As Trumps Monetize Presidency, Profits Outstrip Protests The New York Times : May 25, 2025
ニューヨーク・タイムスの著名な記者ピーター・ベイカーの25日の記事は、ドナルド・トランプ大統領が米国のどの大統領より大統領職を金儲けに利用し、彼と家族は多大な利益を得ていることについて、説明している。過去であれば、激しい反発と公式調査を引き起こしたはずの活動を常態化させていると述べている。しかし、第一期も腐敗とされる利益相反に関する報告が複数回あった為、第二期目も同様の傾向があることは大幅に予測されていたことである。
トランプ大統領が大統領職を利用して金儲けができることは、1993年1月からヒラリー・クリントンがファーストレディになった後の翌年に、ヒラリー・クリントンが1978年に商品先物に1,000ドルを投資し、当時不安定な市場で10か月間の取引後にその投資が約99,500ドルの利益にまで成長したと発表したことについて、共和党はクリントンを抗議したという歴史がある。しかし、この記事は、ホワイトハスで大統領職を利用して金儲けをしている大統領はトランプ大統領以外には他にいないと言う点を強調している。
そして、最初のトランプのスキャンダルは、アマゾンのCEOジェフ.ベゾスの賄賂の話である。ヒラリー・クリントンが独身時代に投資で約99,500ドルの利益を得た31年後、マー・アー・ラゴでの夕食後、ベゾスはメラニア・トランプのプロモーション映画への出資に同意した。この映画の制作費はメラニア夫人の懐に直接2,800万ドル入るという。これはクリントン政権時代に、その当時の大統領職とは何の関係もない16年前の話が持ち出された時の金額に比較すると、メラニアはヒラリーの「280倍の金額であり、しかも今回は、夫の政権が定めた政策に利害関係のある人物から(from a person with a vested interest in policies)の出資である。スキャンダルか、それとも大騒ぎ(Furor)か?ワシントンはほとんど気に留めることなく、事態は収拾した」ことで知られている。
「トランプ一家は、大統領一族として権力の座から利益を得た(to profit from their time in power)最初の例ではないが、大統領職を金儲けに利用(to monetize the presidency)した人物としては、ホワイトハウスに君臨した(occupied)どの人物よりも多くの功績を挙げている。大統領の重商主義(the presidential mercantilism)の規模と範囲は息を呑む(breathtaking)ほどだ。トランプ一家とそのビジネス・パートナーは、新しい仮想通貨(a new cryptocurrency)で3億2,000万ドルの手数料を稼ぎ、数十億ドル規模の海外不動産取引を仲介し(brokered overseas real estate deals)、ワシントンに「エグゼクティブ・ブランチ」と呼ばれる会員制クラブ(an exclusive club)を開設した。これらはすべて、ここ数ヶ月だけで行われた」記録に基づいている。先週、トランプ大統領は、カタールから高級ジェット機を受理した。「これは大統領の公務だけでなく、退任後の大統領図書館でも使用される予定である。専門家は、正式に空軍に寄贈されたこの機体の評価額を2億ドルと見積もっている。これは、歴代アメリカ大統領に贈られた外国からの贈り物の総額を上回る額である」とベイカーは述べている。
さらに、「トランプは1月の大統領就任の数日前に、自身が立ち上げた仮想通貨「$TRUMP」の投資家220人をバージニア州の自身のクラブに招待し、特別ディナーを主催した。このアクセスは、選挙資金ではなくトランプ個人に利益をもたらす事業に寄付した金額に応じて公然と販売された」と言う。「公務員の汚職を研究する人々によると、従来のワシントンの基準からすると、まだ誕生して間もないトランプ政権は、アメリカ史上最も大胆な政府職濫用の候補(a candidate for the most brazen use of government office)であり、おそらくティーポットドーム事件やウォーターゲート事件などの有名なスキャンダルさえも凌駕する(eclipsing)だろう」とベイカーは指摘した。コルゲート大学名誉教授で米国の汚職に関する複数の著書があるマイケル・ジョンストンは「私は50年間汚職を観察し、汚職について書いてきたが、いまだに頭が混乱している(my head is still spinning)」と語った。
