領はトランプの勝利を公式に祝福し、ペンシルベニア州での暗殺未遂事件に対するトランプの「男らしい」対応を称賛し、トランプと話し合う「準備はできている」と述べた。しかし、奇妙なことにモスクワは当初、トランプの勝利に冷淡な反応を示し、クレムリンの報道官ドミトリー・ペスコフは記者団に対し、プーチン大統領は「わが国に対する戦争に直接的、間接的に関与している非友好的な国」の次期大統領に電話するつもりはないと語っていた。ペスコフはこの報道が発表された後、クレムリンは1 1日、プーチンが先週トランプに電話したという話は「全くの虚偽」であると述べた。しかし、クレムリン報道官は、トランプ大統領の下で、関係が改善する兆候は「前向き」であると述べた。ペスコフは「トランプは選挙キャンペーン中、すべての人を平和に導く取引をすることができると語っていた。少なくとも、トランプはロシアに対立や戦略的敗北を与えたいという願望はなく、平和について語っている」と述べた。

匿名を条件で語った事情に詳しい複数の関係者とインタビューしたポスト紙によると、トランプが選挙に勝利して以来、両氏は初めて、電話会談を行った。その中の一人は、トランプがフロリダの別荘で電話会議を行い、その中でロシア大統領に対し、ウクライナ戦争をエスカレートさせないよう助言し、米国が欧州にかなりの規模の軍事力を有していることを改めて指摘したと語った。両氏は、欧州大陸の平和という目標について話し合い、トランプは「ウクライナ戦争の早期解決」について話し合うため、再度会談を行うことに関心を示したという。プーチン大統領との電話会談について知らされた元米国政府当局者は、トランプがロシアの緊張激化によるウクライナの新たな危機を抱えたまま大統領に就任したくないだろうとし、「戦争の悪化を防ぎたいという動機が彼にはある」と語った。

水曜日の勝利後、ゼレンスキーとの会話で、トランプは彼のキャンペーンに多額の資金を提供したイーロン・マスクを電話会話に介入させたと伝えられた。6日のトランプとゼレンスキーの電話会談は友好的なものだったが、電話会談に詳しい関係者によると、キエフ当局者はトランプ大統領就任が戦争遂行にどのような影響を与えるかを懸念しているという。ウクライナは、ここ数カ月で軍事的に大きな進歩を遂げたが、引き続き攻撃的な敵国を撃退するために、毎月巨額の経済・軍事支援を必要としている。トランプは、この戦争が米国納税者に負担をかけていることに批判的であり、平和のためにはウクライナはクリミアなど領土の一部を放棄しなければならないかもしれないと指摘している。ゼレンスキーが9月にペンシルベニア州の弾薬工場を訪問した後、トランプの同盟者は激戦州への訪問は政治的な策略だとして批判した。下院議長マイク・ジョンソンはゼレンスキーに対し、オクサナ・マルカロワ駐米大使の解任を求めるほどの怒りをもたらした。

ポスト紙によると、「ウクライナ当局者は、ゼレンスキー大統領が現在、後任候補者を検討中であると述べた。モスクワ当局は10日、ウクライナがモスクワとロシアの他5つの地域に対して大規模なドローン攻撃を開始し、1人が負傷し、3つの空港が一時運航停止に追い込まれたと発表した。ロシア国防省は、同国の防空システムが6州の上空でウクライナの無人機84機を迎撃し、そのうち34機はモスクワ地方上空で撃墜されたとし、ロシアが侵攻して以来、首都に対するウクライナの無人機攻撃としては最大規模であると発表した。一方、ウクライナは、モスクワが反撃を準備しているとの報道を受け、ロシアのクルスク地域で奪った領土の保持に備えようとしている。米国の諜報機関は、現在少なくとも1万人の北朝鮮軍がクルスク地域に駐留していると報告しており、ロシアの失地奪還の試みを後押しする可能性があると言う。ウクライナ軍司令官らは、北朝鮮軍がロシア隣国のベルゴロド州にも駐留している」と語った。

要するに、次期大統領ドナルド・トランプは、彼のキャンペーンでの公約で、彼が就任したら、ウクライナ戦争を即時に終結させると発言していた。しかし、その方法についての詳細は不明である。トランプは、ロシアに有利な方法で、それを行うことを数回表明している。それは、ロシアが占領したウクライナ領土の一部をそのまま保持することで、停戦交渉を成立させることができると示唆していた。しかし、2022年2月にロシアがウクライナを侵略して以来、2023年末までには、両国の当局者は数回停戦交渉を行ったが、基本的にウクライナは、交渉を担当したロシア当局者を信用しておらず、ウクライナのヴォロディミール・ゼレンスキー大統領は、オバマ政権時代にロシアが併合したクリミアの領土さえ、譲渡する意向は全くないことを繰り返し表明していた。先月中旬、ゼレンスキーはトランプが勝利した場合、米国からの支援が減少する可能性に備えて、ロンドン、パリ、ローマ、ベルリンを緊急訪問し、軍事的・財政的な支援を求めていた。そして、ウクライナ大統領は「ロシアとの停戦が欧州の同盟国と協議されていない」ことを指摘し、厳冬を前に西側諸国のさらなる支援を求めた。トランプがロシアとの交渉で、どのように停戦をもたらすことができるのか不明な状況で、ゼレンスキーは、同盟国との間で協議がない場合、応じない姿勢があることを示唆している。トランプの主張は、ウクライナがわずかな領土を譲渡するだけで、同国は今後永久的に平和を取り戻すことができると述べているが、現実的には一部の領土を譲渡した場合、ロシアは、ウクライナのその柔軟さにつけこみ、トランプが任期を終えた後に、再度ウクライナに侵攻する可能性があることをゼレンスキーは予測しているかもしれない。

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