サプリメントの虚偽及び誇張広告に要注意

記憶を改善するとの宣伝で広範に知られているプリバジェンいうサプリメントを販売している会社に対して告訴していた政府とニューヨーク司法長官が勝利したことが今月に報告された。この特定のサプリメントに関する訴訟は、記憶力と認知機能を改善する能力に関する同社の虚偽かつ誤解を招く主張に関するものである。

ブランド名プリバジェン(Prevagen )の製造会社であるクインシー・バイオサイエンスは、サプリメントが記憶力を改善し、加齢に伴う記憶障害を軽減し、その他の認知機能の利点をもたらすと主張していた。連邦取引委員会 (FTC) とニューヨーク州司法長官レティシア・ジェイムスは、クインシーに対して、これらの主張を裏付ける十分な科学的証拠がないと主張し、同社がプリバジェンについて実施した唯一の臨床試験で意義のある結果が示されなかったという証拠を提示した。ニューヨーク州司法長官の報告によると、2024 年 5 月 8 日にマンハッタンの連邦裁判所はクインシー・バイオサイエンス社と4 つの企業被告は、サプリメントのプリバジェンに関して詐欺及び欺瞞的な広告で、ニューヨーク州の消費者保護法に違反したという陪審の判決を受け入れたと発表した。クインシーは、アルバニー、シラキュース、ニューヨーク市を含むニューヨーク州全域のメディア市場で、記憶障害を軽減し、記憶力を改善し、認知機能を補助する方法として、サプリメントのプリバジェンを宣伝した。

二 週間の裁判後、陪審はクインシーがプリバジェンに関する主張を信頼できる科学的証拠で立証していないと結論付けた。陪審は、クインシーのプリバジェンに関する主張の一部は重大な誤解を招き、そのすべてが欺瞞的であり、ニューヨーク州行政法第 63(12) 条に違反する詐欺行為であると判断した。ニューヨーク州で製品を販売する際の欺瞞的な宣伝を阻止するための恒久的差し止め命令を求め、経済的救済を求めているジェイムス司法長官は「クインシーは認知機能低下の非常に現実的な恐怖を利用し、利益を得るために高齢のニューヨーク市民を食い物にしました。消費者は認知機能を改善できるという希望を持ってプリバジェンを購入しました。私の事務所は、ニューヨーク市民を守り、法の支配を守るために、常にあらゆる手段と資源を活用します。私はニセ薬セールスマンがニューヨークで営業することを許しません」と述べた。

連邦取引委員会 (FTC)は12月10日、プリバジェンの製造業者に対する訴訟で勝利したとの声明を発表した。連邦取引委員会消費者保護局長のサミュエル・レバインは、ニューヨーク南部地区連邦地方裁判所の判決について、裁判所は製造業社に対し、訴訟で争われた虚偽の主張をやめるよう命じた。同氏は声明で、「陪審員裁判を含む7年間の厳しい訴訟を経て、裁判所がクインシー・バイオサイエンスに対し、記憶喪失を懸念する米国人を誤解させるプリバジェンに関する主張をやめるよう命じたことを嬉しく思います。企業は、健康に関する主張は信頼できる科学的証拠によって裏付けられる必要があることに留意し、忘れてはなりません」と述べた。