なぜ、トランプ大統領が倫理に無関心でいられるのか? ビル・クリントン大統領に対する調査を行なった検察官ケン・スターの上級顧問を務め、後にジョージ・W・ブッシュ政権でも活躍したポール・ローゼンツワイグは、トランプの倫理規範破壊に対する騒動がほとんど起きていない(the lack of uproar over Mr. Trump’s ethical norm-busting)ことから、国民は誠実な政府を望んでいるという長年の前提が最初から間違っていた(public desire for honest government were wrong all along)のではないかと考えるようになったと述べた。 「一般大衆はこの問題を全く気にしていなかったか、あるいは以前は気にしていたが今はもう気にしていないかのどちらかだ」と彼は述べた。そして、その答えは「80%の国民は全く気にしていなかった」、そして「20%は我々が圧倒され、疲弊している(are overwhelmed and exhausted)」というものだと結論付けた。しかし、ローゼンツヴァイクは「怒りは消えていない。それは常にエリート層の空想の産物に過ぎなかったのだ」と付け加えた。
第一期目の時からトランプ大統領は、利益相反(conflict of interest)は大統領には適応しないと述べているため、就任前に、全てのビジネスを「手放したわけではない。実際、息子たちが経営する個人事業から現在も収入を得ており、独立した調査機関の推計によると、政界入りによって経済的にほとんど犠牲を払っていないことが示唆されている。フォーブスは3月にトランプの純資産(net worth)を51億ドルと推定した。これは前年比12億ドル増で、同誌のランキングでは過去最高額となった。大統領の息子たちは、父親に直接利益をもたらす事業活動を制限すべきという考えを冷笑している。ドナルド・トランプ・ジュニアは、父親の最初の任期中は自制したが、結局批判されたため、これ以上自制する意味はないと述べている。先週カタールで開催されたビジネス・フォーラムで「彼らは何をしても攻撃してくるだろう。だから、我々はただゲームを続けるだけだ」と述べた。
最後に、ローゼンツワイグが述べた「80%の国民は全く気にしていない」とする統計がどこから来たのか不明である。しかし、最近の世論調査では60%以上のアメリカ人は、大統領の倫理観念を懸念している。5月中旬に調査されたハーバード大学/CAPSハリス調査では、アメリカ人の62%がカタールの飛行機贈呈は「腐敗に関する倫理的な懸念を引き起こす」と考えていることを示した。先日、ローラ・ルーマーのようなトランプの強固な支持者でさえ反対したことはご承知の通りである。いずれにしてもワシントンには腐敗の泥沼があることは確かである。調査機関プロパブリカの5月22日の報告によると、トランプ大統領が株価を急落させた強力な新関税を発表する前の週、政権の貿易政策を策定する機関の主要職員は3万ドル相当の株式を売却した。4月2日の発表の2日前、国務省当局者は5万ドル相当の株式を売却し、その後、価格が下落した際に同様の投資を行った。そして、トランプ大統領がもう一つの重要な関税発表を行う直前、ホワイトハウスの弁護士は9社の株式を売却していた。プロパブリカが政府全体の開示情報を調査したところ、トランプ大統領が1月に大統領に就任して以来、10人以上の行政府高官や議会補佐官がタイミングの良い取引を行っており、そのほとんどは、トランプ大統領の関税が世界的な貿易戦争を引き起こすとの懸念の中で市場が急落する前に株式を売却していた。この状況は、共和党議員らが、トランプ大統領に対する倫理的な懸念を表明できない理由を示唆している。一方、共和党議員らは、選挙前に執拗にバイデンの子息ハンターの調査を叫んだが、現在、トランプ大統領のこれらの報告を批判または懸念する共和党議員は存在しない。