判事は次期大統領に対する大陪審の有罪判決を保護

ニューヨーク州最高裁の判事ファン・マーチャンは16日、ポルノ女優に対する口止め料支払いのスキャンダルを隠すために財務記録を偽造した34の罪状で、5月30日に有罪判決を受けたトランプの弁護士の主張を拒否した。この有罪による刑事訴訟を無効にすることを以前にも数回試みた次期大統領ドナルド・トランプの挑戦は却下された。この結果、トランプは米国初の有罪判決を受けた大統領として就任することになる。マーチャンは16日、検察官とトランプの弁護士との間での論議の終わりに、大陪審の判定を保護することを主張した検察側を支持した。しかし、今後4年間、現職の大統領になるトランプに対する刑罰を命令することは出来ないため、その判定をいつ行うかを明白にしなかった。

口止め料は2016年の選挙前に支払われたが、トランプの弁護士は、最高裁の免責判定を持ち出しているため、論争を複雑にしている。ニューヨーク・タイムス16日の報道によると、検察側は、トランプが大統領就任前の個人的かつ政治的な危機に関わる計画を画策した罪で有罪判決を受けたことを指摘し、最高裁の決定は「今回の訴追には何ら影響を及ぼさない」と主張していた。しかし、トランプの弁護団は、最高裁の判決の中でも特に物議を醸した部分、つまり検察が大統領の公務に関する証拠を私的な不正行為の事件であっても提出することを禁じた部分に注目し、ホワイトハウスの元職員の証言が判決を汚したと主張した。この二極化した意見に対する最初の重要な解釈では、裁判を監督したニューヨークの判事フアン・マーチャンは検察側に味方し、証言はトランプの非公式な行為に集中していると結論付けた。また、「国民がこれらの行為を、明らかに個人的なビジネス記録の改ざん行為の証拠として利用する事は、行政機関の権威と機能への侵害の危険をもたらさない」と記述した。

トランプの弁護団は、最高裁の免責判決に触れ、検察が大統領として投稿したツイートを含む、ホワイトハウスでの最初の任期中の「公式コミュニケーション」に関する証拠を不適切に依拠したと主張した。 しかし、それらの発言の多くは公開されており、最高裁は公的情報を証拠として公的行為に使用することの禁止から明確に除外していると検察は指摘した。最高裁の主席判事ジョン・ロバーツは多数意見で、たとえそれが公的な行為に関するものであっても「検察官は公的な記録を指摘して議論を説明できる」と結論付けた。 マーチャン判事は月曜日の判決で、ツイートを公式行為として描写しようとする弁護側の試みを却下し、それらは「最高裁が保護しようとした行為の種類を構成しない」と結論付けた。 「そうでないと判断すれば、現職大統領が個人的であろうと公的であろうと、自身の利益や国家の利益のために発した(またはソーシャル・メディアに投稿した)すべての発言が、事実上、絶対的免責によって保護されることになる」とマーチャン判事は、41ページの意見書に記述した。

 それでもトランプの弁護士は、最高裁の判決により、裁判で行われた証言の一部が禁止されるという、やや強い主張を展開した。トランプの弁護士は、トランプの元ホワイトハウスの広報部長のホープ・ヒックスと大統領執務室の運営部長のマデリン・ウェスターハウトの証言を引用した。 ヒックスは証言の重要な部分で、ストーミー・ダニエルズとの口止め料取引が明るみに出た後、ホワイトハウスでトランプと話し合ったことを陪審員に語った。ヒックスは、ウォール・ストリート・ジャーナル紙が報道した後、トランプと「どう対応するか」について話し合ったと述べた。 しかし検察側は、ヒックスとトランプの間の話し合いは、恥なスキャンダルに関する「非公式の行為にのみ関係する」と主張した。検察側は、ロバーツ判事が大統領は「非公式の立場で」話すことができると書いており、「大統領の行動の全てが公式なわけではない」と述べたことを指摘し、マーチャン判事は月曜日の判決で最高裁判決を効果的に引用した。

最後に、トランプの弁護士らは控訴し、控訴裁判所で、マーチャン判事の決定が保持された場合、最終的に、米国最高裁に上訴する可能性はあるが、判事の判決は、少なくとも現時点でトランプの刑事告訴よる34の罪状を背負った有罪判決の「汚点を残す」ことになり、前代未聞の重罪犯が大統領として就任することになる。トランプは、ホワイトハウスに戻るために、5月30日以来、マーチャン判事に対して、「34件の重罪の記録を消す」よう求め、数回法的戦略を試みたが成功しなかった。検察は、トランプが大統領就任前の個人的および政治的危機に関わる計画を画策した罪で有罪判決を受けたことを指摘し、最高裁の判決は「この訴追には関係ない」と主張していた。ダニエルズとの関係は、2016年の選挙より10年前に始まり、当時トランプの弁護士マイケル・コーエンが彼女に口止め料として13万ドルを支払ったのは、選挙の約1ヶ月前であることから、完全な個人的問題であり、大統領の公務行動に認められている免責とは本質的に無関係であることを明確にしたようである。

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