下院共和党の葛藤は何を示唆?

ご承知のように、超党派のオリジナルの法案は18日に両院で可決する予定であったが、イーロン・マスクと次期大統領が関与した二つ目の改正案は、19日夜見事に失敗に終わった。注目すべきことは、下院共和党の数十人がトランプとマスクの法案に反対したことである。更に、三つ目の法案を20日投票する予定である下院共和党議員らは、ドナルド・トランプが要請した債務引き上げの投票は行わないことを決定した。下院共和党議員らは、もはやトランプを恐れていないことを示唆した。東部時間午後6時、下院議会では圧倒的多数派、そして、共和党よりも多い民主党の投票により可決した。

下院議会では、19日二つ目の法案に失敗した後、議場で一部の議員らが、論議を行った。一人の議員は、毎回毎回の予算決議案に対して、単にツイートすることで、我々の仕事が妨害されることになるのかとの疑問を提起し、これほどバカバカしい状況を見たことはないと語った。その通りである。下院共和党の葛藤は前代未聞の愚かな話であるというだけでなく、富豪者が議会の仕事に横槍を入れることを警告したことを示唆している。オリジナルの超党派の法案に対する投票がマスクとトランプにブロックされた後、この法案に反対した共和党議員は数名ではなかったため、下院議長は投票を強行しなかったので、マスクとトランプの抑圧が成功したように見えたが、トランプが支持するとの合図を送った後の二つ目の法案には両氏が関与したにもかかわらず、これまで、ほとんどトランプを支持していた38人の共和党議員は、両氏を恐れることなく反対票を投じた。予算投票を含むほとんどの投票は、誰が反対票を投じたのか投票結果は非常に詳細に下院議会の議事録に公開されるので、彼らはトランプに知られても構わないことを示唆している。これは、トランプの権力争いのテストの結果を示したことになる。つまり、議会の共和党が完全にトランプに忠実であるかどうかのテストに彼は合格しなかったことを意味する。そして、下院議会では、民主党の投票なくして、ほとんどの法案を可決することはできないと公的に語った下院議長マイク・ジョンソンの正直な声明が、次期大統領の要望に反して正しかったことを示唆した。

明日21日午前中までに両院で予算法案が可決しない場合、政府閉鎖に陥るため、下院議会は3つ目の法案に投票する準備をしている中で、ホワイトハウスは、一時閉鎖になる部署に準備するよう指令したようである。下院議長ジョンソンは閉鎖を避けようとしており、20日午前中、下院共和党議員らは3つ目の法案の協議を行なった。議長を含む大多数の共和党議員らは、ほとんど、満足できる予算削減が成功していない限り、債務の上限引き上げには反対しているため、次期大統領トランプの要請を拒否しているようである。最初のオリジナルの法案を投票すると可決するとの意見もあったが、その場合、恐らくトランプを激怒させるかもしれない。しかし、議会の仕事は憲法に定められている米国と国民の安全及び繁栄のために正しいことをすることであり、自党大統領の機嫌をとることではない。

ここ数日、下院議会の動きを通して、益々明白になっていることは、次期大統領の大統領代理をつとめているような振る舞いが見られる富豪者のマスクは、政府閉鎖のためにどれほど米国の経済に悪影響があるか、約90万人の職員が今後数週間給料なしの生活に直面するという苦境、継続予算法案に直接影響を受ける米国市民および合法的移民の苦痛など、富豪者にはそのような影響は全く理解していないことを示唆している。また、政府閉鎖が反対党、特にバイデン政権である場合、彼には無関係であるという態度があることを示唆している。通常の大統領なら、クリスマスおよび彼自身の就任を前に、今回のような行動はとらない。しかし、トランプは最初の一期就任時に二回政府閉鎖に追い込んだ記録がある。最初は2018年1月20日から22日までの3日間、二回目は、2018年12月 22日から2019年1月25 日までの35日間であり、クリスマス前後に閉鎖されたことの記憶がある。カーター政権から、トランプ政権までの中で、トランプの35日間の閉鎖が最も長く、政府閉鎖の被害コストも最高額の50億ドルに達した。これは、現在予算削減を最も強調している大統領の過去の記録である。

加えて、彼は三権分立の重要性を無視し、共和党議員らに対して、どれほどコントロールできるかを試している。それは権力固執の現れである。そうでない限り、公式な大統領ではない時点で、両党が協議して成立した法案をブロックすることはありえない。しかも、ご承知のように、これが初めてではなく、前大統領はジョー・バイデン大統領との選挙競争で不利になるため、国境安全に関連する超党派の法案も今年初期にブロックした記録がある。法案の主な起草者であるオクラホマ州の正統派の上院共和党議員ジェイムス・ランクフォードは5月、この法案は「過去40年間で最も保守的な国境警備法案でした」と語り、投票を阻止される理由はなかったとの無念の思いを示唆した。

最後に、下院議長ジョンソンは20日午後、政府閉鎖にはならないと公言し、3番目の法案に取り組んでいる様子を示した。公式には、政府が完全に閉鎖されるのは21日の正午12:01である。従って、両院は、この前に法案を可決する必要がある。上院議会少数派リーダーのミッチ・マコーネルは有害な政府閉鎖を避けるため最善を尽くすよう下院議会に呼びかけており、下院の法案が可決次第、論議する余裕はないため即時に投票する可能性があることを示唆した。東部時間4時半までに公開された118ページの最新版の法案に東部時間午後5時30から投票が始まり、6時に賛成票366(民主党196;共和党170)対反対票34(全員共和党)の圧倒的多数派の同意により可決した。問題がなければ、民主党が多数派である上院議会でも可決し、バイデン大統領は今夜署名できるかもしれない。

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