下院議会は明日、司法省が保持している性犯罪者のファイル公開を認可するかどうかの投票を行う予定である。昨日16日までには、多数の共和党議員らが賛成票に投票し、可決することがほぼ確実になった中で、数週間公開に反対していたトランプ大統領は同日に突然、共和党に投票するよう促した。これを受けて、ジャーナリストや元トランプ政権の高官は180度の転換であるとして、その変化はなぜなのかとの疑問について公然と分析及び論議している。
米国下院議会の共和党議員らは、エプスタイン・ファイルを公開するための法案に取り組んでいた中で、先週13日の夜までに218人目の署名を獲得したのである。そして、少なくとも10人の共和党議員がこの法案を支持し、投票が可能になった状況下で、明日火曜日に投票する予定になっている。トランプ大統領は16日ソーシャル・メディアでの投稿で突然、下院共和党議員はエプスタイン・ファイルの公開に賛成票を投じるべきであると述べ、「隠すものは何もないからだ」と主張した。さらに、大統領は「共和党の偉大な成功、特に民主党の『閉鎖』に対する最近の勝利から目を逸らすために、極左の狂信者たちが仕掛けたこの民主党のデマから脱却すべき時が来た」と主張した。このメッセージは、大統領が政敵と見る民主党議員らに対する極端且つ一方的な批判であることを示しているものの、エプスタイン・ファイルの公開に関する態度の転換は目覚ましいものがある。
そして、特に、下院共和党議員らに向けて、ファイル公開の投票に賛成票を投じるよう促したことも、最近の言動と完全に矛盾があるため、突然の態度の変化に疑問を投げかけている批評家達もいる。特に、トランプ氏は、ファイル公開に熱烈に取り組んできた、ジョージア州の米国下院議員マージョリー・テイラー・グリーンとの同盟関係さえ遮断すると発表した。「トランプ大統領がエプスタイン被告のファイルに関する方針を公に撤回した数分後の16日、彼はソーシャル・メディアで、グリーンは「実際には全ての問題の原因が彼女自身にあるのに、自分を被害者のように見せようと必死になっている」と述べた。トランプ大統領はここ1週間、グリーンへの攻撃をエスカレートさせ、「裏切り者」と呼んでおり、グリーンはそれが殺害予告につながったと述べている。 グリーンは、エプスタイン・ファイル公開を推進している唯一の共和党議員ではない」とニューヨーク・タイムスは16日報告している。
トランプ氏の転換前に16日の夜、ABCのThis Weekでのインタビューで、「ファイルの公開を強行採決する議会の取り組みを主導してきたケンタッキー州のトーマス・マッシー下院共和党議員は、大統領の反対にもかかわらず『100人以上』の下院共和党議員が今週そのような法案を支持する可能性があると示唆し、『この投票の記録はドナルド・トランプ大統領の任期よりも長く続くだろう』と語った。」下院議長マイク・ジョンソンは、トランプ大統領が立場を変えたことを示唆する投稿後、「多数の票」があると述べ、先に進むことを公的に表明した。彼はトランプ氏が表現した「隠すことは何もない」を繰り返した。しかし、下院で可決しても、米国上院議会で採決するかどうか不明である。両院で可決しないとの予測があれば、その態度の変化はさほど不思議ではない。「たとえ、この法案が下院を通過したとしても、上院では法案発議に60票が必要となるため、上院ではより困難な状況に直面するだろう。民主党は47議席を保有しており、仮に全員が賛成しても、共和党議員13人の賛成票が必要」であり、現在のところ、上院共和党議員らは、彼らの意向を公的に表明していない。
先週12日、下院議会の議員らが微妙なエプスタインと彼のパートナーとのメール通信を含む合計約20,000の電子メールを公開した後、「この文書流出は、トランプ氏、ジョンソン氏、そして共和党多数派を巻き込んだエプスタイン氏をめぐる騒動に火をつけた。トランプ氏は、政府閉鎖の責任を民主党に押し付けるため、メールを「でっちあげ」だと一蹴した。しかし、ジョンソンへの圧力は高まり、ジョンソンは採決の前倒しを容認した」という事態であった。そして、「トランプ氏が自身の活動を承知していたとエプスタイン氏が主張する大量のメールが公開されたため、トランプ氏とこの不名誉な金融家とのつながりが新たな注目に晒されている。その後、トランプ氏は先週、エプスタインと関わりのある民主党員を捜査するよう司法省に命令した」ことから、自身に対する注目の視線を逸らす戦略に出た。