昨年までこの製品の宣伝広告が非常に目立っていたため、この訴訟は、多数の医療機関及び専門家に深い関心を与え、今月この重要な訴訟に注目した。ハーバード・ヘルス・パブリッシング上級教員編集者のロバート ・シュマーリング医学博士は12月19日の解説で、プリバジェンの宣伝を少なくとも50回見たと述べ、複数の広告宣伝の中には「あなたにとって最も重要な部分、つまり脳のために何かを摂ってみませんか? 元々クラゲに含まれている成分を使っています! より健康な脳、よりよい人生!」という印象的なアピールをしていたと述べている。シュマーリング博士によると、「クラゲの成分であるアポエクオリンが人間の記憶に何らかの役割を果たしていることは知られていない。あるいは、多くの専門家は、このようなサプリメントは胃で消化され、脳に近づくことは決してないと考えている。企業が後援したある小規模な研究では、アポエクオリンを摂取した人の記憶力が向上したと報告されている。しかし、公開された研究で改善が示されたのは、研究参加者の一部にのみである。また、これらの変化が現実に及ぼす影響は不明である。研究の著者らは、その有効性を明らかにするために追加の研究を推奨している。しかし、私はプリバジェン又はアポエクオリンが人間の記憶に与える影響を示す質の高い独立した追加の研究を見つけることはできなかった」と述べている。

シュマーリング医学博士は、記憶のサプリメントに限らず、「何百もの症状に対して販売されている何千ものサプリメントが何らかの効果があるかどうかはしばしば判断が難しい」と述べている。同博士はその中で、3つの例を挙げている。⑴ 関節の健康に良いとよく宣伝されているグルコサミンを絶賛する患者もいるが、最も優れた研究では、このサプリメントの効果は、あったとしても控えめであることが示されている。⑵ ビタミン E は以前、心臓病の予防や治療に有効であると考えられていたが、研究を重ねても効果は示されていない。実際には心不全のリスクを高める可能性がある。⑶ プロバイオティクス(細菌や酵母を含む栄養補助)サプリメントに関しては、健康な人の消化器系の健康を改善したり、消化器疾患を予防したりすることを示す説得力のある証拠はない。

博士は、サプリメント・メーカーはFTC と FDA が定められた幾つかの基本規定に従う必要があるとし、サプリメントと身体の「構造と機能」とのつながりについて、ビタミン・メーカーは、カルシウムが骨の健康に重要であると主張できる。しかし、「骨が健康で、カルシウムを多く含む食事を摂り、カルシウムを余分に必要とする病状がないほとんどの人にとって、カルシウム・サプリメントはほとんど、又は全く役に立たないのも事実である」と述べている。そして、マーケティングの約束と矛盾しているように見える様々な免責事項は、すべてのパッケージに表示する必要がある。従って、サプリメントがアルツハイマー病や認知症を回復または遅らせることができると示唆する広告宣伝は、サプリメントのマーケティングに関する規定に違反する可能性がある。 FDA と FTC は、引き続き栄養補助食品業界に重要な監督を行っている。市場に出回っている製品の膨大な量を考えると、これは困難な作業である」と述べている。同博士によると、米国では、栄養補助食品に対する需要は非常に高く、推定 700 億ドル以上に及ぶ10 万種類のサプリメント製品が市場に出回っている。

結論として、アマゾンのオンライン販売や会員制の大型倉庫型小売店チェーンを運営する米国多国籍企業のカスコには驚くべき多種のサプリメント製品が販売されている。アマゾンに限らず、オンラインで購入する場合に、免責事項の一例には「この製品は、いかなる病気の診断、治療、治癒、または予防を目的としたものではありません」と記載されている。なぜなら、医師が発行する処方箋とは異なり、臨床試験が行われていないからである。実際に効果がある健康向上を目的とするビタミン・サプリメントの購入を検討する場合、政府が小規模でも臨床試験を行なったかどうかを調査するべきである。その調査は、ほとんどの場合、国立衛生研究所(National Institute of Health)が行っているので、NIHのサイトを調査すると意外な発見をすることもある。同機関は、多様な皮膚病に利用される化学薬品の臨床実験などの結果も掲載する場合がある。しかし、政府機関の利用可能な臨床結果は非常に限られている為、少なくとも第三組織が監督した製品を選ぶことも重要である。近年、自社製品への関心を高めるための虚偽や誇張、または巧みな主張で宣伝し、販売されているものが圧倒的に多いため、スキャム時代に生きている我々は賢く対処する必要がある。

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