議会が可決した共和党の予算と減税法案は、幾つかの点で大幅に変わるため、利点およびマイナス側面の両方から影響がある。米国市民および米国人と結婚している合法的移民や永住権者、高齢者、子供のいる家庭、低所得者は何らかの形で影響を受ける。そして、専門家の分析によると、税制措置は人口1%のトップ富豪層が最も恩恵を受けることが具体的数値で判明している。
ワシントン・ポストの3日の報告によると、ドナルド・トランプ大統領が4日の独立記念日に夕方、ホワイトハウスの外側で署名した税金と予算の包括的な法案は、メディケイド削減から税額控除に至るまで、多くの人々が恩恵を受ける場合もあれば、失う場合もある。
高齢者 ① 税控除:中所得層の高齢者は最大の減税措置の対象になる。とたえば、65歳以上の独身で年収75,000ドルの人に対して6,000ドル、夫婦の場合は150,000ドル以下の収入のある高齢者に12,000ドルの控除が新たに適用される。しかし、控除額は高所得者ほど減額される。年収175,000ドルを超える独身者と250,000ドルを超える夫婦には段階的に控除が廃止される。② 健康保険:メディケイドは2027年、つまり中間選挙が終わった後から州は、メディケイドの連邦資金を失う。低所得の高齢者はメディケイドに依存していたが、連邦政府の資金は全国の介護施設入居者の60%以上をカバーしているため、メディケイドへの大幅な削減は、一部の介護施設を閉鎖または縮小に追い込み、高齢者が入居する施設を見つけることは困難になる。
家族 ① 児童税額控除:この税額控除は現在、子供1人につき2,200ドルであるが、毎年インフレ率に応じて増額される。しかし、米国生まれの子供であっても、合法的な外国人は、この控除を申請することはできない。また、チップや残業代への課税を免除する税制改正や、法案に基づく特定の教育税額控除の恩恵も受けられなくなる。さらに、新たな法律は所得が低すぎて児童税額控除の全額を受けられない25%の人々に対する変更はない。②養子縁組と育児休暇:この法案は、養子縁組をした申告者に対する税額控除を5,000ドルに引き上げ、インフレ率に応じて増額する。また、育児休暇や職場保育プログラムを提供する企業向けの小規模プログラムも拡充する。
低所得世帯 ① 減税措置:この法案がなければ、トランプ大統領の最初の任期中に可決された一時的な減税措置は今年末に失効するため、ほとんどの世帯の税金は上がる可能性があるが、この法案は標準控除額を個人で15,750ドル、夫婦で31,500ドルに引き上げ、2017年に設定された低い税率を維持することが可能になる。② 給付金削減: この法案には、メディケイドなどの医療制度や、フード・スタンプなどの補足栄養支援プログラム(SNAP)など飢餓対策への取り組みへの大幅な削減が含まれている。メディケイド受給者は、プログラムの新たな就労要件を満たさない場合、または月に80時間以上就労、ボランティア活動、または学校に通学していることを証明する書類を定期的に提出しない場合、保険を失う可能性がある。また、メディケイドの就労要件が免除されている低所得世帯の人も、妊娠、障害、特定の介護など、免除を証明する書類を提出しない場合、依然として健康保険を失う可能性がある。 これらを総合すると、低所得世帯は税制優遇措置による恩恵よりも、給付金で失う金額の方が大きいことになる。例えば、年収20,000ドルの片親は、約750ドルの節税になる一方で、1,600ドル以上の給付金を失う可能性がある。
中所得世帯 ① 減税措置:この法案に含まれる減税措置の恩恵を最も受けるのは、フード・スタンプなどの政府支援を受けていない世帯である。これには、特定の残業手当を非課税とする規定が含まれている。一部の中所得世帯は、居住地によって、連邦課税所得からの州税および地方税控除の上限引き上げの恩恵を受ける。2017年以降、この控除額の上限は10,000ドルに設定されていたが、新法案では、所得が500,000ドル未満の世帯については上限を40,000ドルに引き上げ、高税率の州に住む一部の世帯にとって大きな恩恵となる。
税制経済政策研究所(ITEP)の分析によると、共和党の予算及び税金法案は、収入が多いほ
ど恩恵を受けることになる。
所得ランク 人口割合 収入 減税額
最貧困層 20% $0–27,000 $40
二番目 20% $27,000 – 53,300 $610
中所得世帯 20% $53,300 – 92,100 $1,510
四番目 20% $92,100 – 153,600 $2,320
五番目 15% $153,600 –361,400 $5,190
六番目 4% $361,400–916,900 $17,940
最大所得層 1% $916,900以上 $66,080
ITEPの分析によると、(1)中所得世帯(53,300ドルから92,100ドルの収入)の場合、平均減税額は1,510ドルになる。(2)アメリカの最も裕福な1%は、平均66,000ドルの純減税を受けることになり、これは他の所得層が受ける平均減税の何倍も大きい。(3)トランプ大統領の関税政策の影響だけでも、アメリカの下位80%の国民に対する減税効果の大部分は相殺される。下位40%の国民にとっては、関税による負担は、この法案によって得られる減税効果を上回っている。(4)上院法案は、2026年には純減税額の70%以上がアメリカ人の最も裕福な5分の1に行き渡り、中間層の5分の1にはわずか10%、最も貧しい5分の1には1%未満しか行き渡らないことになる。
要するに、減税は低所得者にはほとんどメリットはなく、米国でトップ1%の富豪者に最も恩恵を与えている。そして、メディケイドも低所得者が初めて健康保険を2027年から失う可能性が高い。アラスカ州の上院共和党議員リサ・マーカウスキーは、トランプ大統領が独立記念日の4日に署名した税金と予算の法案に反対していた4人の一人であった。しかし、上院議会リーダーらは、反対票を認可できる票は3票であるため、アラスカを代表する別の上院共和党ダン・サリバンとマーカウスキーは、上院多数派リーダーのジョン・スゥーンと交渉を行い、メディケイド予算の250億ドルから500億ドルへの削減に対処する病院を支援するための基金を倍増させると言う彼らの州の特典を法案に加えるなら、投票すると約束した。従って、アラスカでは、グリーンカード保持者を含む合法的移民も、医療保険を引き続き利用できる可能性がある。ワシントンDCのナシナル・モール、ニューヨーク、フロリダなど、他全国各地では7月4日を祝うため、花火開会、コンサートなどが行われている中で、トランプ大統領は東部時間午後5時10分にホワイトハウスのバルコニーにメラニア夫人と現れ、5時半には短いスピーチを行い、15分過ぎにはバルコニーから降りて、法案が置かれた机の前に立った。約30人程度の官僚、上院議員、下院議員などに囲まれて5時47分に署名を終えた。二期目最初の大きな目標を達成したトランプ大統領は、1月20日の就任以来、これまでほとんど見たことがなかった明るい表情で笑顔を見せていた。