複数の下院共和党はACA助成金延長を促す請願書に署名

Photo credit : CNN

米国下院少数派の共和党議員のグループは、今月末に期限切れとなる医療保険制度改革法(ACA)の補助金延長案の投票を可決させるため民主党に参加して、請願書に署名した。期限が近づくにつれ、地元の有権者は、彼らを代表する議員に圧力をかけているため、強行採決を行う以外に方法はない。請願書は、彼らのリーダーである下院議長との党内での亀裂を生む可能性があるが、一部の共和党下院議員は彼らの地区の有権者が経済苦の淵に追い詰められることを避けることで、中間選挙で勝利する可能性を選択した。驚くことにACA加入者の75%以上は2024年にトランプ大統領が勝利した州の人々であることが報告されている。

17日にACAの補助金延長に関する採決を強制する民主党の取り組みに加わった共和党議員は右から、ライアン・マッケンジー下院議員、ブライアン・フィッツパトリック下院議員、ロブ・ブレスナハン・ジュニア下院議員、マイク・ローラー下院議員(ニューヨーク州)の4人である。ローラー議員を除く他3人は全て激戦州ペンシルベニアの出身である。彼らの行動は下院規則委員会が16日夜、ACAの補助金延長に関する修正案の審議を阻止した後に来ている。ローラーはXへの投稿で「指導部が一切の行動を阻害するような場合、議会には行動を起こす責任がある。私の最優先事項は、ハドソンバレーの家族がこの膠着状態に巻き込まれないようにすることです」と述べた。

2024年まで、両院の共和党リーダー達はもっと超党派的な姿勢であったが、今年そのような超党派を嫌う政権に変わって以来、共和党議員らは、頑固になり超党派精神を失っている。特に53対47の議席で多数派を占める上院議会の共和党議員らは下院で採決してもACAの補助金を延長することに反対している。下院議会では、多数派共和党に反して、民主党側に参加する少数の共和党議員らは、主に最も重要な激戦州の有権者を代表する議員達であり、その人数は限られている。つまり、議会全体の多数派が反対しているため、下院議長マイク・ジョンソンもACA補助金延長案の採決を認めていないようであるが、17日に医療制度改革法案についての審議を行なったと報告されている。ジョンソンの姿勢は、激戦区を代表する共和党議員らの間で、最も強い反感を招いている。

ホワイトハウスの大統領補主席佐官スージー・ワイルズでさえ、ヴァニティ・フェア誌とのインタビューで、トランプ大統領の関税政策はトランプMAGA支持者さえ、物価高騰で葛藤していることを示唆したことが16日に報告された。そして、その一人であったジョージア州のマージョリー・テイラー・グリーン下院議員は16日、トランプ大統領が「手頃な値段」への努力を何もしていないことが、2026年の中間選挙で共和党は敗北する要因になると指摘した。物価高騰による政治的悪影響を恐れている他の穏健派共和党は、ジョンソン議長にACA助成金延長案に投票するよう先月から説得を試みているがまだ成功していないようである。しかし、民主党議員らは、ジョー・バイデン政権下で、コロナウイルスの蔓延当時に助成金を延長したが、それは12月末で期限切れになるため、数千万人が医療保険の支払いが不可能になる状況を認めることはできないため、政府閉鎖の最中から、助成金を延長するための対策を論議しており、結論に至った方法は請願書を利用することであった。つまり、これには可決に必要な共和党議員らの署名を集めることである。そして4人の共和党議員が署名に参加したため、法案の投票を可能にする218人の署名が完了した。

4人の共和党議員らが、ジョンソンに反抗した背景には協議中に、下院議長が助成金は失敗したオバマケアを支えているとの虚偽を主張した過激派側に立ったこと、補助金を含まない法案にそれを追加することを試みた時に彼らの案が却下されたことなどが挙げられる。民主党の法案に参加するための請願書にこれらの4人が署名した後、下院議長は、年末までに投票する様子を示しておらず、「我々は会話を行う」と述べ、1月に議会に戻るまで遅らせる手段に出る可能性があることを示唆した。ACAまたはオバマケアを嫌う共和党議員らの一部は「失敗」した法律と主張しているが、2025年には加盟者は2,400万人以上である。

2025年10月3日に報告 されたカイザー・ファミリー財団(KFF)によると、ACA(医療保険制度改革法)のマーケットプレイス加入者の4分の3以上は、2024年の大統領選挙でトランプ大統領が勝利した州に住んでいるという驚きの統計がある。「2024年の大統領選挙でトランプ氏が勝利した州では、ACAに基づく保険料税額控除が拡充されて以来、より多くの税額控除が支給され、加入者数も大きく増加している。今年、ACAマーケットプレイスの加入者総数2,430万人のうち1,870万人(77%)は、トランプ大統領が2024年の選挙で勝利した州に居住している。」これは、オバマ大統領に攻撃的な過激派の主張がいい加減であることを示唆している。KFFによると、「強化された保険料税額控除が導入されて以来、ACAのマーケットプレイスを通して医療保険に加入する人数は2倍以上に増加し、全米の増加分の半分以上(55%)はテキサス州、フロリダ州、ジョージア州、ノース・キャロライナ州による。テキサス州、ルイジアナ州、ミシシッピ州、テネシー州、ジョージア州、ウェスト・バージニア州の6州では、過去5年間で加入者数が3倍以上に増加した」という驚きの実態がある。

要するに、重要な法案を請願書で押し出す方法は一般的に議長としての決議権を弱体化することになるため、理想的な方法ではないが、激戦州の共和党は彼らの再戦の確証を保持する権利があることから、請願書を利用することはある意味で民主的な方法である。ここに至るまで、下院少数派のリーダーであるハーキム・ジェフリーズと団結した民主党は、最初の段階で勝利したことを意味する。しかし、約1ヶ月前にトランプ大統領はツゥルース・ソーシャルへの投稿で、保険会社は儲け過ぎているため、オバマケア関連の資金を直接アメリカ人に振り向けると述べた。しかし、事実は必ずしもそうではない。ACAには、重要な消費者保護措置である医療損失率規則が含まれており、保険会社は保険料収入の少なくとも80%を医療費の支払いと医療の質向上に補充する必要があるため、過剰な利益確保は制限されている。更に医療費、特に医療機器を含む病院の出費、高い処方薬などコストも上がっており、これらは保険料の値上げの要因になる。議員らは、医療費を抑えるための法案にも取り組んでいるが、保険会社は一般的に、既存の病気がある人の加入を拒否しているため、それが保証されているACAの助成金を延長することが最も多くのアメリカ人を救済する措置であると見ている下院共和党の4人は、民主党に参加したのである。しかし、請願書によって下院議会で可決しても、圧倒的に共和党多数派の米国上院議会で可決する可能性は極めて低い。上院議会では既に、幾つかの同様の法案が可決しなかったため、大統領が議会のリーダーに直接要請しない限り、現時点でACA補助金延長の法案が採決する可能性は低い。恐らく、大統領および両院議会リーダー達はKFFが伝えているような実態を知らない可能性がある。いずれにしても、ACAは中間選挙の重大な課題のひとつである。

アメリカ・ウオッチ- Yuko's Blogをもっと見る

今すぐ購読し、続きを読んで、すべてのアーカイブにアクセスしましょう。

続きを読む