ICE increasingly targets undocumented migrants with no criminal record
Washington Post; July 3, 2025
ワシントン・ポスト紙の分析に基づいているこの記事は、犯罪歴のない不法移民が益々標的にされていることが米国の移民関税執行局(ICE)のデータ分析で明らかになったことを伝えている。不法移民を強制送還することはドナルド・トランプ大統領の主要な選挙公約のひとつである。2024年1月から6月までのバイデン政権下の数値に比較すると、トランプ政権下の2025年の同時期の逮捕数は2倍以上である。
この時期の2024年にバイデン政権は45,558人を逮捕した。トランプ政権は2025年の同じ時期に94,906人を逮捕した。トランプ政権は約2倍多いが、犯罪歴のない不法移民も逮捕しているからである。犯罪歴のある不法移民のみが逮捕および強制送還の対象になっているはずであるが、トランプ政権が逮捕数の増加にこだわっている中で、犯罪歴はないものの、合法的書類のない移民が益々ターゲットになっている。国土安全保障省の長官クリスティ・ノームはICE(Immigration and Customs Enforcement)職員が「最悪の犯罪者」を逮捕していると頻繁に宣伝している(often touts)。1月20日以降に国外退去させられた人達の半数以上は犯罪歴がない。さらに、逮捕数が増えるにつれて、拘留されている(detained)移民のうち犯罪歴のある(with a criminal conviction)不法移民の割合は減少している。国土安全保障省の統計局は、逮捕と国外退去に関する月次データの公表を最近停止している。しかし、弁護士と学者からなるチームである国外追放データ・プロジェクトは、UCLA移民法政策センターと協力し、ICEを相手取って情報公開法(Freedom of Information Act)に基づく訴訟を起こし、新たなデータセットを入手した。
このデータセットは、ドナルド・トランプ大統領の選挙公約(campaign promise)である米国史上最大規模の強制送還作戦(the largest deportation operation)の遂行を目指し、ICEが逮捕・送還する人物について、これまでで最も詳細な非公式写真の一つを提供している。逮捕者数は大幅に増加(a substantial increase in arrests)しているものの、トランプ大統領とその顧問が目指す目標を遥かに下回っている。しかし、議会が国土安全保障省(DHS)に巨額の資金を投入する準備を進めているため、状況は変化する可能性がある。このデータはすべての逮捕・送還を網羅しているわけではなく、米国税関・国境警備局(CBP)の数字は含まれていない。データによると、ICE職員による逮捕件数は昨年同時期の2倍以上に増加し、特に先月は、拘留者数(the number of people taken into custody)も急増している。5月20日以降、ICEは1日平均約1,000人の逮捕を行っており、それ以前の数か月間の約600人から大幅に増加している。しかし、1日最低3,000人の逮捕者を出すというホワイトハウスの副首席補佐官スティーブン・ミラーの目標をかなり下回っている。
テキサス州、フロリダ州、カリフォルニア州の逮捕者数は過去最多を記録したが、他の多くの州でも大幅な増加が見られた。バージニア州では、トランプ政権発足後最初の数ヶ月間にICEが逮捕した人数は、2024年の同時期の4倍に上った。これはどの州よりも増加率が大きい。トランプ政権下でICEが逮捕した不法移民の大多数は、刑事有罪判決(a criminal conviction)を受けていない。約40%は有罪判決を受けており、残りの32%は起訴保留中である(had pending charges)。これらの起訴内容と有罪判決に関する詳細は明らかにされていない。国外退去させられた不法移民(the undocumented immigrants)の60%以上は犯罪歴がなかった。40%近くは有罪判決を受けているが、その多くは非暴力犯罪(nonviolent offenses)である。ここ数ヶ月で犯罪歴を持つ被拘禁者の割合(the proportion of detainees with a criminal conviction)は減少している。1月には、被拘禁者の約46%が犯罪で有罪判決を受けていたが、6月にはその割合は30%にまで減少した。
ICEに逮捕されたベネズエラ人移民の数は過去2年間で4倍に増加した(quadrupled in the last two years)。移民政策研究所(MPI)は、2023年半ば時点で486,000人のベネズエラ人が米国で不法移民(unauthorized immigrants)として暮らしていると推定している。その多くはいわゆる一時的保護地位(temporary protected status)を有しており、国外追放を免れて(were shielded from deportation)いた。しかし、トランプ大統領は、多くのベネズエラ人に対するこの保護措置を解除(canceled)した。しかしながら、逮捕者数で最も多かった(accounted for the most arrests)のはメキシコ人移民であった。
現在のペースで政権が今年100万人の移民を強制送還できる見込みは薄い(does not appear on track to deport 1 million migrants)が、このデータは政権の強制送還の状況を限定的に示している。国土安全保障省のトリシア・マクラフリン広報担当次官は、6月30日の時点でトランプ政権は273,000人以上を逮捕し、239,000人以上を強制送還したと述べた。このデータには、ワシントン・ポストが分析したデータセットには含まれていないCBP(税関・国境警備局)の数字が含まれている可能性(data is likely to include)が高い。ICEによって強制送還された人々の大多数は男性であり、強制送還対象者のほぼ90%を占めている。トランプ政権の国境管理責任者トム・ホーマンは先月、ワシントン・ポストのインタビューで、政権が目標を達成(fulfill its goals)できるかどうかは資金次第である(depend on funding)と述べた。
最後に、今日3日東部時間午後2時半頃、米国下院議会でも通過したトランプ大統領の予算法案には移民取り締まりと国境警備への1,700億ドルの追加支出が含まれている。従って、ICE当局による逮捕者数は今後益々増加する可能性がある。就任最初の時点で、トランプ政権の移民措置は支持されていたが、現在大多数が反対するようになっている。就任100日目に近い4月25日にワシントン・ポストが掲載したポスト/ABC/イプソスによる合同世論調査の記録によると、トランプ政権の移民措置に対する2月の支持率は50%で、不支持率は48%であったが、4月には逆転し、支持率は46%、不支持率は53%であった。これはイプソスが1月19日の大統領就任前日の移民政策の主な措置である強制送還への支持率66%から、約3ヶ月後には20ポイントも減少したことになる。そして、上院議会が7月1日に可決した予算法案に反対または躊躇していた穏健派と財政タカ派の下院共和党議員らは2日、トランプ大統領からホワイトハウスに召喚され、説教、お世辞、宥めるなど、長時間のドラマを繰り返した後、3日午後からの最終投票で218対214のわずかな票差で通過した。下院共和党議員らの一部はドナルド・トランプ大統領に直接召喚されただけでなく、ツゥルース・ソーシャルでの投稿でも「共和党は何を待っているのだ? 何を証明しようとしているのだ? MAGAは満足していない。それで票が減っているのだ」との圧力に直面していた。民主党下院議員に参加し、反対票を投じた二人の下院共和党議員を除き、共和党議員らは2026年の中間選挙に影響が出る懸念を飲み込んで、過激化した移民取り締まりが益々強化される条項が含まれている予算法案に賛成票を投じた様である。クイニピアックが6月25日に公表した世論調査によると、今日下院でも通過した共和党主導の予算および税金法案に55%が反対し、29%が支持し、16%が意見を述べなかった。メディケイドとフード・スタンプの大幅な削減は平均的アメリカ人に多大な影響が出ると予測されている。下院少数派リーダーのハーキム・ジェフリーズは3日の投票前に、議場で8時間40分の記録を破るスピーチを行ったが、共和党を説得することは出来なかった様である。