米国下院倫理委員会は、下院共和党極右派で、先月下院議員を辞職したマット・ゲイツの調査結果を公表するかどうかを秘密裏に投票し、今会期が終わる前にその情報を公開する予定である。上院議会で影響力のある民主党議員は、議会の承認を必要としない政府効率化省下で、米国政府の予算削減を行うイーロン・マスクの利益相反を懸念し、次期トランプ政権移行チームに手紙を送ったが、その対応は若い未経験の女性からの侮辱的な返信であった。この翌日の18日、昨年設立された非営利監視団体の創設者は、マスクの活動を監視することを表明した。これらは何を意味しているだろうか?
上院議会の元法学者であるエリザベス・ウォーレンは17日、イーロン・マスクの利益相反の可能性を避けるようドナルド・トランプに求める手紙を彼の移行チームに送った。そのメールをトランプが実際に読んだかは不明であるが、ウォーレンの手紙に対応したのはトランプ・ホワイトハウスの報道官として、先月中旬に指名された27歳のキャロライン・レヴィットである。ワシントン・ポスト17日の報道によると、ウォーレンの書簡は、民主党上院事務所からトランプ・ヴァンス政権移行チームに電子メールで送られたものである。ウォーレンは、正規メンバーが倫理規定に従って、「実際の利益相反と見かけ上の利益相反の両方を避ける」よう促し、「厳格な利益相反協定を締結せずに、マスクを数十億ドル規模の政府契約や規制執行に影響を与える立場に置くことは、我々の生涯で見たことのない規模の汚職を招くことになる。政権移行チームの倫理計画が明らかにしているように、政府の役割は最も裕福なアメリカ人の懐を肥やすことではない。世界一の富豪者のための強力で執行可能な倫理計画は、その約束を果たすために必要な第一歩である」と指摘している。

Photo credit : The Guardian キャロライン・レヴィット
しかし、政権移行チームの広報担当者キャロライン・レヴィットは、ウォーレンへの返答の中で、マスクの倫理規定には触れず、ウォーレンを、ネイティブ・アメリカンの血を引くと主張しているトランプがウォーレンを指す際に使っている蔑称的なあだ名で呼んだ。レヴィットは「トランプ大統領は、革新者、起業家、天才からなる最も優秀で有能なチームを結成し、政府に助言するスタッフとして採用した。ポカホンタスは政治的駆け引きをしたり、無力な手紙を送ったりすることはできるが、トランプとヴァンスへの政権移行は、今後も可能な限り最高の倫理的、法的基準に則って行われることになる。これは、社会への影響力がイーロン・マスクの1024分の1に過ぎない職業政治家にとっては馴染みのない基準である」と対応した。
なぜ、ウォーレンがこの驚きの手紙をトランプに宛てたのか?マスクは、現在日々トランプの側におり、最近家族の写真撮影で、部外者がその中に入っていたのは、彼の勝利のために多額のお金を使ったマスクだけである。トランプは、マスクに巨大な約束をしている。彼が選挙に勝利すれば、「火星着陸ミッションの連邦計画を加速させると約束した。これはマスクのロケット会社スペースXの主要優先事項である。マスクが経営する別の会社テスラは、電気自動車の充電ステーションに連邦政府の資金援助を受けており、同氏の会社の幾つかは政府に対して、重大な規制上の問題を抱えている」ことも含めて、トランプとマスクの間には既に利益相反があるとことが疑われている。ウォーレンが手紙で指摘したことは「一般調達局が公表したこれらの規則」に含まれており、「政権移行チームのメンバーが自らの利益に影響を及ぼす特定の当事者に関わる特定の問題に取り組むことを禁止する」ことを明白にしている。

Photo credit : Brooking ノーマン・アイゼン
偶然にも、ウォーレンのこのような手紙について報告された翌日の18日、2023年に新たな非営利の監視団体として2025 年移行から独裁政治に戦うために設立された「州民主主義擁護基金」の創設者であるノーマン・アイゼンは、彼のチームがイーロン・マスクの新たな予算削減活動である政府効率化局(DOGE)とのやり取りの詳細を要請していると発表した。ニューヨーク・タイムスが18日に伝えたところによると、この組織は、上院民主党議員らが懸念している倫理および利益相反に関して、民主的なプロセスと法の支配を保護するために、16の連邦機関に対し、公文書開示請求を行っている。18日に公表したアイゼンはバラク・オバマ政権時代に倫理担当官を務め、トランプ政権初期に民主党主導の下院司法委員会の顧問を務めた。アイゼンの倫理監視グループは、ドナルド・トランプの2期目における最初の焦点が、裕福な起業家イーロン・マスクとビベック・ラマスワミが運営するDOGEになると述べている。トランプは、2026年7月までに政府を大幅に削減するようこの両氏に命じている。マスクは既に「連邦予算から2兆ドル削減、何千もの規制の削減、連邦職員数の削減、さらには夏時間の廃止」についても協議した。これは「連邦支出をほぼ3分の1削減する」ことになる。
