世界史上最大の有力者による最悪の腐敗

ニューヨーク・タイムスは前代未聞の大量資料の点検を開始した。少なくとも同紙の24人のジャーナリストは1月30日に公開された300万ページ、18万枚の画像、2,000本の動画の膨大なファイルの精査を行っている。これまでのところ、彼らが目を通したのは資料全体のわずか2~3%に過ぎないという。チャールズ3世の弟であるアンドリュー・マウントバッテン=ウィンザーは、彼の誕生日2月19日の本日逮捕された。

タイムス紙は、「これほどの規模のグループがすべてを精査し、情報が真実かつ公表に値すると確認するには、何年もかかるだろう。なぜなら、情報の多くは裏付けがなく、断片的であり、編集されているからである」と12日に伝えた。この膨大な作業を行う必要があるジャーナリスト達は、この作業をどのように行うのか?何を探しているのか?人工知能ツールはどのように役立つのか?どのような判断を下したり議論したりしてきたのか?など、彼らは、エプスタイン文書を取材しているタイムス紙の記者4人とオンラインで議論したという。

エプスタイン・ファイルから全ての真相が明らかになるには数年かかるという。しかし、「一つの真実が既に明らかになっている。かつては説明責任を負わなかったエリート層の、隠匿行動を容赦なく詳細にしている。エリート層は、主にビジネス、政界、学界、ショー・ビジネス界の富裕層と権力者で構成されている。ページをめくるごとに、凶悪犯罪者が支配階級からタダ乗りされていた物語が展開される。それはすべて、彼が彼らに提供できるもの、つまり金、コネ、豪華な晩餐会、プライベート・ジェット、人里離れた島、そして場合によってはセックスを提供していたからである」という。「もし、エプスタインの狙いが、コネのある人々に囲まれることで虐待から身を守る壁を築くことだったとすれば、結局は失敗した。しかし、少女への虐待で初めて起訴される前後も、彼の書簡には、華々しい生活を送る人々のネットワークが描かれていた。そのネットワークの中心には、一見すると世界の頂点に君臨しているように見える性犯罪者がいた。」ヴァンダービルト大学の歴史学教授で、政治文化について頻繁に執筆活動を行うニコール・ヘマーは「ここ数年、エプスタイン事件については多くのことを耳にしてきました。それでもなお、彼の世界におけるエリート層の共謀の規模の大きさに、人々は衝撃を受けているようです。今や、その腐敗の深刻さが、一般の人々にもはっきりと認識されつつあるのです」と述べた。

エプスタインと交流があった一部の署名人の名前は公開されているため、ヨーロッパでは逮捕、調査が開始された。王子の地位から格下げされたチャールズ3世の弟であるアンドリュー・マウントバッテン=ウィンザーは、英国貿易特使として勤務中にジェフリー・エプスタインと機密情報を共有したとの告発を受け、公務上の不正行為の疑いで拘留された。

英国放送協会(BBC)の報告によると、当地時間午前8時に警察は国王の弟アンドリューを66歳の誕生日に逮捕した。「これまでに報じられた疑惑には、貿易訪問に関する報告書の共有、アフガニスタンへの投資に関する機密報告書の転送、財務省の報告書を個人的なビジネス関係者に渡したことなどが含まれている。BBCニュースUKと内務担当特派員のダニエル・サンドフォードは「この疑惑の一部には、アンドリューとジェフリー・エプスタイン本人の間で、エプスタイン関連の文書が共有されていたことが関係していると考えられる。そこでテムズバレー警察が関与した」と述べた。テムズバレー警察のオリバー・ライト警察副本部長は「この事件に対する国民の大きな関心は理解しており、適切な時期に最新情報を提供します」と述べた。声明では元王子の名前は明らかにされていない。

米国では、エプスタインに関与したとされる人々が辞職し始めた。メディアが公開している署名人は、この時点では非常に僅かである。ニューヨーク・タイムスが19日に公開した写真付きの名前が記載された人々は、外国政治分野から9人、ビジネス界6人、学者6人、法律界2人、米国政治分野1人である。「ファイルに登場する人物がエプスタインとどのような関係を持っていたかは多様である。数十年にわたり、これまで明らかにされていた範囲をはるかに超える深い友情関係を持つ人もいれば、表面的な関係のあった人もいる。ファイルに含まれているからといって、必ずしも不正行為を意味するわけではない。多くの文書には、未確認の情報や疑惑が含まれている」とタイムスは説明している。

外国の政治分野で公開された人物は以下の9人である。

1. アンドリュー・マウントバッテン=ウィンザー

2. トービョルン・ヤーグランド:ノルウェー元首相を刑事告発。  

3. モナ・ユール:ノルウェー大使を停職処分された数日後の2月8日に辞任を発表。

4. テリエ・ロッド=ラーセン:同氏と妻のモナ・ユールはノルウェー警察の捜査に直面。

 5. ジャック・ラング:かつてフランスの文化大臣を務めたラングは刑事捜査中、2月7日にアラブ世界研究所所長を辞任すると発表した。

 6. ピーター・マンデルソン:刑事捜査中に大使職を失った。2025年9月、マンデルソンは駐米英国大使を解任された。

7. モーガン・マクスウィーニー:英国のキア・スターマー首相の元首席補佐官であるマクスウィーニーは、2月8日に圧力を受けて辞任した。

8. ジョアンナ・ルビンスタイン : 2012年に家族と共にエプスタインの私有島を訪問していたことが新たに公開された文書で明らかになったことを受け、国連難民高等弁務官事務所のスウェーデン代表を辞任した。

