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トランプ政権は2025 年 6 月 4 日、東部時間午前 0 時 1 分に鉄とアルミニウムの25%から50%への関税引き上げが有効となったと発表した。この計画は既に先週ドナルド・トランプ大統領が鉄製造の本拠地であるペンシルベニア州にある米国の製鉄所を訪問した時から発表されていた。その後、商務省長官ハワード・ラトニックは、この分野での関税は「国家安全保障を保護する」ためのものであることから、「トランプ大統領は関税の計画を引き下げることはない」と断言していた。この関税は誰に有益であり誰が損害を被るのだろうか?
ホワイトハウスが3日に公開した声明によると、2018年1月11日、当時の商務長官は「鋼材」の輸入が米国の国家安全保障に及ぼす影響を調査し、鋼材が米国の国家安全保障を損なう恐れのある量と状況で米国に輸入されていると認定し、その見解をトランプ大統領に伝えたと述べている。更に、当時の国務長官は「アルミニウム製品の輸入が米国の国家安全保障に与える影響について調査を行い、アルミニウム製品が米国の国家安全保障を損なう恐れがあるほどの量と状況で米国に輸入されていると認定し、その見解を私に伝えた」と述べている。そのために「私は、鉄鋼製品及びその派生製品、アルミニウム製品及びその派生製品の輸入に対する当時の関税率25%から50%への引き上げが必要かつ適切であると判断した」と述べている。
米国の鉄鋼産業は、50%の関税引き上げを歓迎している。安い鉄が米国に溢れる場合、米国の鉄鋼産業は、競争力を失うからである。ニューヨーク・タイムスの4日の報道によると、米国鉄鋼協会のケビン・デンプシー会長は、トランプ政権の措置を称賛し、中国をはじめとする国々が国際市場に供給過剰を引き起こし、米国の鉄鋼メーカーの競争を困難にしていると述べた。デンプシー会長は 「改善の兆しが見えない厳しい国際情勢を踏まえると、今回の関税措置は、米国の鉄鋼メーカーとその労働者に損害を与えるような輸入の新たな急増を防ぐのに役立つでしょう」と述べた。米国の労働組合や、クリーブランド・クリフスやUSスチールのような強力なロビー活動ネットワークを保持する大企業は、事業継続のために関税が必要だと主張し続けている。長年の財政難を経て、USスチールは2023年末に日本製鉄による買収に合意したが、合併が実現するかどうかの最終決定はトランプ大統領が下す可能性がある。
一方、関税の引き上げで、損害を被る国は米国に金属を輸出しているカナダや欧州などの同盟国である。更に、鉄鋼を購入する自動車産業、航空機メーカー、住宅建設会社、石油掘削会社は痛手を被る可能性がある。例えば、鉄鋼やアルミニウムを製品に使用している企業は、関税がアメリカの消費者のコスト増につながるとして批判した。 缶詰製造業者協会のロバート・バドウェイ会長は、鉄鋼関税を倍増すれば、食料品店での缶詰の価格がさらに上昇すると述べた。バドウェイ会長は 「このコストは、アメリカの農家や缶詰メーカーが収穫・包装した缶詰に依存している何百万ものアメリカの家庭に課せられるのです」と述べた。
タイムスによると、独立した超党派の政府機関である米国国際貿易委員会が発表した経済分析は、トランプ政権の最初の任期中に課された鉄鋼・アルミニウム関税が米国の鉄鋼・アルミニウム生産者を援助した一方で、自動車製造を含む他の多くの産業の製品価格を引き上げ、経済全体に悪影響を及ぼしたと示唆した。外国政府は、米国の鉄鋼需要が米国の現在の生産能力を遥かに上回っていることもあり、自国の鉄鋼輸出が米国にとって国家安全保障上の脅威であるという考えに憤慨している。イギリスは先月の両国間交渉による暫定合意で、鉄鋼・アルミニウム関税の免除を認められている。
カナダ、メキシコ、ブラジル、韓国、ドイツは鉄鋼の主要供給国であり、アラブ首長国連邦、中国、韓国は少量のアルミニウムを米国に供給している。カナダは、米国にとって鉄鋼とアルミニウムの両方で最大の供給国である。現在交渉が進んでいるカナダに対しては、当初25%の関税に続き、報復関税を課したが、メーカーが調整を行い、新たな供給源を探すために関税の開始を10月まで延期している。カナダ鉄鋼生産者協会のキャサリン・コブデン会長は声明で輸入鉄鋼への関税を倍増させることは「実質的に米国市場をカナダ国内産業から閉ざすことになる。この水準の鉄鋼関税は、高度に統合された鉄鋼サプライ・チェーンと国境を越えた両国の顧客に甚大な混乱と悪影響を及ぼすだろう」と述べた。 これまでの25%の鉄鋼関税は、すでにカナダの生産者に影響を与えている。同協会は、3月に関税が発効して以来、カナダから米国への鉄鋼出荷量が推定30%減少したと述べているという。
メキシコのクラウディア・シェインバウム大統領は水曜日、関税引き上げは法的根拠のない不当な命令だと述べた。彼女は、来週自国が独自の措置で対抗する可能性があると警告した。 「我々はこれに反対です。あらゆる物価を上昇させるため、公平でも持続可能でもないと考えています。合意が達成されなければ、雇用を守り、強化するために必要不可欠な措置も発表しします。これは復讐や報復の問題ではありません」と述べ、メキシコ当局は米国当局と協議し、合意を目指す予定であるという。メキシコの鉄鋼輸入量は輸出量を上回っているため、鉄鋼貿易では歴史的に赤字が続いている。メキシコのマルセロ・エブラード経済大臣は3日、メキシコは最新の関税の適用除外を求めると述べた。
要するに、トランプ大統領が鉄鋼とアルミニウムに課す関税は、鉄鋼とアルミニウムを直接製造する会社には有益であるが、鉄鋼とアルミニウムを利用して他の製品を生産する企業はそれらの製品に対して関税による値上げが伴うため、彼らの製品が販売されるストアで購入する消費者は更に高騰する製品を購入することになるという。これらの方向は、関税で利益を受ける企業より、損害を被る業種の方が多い可能性があることを示唆している。つまり、鉄とアルミニウムの25%から50%への関税引き上げは、利益よりも経済に有害な影響を及ぼす可能性が高いという。なぜなら、鉄鋼とアルミニウムの輸入に対する関税は、製造業者の生産コストを引き上げ、これらの産業の雇用を減少させ、消費者の価格を引き上げ、輸出に打撃を与える可能性が高いという。この関税の引き上げによって、消費者がもっと高い支払いに直面する製品は缶詰製品などの小さな製品から、耐久品である自動車や冷蔵庫を含むほぼ全ての家電製品、鍋やフライパンなどのキッチン用品、ハンマーを含む住宅およびビルなどの建設用品に至るまで非常に幅が広い。