アイゼンの監視団体は、各機関に公文書請求を行い、同局の代表者との電子メールやその他のやり取りのコピー、マスクの予算削減努力に言及する連邦当局者とトランプの政権移行チームとのやり取り、連邦政府職員がDOGEについて内部で話し合っている内部文書の提出を各機関に求めている。これらの要請は「国防総省や司法省などの有名機関だけでなく、スペースXやテスラなどマスクの企業を規制したり、同企業から商品を購入したりする小規模な機関にも向けられている」と言う。また、タイムスによると、「マスクの企業は昨年だけで連邦政府機関と約30億ドル相当の契約を結んだ。マスクの最大の政府顧客は国防総省やスペースXにロケットや衛星の打ち上げを委託しているNASAである。マスクの企業は、テスラの自動運転車の安全性や、スペースXのロケット打ち上げによる野生生物への被害防止策など、連邦政府機関との規制争いにも巻き込まれている。 マスクは、来年から政府のあらゆる部門の資金や職員の削減を勧告できる可能性があるため、規制当局やワシントンの顧客に対する影響力を同氏に与える可能性」がある。アイゼンは 記録開示請求を発表する声明で「マスクの権限は膨大で、利益相反の可能性も大きい。それは我々が調査を開始した理由です」と述べた。
ご承知のように米国議会でも近年、顕著な論理問題が浮上している。マット・ゲイツは、次期大統領トランプが17歳の女子に対する性的暴行、違法薬物のアクセス、賄賂、その他の倫理違反で調査された人物を、米国司法制度の最高の地位である司法省の長官に指名した後、下院議会を辞職した。彼は上院議会で認可される可能性はないことを悟った後に、その指名から辞退した。先月、下院倫理委員会はゲイツの調査報告書を公開するかどうかを決定するための公開投票を行ったが、投票は党派ラインの半々に別れ、結論は出なかった。しかし、今月倫理委員会は二回目の投票を秘密裏に行い、可決したため、下院議会全体の議場で投票が行われ次第、公開する予定であると18日に報告している。倫理委員会の共和党メンバーは、穏健派傾向のあるケビン・マッカーシーを支持していた人々であるが、強固な支持者であるトランプMAGAのゲイツは、マッカーシーを辞職に追い込んだため、大多数の保守派議員は彼と距離を置いていたようである。
要するに、倫理委員会の共和党メンバーもトランプの暴力的な支持者による報復を恐れている可能性がある。そうでない限り、共和党委員会の誰が何時、賛成票を投じたかを公開しない理由はない。倫理委員会は、共和党メンバーの一人が民主党の賛成票に参加し、公開されると決定された場合、情報公開を義務づける規定を定めている。ゲイツに対する調査結果は、遅くとも休会前に公開される可能性がある。議会内部の倫理委員会、複数存在する政権を監視する政府内の倫理委員会は、トランプ政権下でどのような運命になるか不明であるため、民主党議員らは、民主主義弱体化の危機と戦うため、監視団体を利用する可能性があることを示唆しており、トランプ一期目に見られた倫理違反と利益相反は、二期目には益々顕著になる危機に対して、前代未聞の戦いを展開する準備があることを示唆している。しかし、そのような事を知らない可能性がある事を示唆したレヴィットは、最初のトランプ政権下で報道官の補佐役を務めた。2022年にはニューハンプシャー州第1選挙区から米国共和党下院議員選挙に立候補したが、総選挙で2019年1月から現職の民主党議員クリス・パパスに敗れた。彼女は、自分よりも二倍以上長く生き、社会的地位も知性もあるウォーレンを侮辱し、常識的な大人としての対応に欠けていた。大統領を常に擁護する立場の報道官になる彼女は、上院議会の民主党有力者に無礼な態度を取ることは、現時点で目には見えないマイナス要素があることを考えることさえできないほど稚拙であることを示唆した自身の気質の一側面を早くから晒したようである。