9.ミロスラフ・ライチャク: スロバキアのロバート・フィツォ首相の国家安全保障顧問であるライチャクは、エプスタインと若い女性について冗談を言い合っていたとみられるメールが公開された後に辞任した。

ビジネス関連は6人である。

1.トーマス・J・プリツカー :ハイアットホテルズの財産を相続した億万長者であるプリツカーは、2月16日に辞任した。

2. ケイシー・ワッサーマン: 2028年ロサンゼルス・オリンピックの会長を務めるワッサーマンは2月13日、自身のタレント事務所の売却手続きを開始すると発表した。

3. スルタン・アハメド・ビン・スレイエム:ドバイに拠点を置く港湾大手DPワールドのCEOである。女性に関するやり取りに加え、エプスタインと互いにビジネス・チャンスを斡旋しようとしていたとみられる文書が公開されたことを受け、2月13日に辞任した。

4.ピーター・アティア博士:エプスタインとのやり取りが公開された後、プロテインバー・メーカー「デイビッド」の最高科学責任者を辞任した。

5. ジェームズ・E・ステイリー :ステイリーは、エプスタインとの関係に関する疑惑が浮上した後、2021年にバークレイズの最高経営責任者を辞任した。

6. レオン・ブラック:2021年初頭、ブラックはエプスタインとの密接なビジネスおよび社会的なつながりを理由に、共同設立したプライベート・エクイティ会社アポロ・グローバル・マネジメントにおけるすべての指導的役職を辞任した。

  学者6人

1. レティ・モス=サレンティン博士: コロンビア大学は、同博士がエプスタイン被告の恋人のために個別の学習計画の作成に協力していたことが文書で明らかになったことを受け、歯学部副学部長の職を失った。

2. トーマス・マグナーニ博士 :コロンビア大学は、エプスタインの元歯科医であるマグナーニ博士との関係を一切断絶した。マグナーニ博士がエプスタインの恋人の歯学部入学手続きの窓口となっていたことが文書で明らかになったためである。

3. デビッド・ロス:現代美術界の長年の巨匠であり、米国有数の美術館の元責任者でもあるロスは、エプスタインに送ったメールが公開され、数十年にわたる友情が明らかになったことを受け、マンハッタンのスクール・オブ・ビジュアル・アーツの学部長を辞任した。

4. ラリー・サマーズ:ハーバード大学元学長である。クリントン政権下で財務長官を務めたサマーズは、2025年11月、新たなメールによってエプスタインと長年連絡を取り続けていたことが明らかになったことを受け、公務の一部を辞任する意向を表明した。

5. エリサ・ニュー :2025年12月、アリゾナ州立大学はニューとの関係を断ち、PBSは同氏の番組を打ち切った。エプスタインが番組の開発と資金提供に関与していたことが明らかになったためである。ニューはハーバード大学の元詩学教授であり、サマーズの妻である。

6. 伊藤穰一 :伊藤は、エプスタインとの金銭的関係を隠していたことを認めた後、2019年にMITメディア・ラボの所長を辞任した。また、ニューヨーク・タイムス社を含む3つの取締役を辞任し、ハーバード大学の客員教授も辞任する結果となった。

法律関連2人

1. キャスリン・ルエムラー:ゴールドマン・サックスの最高顧問であり、オバマ政権の元首席弁護士でもあるルエムラーは、エプスタインとの長年にわたる親交を示すメールが流出したことを受け、2月12日にゴールドマン・サックスを6月に辞任すると発表した

2. ブラッド・カープ: エプスタインとの関係がこれまで知られていたよりも深かったことが電子メールで明らかになった後、全米有数の企業法務事務所であるポール・ワイス法律事務所の長年の会長職を2月4日に辞任した。

米国政治1人

R・アレクサンダー・アコスタ :2019年、アコスタは、2008年のエプスタイン被告の性犯罪事件における彼の対応をめぐる非難を受け、労働長官を辞任した。当時フロリダ州の連邦検事だったアコスタは、数十人の若い女性や少女への性的虐待の容疑で起訴されたエプスタイン被告が18ヶ月の禁錮刑に服するという司法取引に同意した。エプスタイン被告は13ヶ月の禁錮刑に服した。

最後に、一部のリストを見るだけで、ジェフリー・エプスタインと交流のあった人々がどれほど、有力者で影響力があったか明白である。エプスタインは、非常にパワフルな人々と友好関係を結ぶことで、彼の周りに保護という強固な壁を築こうとしていたことを示唆している。メディアの一般的な見方は、彼が自身の富を活用して、ビジネス、政治、学界、世界のエリート層との関係を築くことで、強力なネットワークへのアクセスを可能にしていたという。多くの人々がエプスタインに招待されたことから、交流が始まった可能性があることを示唆している。一般の人々には想像さえ及びことはなかった史上最大の有力者による腐敗と堕落の世界を浮き彫りにしている。エプスタインはなぜ巨額の富を所持していたのか?これはジャーナリスト達が最も関心を抱いている謎である。また、主要メディアはすでに紹介した著名人を新たなリストで再度繰り返し報告することはない。例えば、2月10日、 上院歳出小委員会での公聴会で証言を行い、エプスタインが保持する島を訪問したと語ったトランプ政権下の商務省長官であるハワード・ラトニックは今回リストには掲載されていない。

アメリカ・ウオッチ- Yuko's Blogをもっと見る

今すぐ購読し、続きを読んで、すべてのアーカイブにアクセスしましょう。

続きを読む