一方、NBC の番組Right Nowによると、17日、一部の著名人は、ファイル公開に関するトランプ大統領の突然の態度の変化に、複数の著名人がその理由を憶測し始めた。エミー賞に指名されたジャーナリストであり、ABC のテレビ司会者であるサラ・ヘインズは、トランプ氏が「なぜ突然180度方向転換したのですか?」という質問に最初に反応し、「彼はこれまでの支持を失いつつあります。共和党員が今、この件を支持していると言われていますが、これは政治的な問題ではありません。これは犯罪です。小児性愛者が関与していたのです。彼らは私たちの若者であり、この事件を永遠に背負っていくでしょう。ですから、私たちが最低限できることは、透明性を求め、人々に責任を負わせることです」と述べた。そして、ヘインズは「失われた命の無垢さを皆様に改めてお伝えします」と述べ、エプスタイン氏と初めて出会った頃の写真を手に持ち、ファイル公開を求める被害者達の今や話題となっている動画を紹介した。
エミー賞を受賞した法律担当記者であり、ABC の The View の共同司会者サニー・ホスティンは、「被害者が被害当時の自分の写真を提出するという手法は、性犯罪の検察官が法廷でも用いる手法だと指摘した。彼女はさらに、目の前の疑問に答え、「トランプ氏にはエプスタイン氏のファイルを独自に公開する権限が常にありました。彼は議会の承認なしに司法省にエプスタイン氏のファイルを公開するよう命じることができますが、彼はそれを拒否しました。なぜ彼はそれを拒否したのでしょうか?」と述べた。アメリカの政治戦略家であり、最初のトランプ政権下で、2020年にはホワイトハウスの戦略コミュニケーション部長兼大統領補佐官を務めたアリッサ・グリフィンは、トランプがエプスタインのファイル公開に関して態度を一変させた理由について、全く別の見解を示した。彼女は「この180度転換は全く信じられません。これはPR活動だと思います。トランプはMAGA支持層の声を聞いているのでしょう。彼は普段、彼らの関心事の本質を的確に把握しており、事態が制御不能になっていることに気づいているのです。彼らに関心を失わせることはできないのです。彼は、国民が最も関心を寄せていた核心的な問題に関して、ある種の自分の顔を裏切っています。そして、この状況は今後も消えないと思います」と述べた。
何しろ、トランプ大統領は、ファイル公開の強行採決を推進している米国下院議会の二人の女性議員の投票を阻止するためにホワイトハウスに招待し、司法省長官のパム・ボンディとFBIのデイレクター、キャシュ・パテルは、ローレン・ボーバードのみに会うことが可能であったが、説得することは不可能であったようだ。ここまで努力し、エプスタイン・ファイル公開の投票を防ぐことは不可能であることが判明した後、昨日トランプ氏は、これまでとは異なる逆の行動を取った。これらの女性らは、その理由の憶測を率直に語った。しかし、現在司法省は、トランプ個人の弁護士事務所のようになっているため、不明な点が多く、完全な透明性を期待することは恐らく無理である。そして、2016年のロシアの選挙干渉に関する捜査はトランプ政権下の司法省で行われたが、当時、オバマ政権の法務執行当局者がその捜査に関与していたとして、彼らを調査するよう司法省に命令したことも今日報告されている。トランプ政権の安全保障顧問であったマイケル・フリンは2015年12月にモスクワでRTテレビ局の記念ディナーで、ウラジミール・プーチン大統領と直接会談し、出席料30,000ドル以上を受理したことで知られている。娘婿のジェレッド・クシュナを含むトランプ陣営は、キャンペーン中にロシアの女性弁護士とトランプ・タワーで秘密の会合を持ったことも2017年7月に主要メディアが報告した。そのような事実に対する不信が捜査に繋がったわけであるが、ロシアが米国の2016年の選挙に関与したかどうかの捜査を担当した特別捜査官ロバート・ミュラーの調査に対する調査は数回検討され、連邦検察官ジョン・ダーラムによる調査も2019年に最初のトランプ政権下で行われ、超党派的な捜査が実施された。それにも関わらず、オバマ政権下の複数の高官らは、調査の脅しに直面しているという信じ難い異様な状況であるが、彼らは報復による虐めに直面したと見られている。