ナンバープレート読み取りカメラの論争的問題

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フロック(Flock)社のナンバープレート読み取りカメラの設置は全米で激増しています。テキサス州とフロリダ州の知事は、警察がこれらのハイテク技術の一つを利用することを制限する措置を講じています。警察側はこのタイプのカメラは犯罪捜査に役立っていると主張しています。しかし、フロック製カメラの使用については、全米で超党派的に人々が反対しています。これは単にナンバープレートを読み取るだけではありません。個人のプライバシーを必要以上に侵害することにより、合法性に関する疑問が浮き彫りになっています。複数の法専門サイトは、憲法違反の可能性を指摘しています。

カンザス州 Photo credit : reddit.com

フロック・カメラはフロック・セイフティ(Flock Safety)社が開発したナンバープレートを読み取るカメラです。公式には自動ナンバープレート読取(ALPR)システムと呼ばれています。この会社はジョージア州アトランタのギャレット・ラングレー氏によって2017年に設立されたものです。現在、売上高 3億ドルであり、2025年の時点で1,500人の従業員を抱える企業です。同社によると、米国の49州における5,000以上の地域社会で事業を展開しており、同国内で毎月200億回以上の車両スキャンを行っていると主張しているようです。この特殊カメラは道路に沿って取り付けられており、道路沿いの芝に設置されたカメラが倒れている風景もみられます。人々を監視するという措置は2001年9月11日の同時多発テロ事件以来、公的場所のあちこちで監視カメラを利用したプライバシーの侵害による苦情が激増しました。しかし、この特殊カメラはナンバープレートを読み込むだけではなく、人物が映し出され、様々な情報が引き出されていることから多くの人々が反対しています。

こうした状況下で、テキサス州のグレッグ・アボット知事は安全性の問題を指摘し、フロック製カメラの利用に反対し、州予算の支出を停止するよう、警察当局に指示しました。 その数日後、フロリダ州のロン・デサンティス知事は「制御不能な状態にある」との理由で、州内の道路からこの装置を撤去するよう彼の政権に命じました。これら二人の知事は、「法と秩序」を重視することで、警察を支援する立場ですが、驚くことに、この保守派州の知事らは、州民の反対に同意して、禁止命令を下したことが9月5日に報告されています。選挙前に、超党派的な有権者の声の威力を無視できないことを示唆しています。

ACLU(米国自由人権協会)は、この不気味なカメラを排除する運動を展開しています。同サイトによると、「フロック・セイフティのようなALPRシステムを提供する企業は、全国規模の『大規模監視システム』を密かに構築しようとしています。お住まいの地域にFlock社のカメラが設置されていれば、令状なしにあなたの移動が追跡・記録され、情報が共有されてしまう恐れがあります。こうした不気味なカメラの導入を拒否する地域社会が次々と増えている」と述べています。同組織によると、現在12万台のカメラが都市部や地方を問わず、幹線道路、住宅街、地元のホームセンターの敷地内などに設置されています。ALPRシステムで読み取られた車両のうち、犯罪や不正行為に関与しているものはわずか1%です。この装置でスキャンされたナンバープレートのうち、州の表示が誤認識される割合は10台に1台です。ACLUによると、「Flock社の自動ナンバープレート認識(ALPR)カメラは、一般的な交通監視カメラとは一線を画すものです。この監視技術は、視界に入ったすべての車両を記録・追跡し、AI(人口知能)アルゴリズムがメーカー、車種、色、ナンバープレート番号、バンパー・ステッカー、さらには車体の傷に至るまでをデータ化します。こうして収集された情報は全国規模のデータベースにアップロードされ、Flock社と契約を結んでいる法執行機関であれば誰でも検索可能となります。しかも、検索によって得られた情報の利用方法については、規制や監視の目がほとんど行き届いていないのが現状です」と伝えています。

ALPR措置が合法的であるかどうかについて、憲法上の疑問が提起されています。ノース・キャロライナ州大学の法律と技術のノース・キャロライナ・ジャーナルによると、Flock社のカメラは現在、42州にまたがる4,000の都市で導入されており、その中には同州のローリーといった地域も含まれています。「同市の警察は2023年に25台のカメラを設置した。設置からわずか6ヶ月の間に、これらのカメラは警察官による41件の逮捕に貢献した」と述べています。これらの数値は、Flock社が米国の49州にわたる5,000以上の地域社会でALPRカメラを設置しているという同社の主張と大幅に異なっています。同社のデータが更新されたものであれば、驚異的です。「これらのカメラは、犯罪の抑止や警察による未解決事件の捜査支援に役立つとして高く評価されています」。しかし、「この新しい技術が憲法に適合しているかどうかについては疑問の声も上がっている」と言います。問題は、ALPRカメラに依存しているのが警察だけではなく、住宅所有者組合や民間企業もFlock社の顧客であり、同社が持つ膨大なデータ・ネットワークを活用することが可能であるため、「全人口の約70%がFlock社のカメラによる監視範囲内に置かれている」と言うことです。

非営利法/公共政策研究所のシンクタンク組織であるブレナン・センターは、「合衆国憲法修正第4条は、不当な捜索および押収から人々を保護する」と解説しています。米国最高裁によれば、同条の目的は「政府当局者による恣意的な侵害から、個人のプライバシーと安全を守ること」にあります。 1960年代後半に至るまで、最高裁は「修正第4条による保護は有形の財産に対する捜索や押収にのみ適用されると判断していた。しかし1967年、最高裁は「修正第4条は場所ではなく人を保護するものである」と判定しました。「1967年のカッツ対合衆国事件(Katz v. U.S)において、同条による保護の範囲を拡大し、具体的には、政府は個人の『プライバシーに対する合理的な期待』を侵害することが禁じられるようになった。言い換えれば、ある個人が何かを秘密にしておこうとし、且つそのプライバシーへの期待は『社会が合理的であると認めるに足るもの』である場合、修正第4条が適用され、政府は原則として捜索を行う前に『相当な根拠』に基づく令状を取得しなければならないのである。このようなアプローチは、『恣意的な権力』から『生活上のプライバシー』を保護し、かつ『過度に広範な警察の監視活動』に歯止めをかけることを意図したものである」と説明しています。

最後に、テキサス州とフロリダ州の知事がナンバープレート読み取りカメラの設置に反対する人々の声に対応したことは、この憲法を考慮した可能性があります。2026年9月5日の時点で、オハイオ、ウィスコンシン、ペンシルベニアでも反対の動きが出ています。警察の犯罪捜査には非常に多大な利点があるものの、一般市民にとっては、マイナーなプライバシーの侵害を超える状況があることから、不快感を抱く人々が増えていると言われています。車両データや位置情報の追跡を拒否する手段がないと言う点が問題になっています。カメラの前を通過するすべての車両が追跡され、記録されるという状況は、許可なく、絶えず監視されることを意味します。現在の論争は、警察官がFlock社のデータにアクセスする際に令状の取得を義務付けるべきか否かと言う点で、憲法上の重大な問題を提起しています。合衆国憲法修正第4条は、個人の「プライバシーに対する合理的な期待」を保護しています。政府がこの憲法に違反して、プライバシーを侵害しようとする場合、「相当な根拠に基づく令状を取得しなければならない」というものです。また、市民権および市民的自由に関する深刻な懸念が最近浮上しています。

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