
屋外彫刻ブルー Photo credit : Irish Star
多数の富豪者で構成されているトランプ政権は、億万長者の一人である商務省の長官ハワード・ラトニック氏が最近、ホワイトハスの周辺で起きていることは、大統領が個人的に非常に好んでいることを反映していると示唆しました。トランプ大統領は、第一期目に、大統領は何でも好きなことが出来ると主張しましたが、米国の憲法は議会、大統領、裁判所の三権分立を明白にしています。
ジョン・F・ケネディの暗殺後、彼の名誉を讃えるために建設されたケネディ・センター(ジョン・F・ケネディ・センター・フォー・ザ・パフォーミング・アート)の名称を自身の名前に変更したいという要望に基づき、事実上トランプ氏の名前を建物の最上に追加するという再度の決定により、緊急審理が行われました。トランプ政権の商務省長官ラトニック氏は8月27日、ワシントンD.C.の連邦地方裁判所の外で記者団に対し、トランプ氏は、彼自身がコントロールできると信じている豪華なプロジェクトに取り組むことが、最も彼を幸福にする時であると言いました。ラトニック氏は「彼は建設が大好きなのです。これこそが彼の楽しみなのです。だから夜遅く、11時頃に電話をかけてきて、自分が進めている建設プロジェクトについて話したがるのですよ。彼にとっては楽しいことですから。もし彼と座って話す機会があったとしても、楽しい世間話ができるかといえば、そうではありません。イランについて尋ね、あれこれと質問攻めにしてしまうでしょう。彼が平日に好んで取り組むのは建設のことなのです」と語りました。
米国最高裁は最近、ホワイトハウスのボールルーム(舞踏室)の建設を引き続き進めることを認可しました。その前に、既に工事は進んでおり、最高裁の判定の是非とは無関係に建設は完成する可能性が高いことを示唆していました。トランプ氏は、連邦裁判所の審査委員会による承認が得られる前でさえ、ボールルームとして生まれ変わるイースト・ウィングの建物を取り崩し、工事を開始しました。最高裁が認可した時には50%以上の建設が進んでいると言われていました。9月2日、ケネディ・センターの敷地内に長年設置されていた高さ24フィート(720 cm)のブルー(Blue)名の大きな屋外彫刻を突然撤去しました。そして、アーリントン国立墓地近くに75メートル以上の高さの凱旋門を建設するための掘削作業を開始する計画だと9月3日に発表しました。請負会社の早急な取り組みにより、失敗に終わったリフレクティング・プールも含めて、DCの全域でトランプ氏が計画した複数の改修プロジェクトは勢いが増しています。
これらは、全て複雑かつ激化している中東情勢が最悪な時に来ています。そして、対イラン戦争で、国防総省は、米国が武器を枯渇するなどの厄介な問題に直面している時期に、複数のプロジェクを進めることで、トランプ氏は、満足感に浸っていると言います。ご承知のように、ケネディ・センターの理事会はほぼ全て、トランプ氏の支持者で構成されていますので、彼らは、トランプ氏の意向に沿ったプロジェクを投票で決定します。しかし、ホワイトハウスの行動は急速であるため、裁判所はこれらの行動に対する訴訟の対応に追いつかない状態になっているようです。ホワイトハウスやDC内にある米国に属する建物、モニュメント、記念碑などは、大統領が自由に取り崩したり、改造したり、除去したりすることはできないため、訴訟に直面している訳ですが、彼個人の意識の中には法律が存在しないのでしょうか?
加えて、トランプ氏は、大統領として、何でも好きなことができると信じているようです。ワシントン・ポスト及びCNNが2019年7月23日に公開したビデオによると、トランプ大統領は、合衆国憲法は「大統領として自分の望むことは何でも」行う権利を彼自身に与えていると主張しました。トランプ氏はある集会で、演題の前でのスピーチの際に、そのような発言をしています。しかし、憲法にそのような事が記載されている箇所は存在しません。むしろ、大統領の規定を定めた合衆国憲法第二条セクション1では、「私は、合衆国大統領の職を誠実に遂行し、全力を尽くして合衆国憲法を維持、保護、擁護することを、厳粛に誓います。(I do solemnly swear that I will faithfully execute the Office of President of the United States, and will to the best of my Ability, preserve, protect and defend the Constitution of the United States.)」と宣誓することで、その義務を果たすことが大統領の職務なのです。
憲法第二条セクション4 には「合衆国の大統領、副大統領、およびすべての文民公務員は、反逆罪、収賄罪、またはその他の重大な犯罪もしくは軽罪について弾劾され、有罪の判決を受けたときは、その職を解かれる。( The President, Vice President and all civil Officers of the United States, shall be removed from Office on Impeachment for, and Conviction of Treason, Bribery, or other high Crimes and Misdemeanors.)」と記載されています。これらは、大統領がやりたい放題の行動を取ることはできないことを明白に示しています。違反および違憲であった場合でも、大統領が何でも好きなことをできるなら、なぜ、トランプ氏は集会で、彼の党が多数派を中間選挙で失うと「弾劾される」と支持者に語るのでしょうか?確かに、その発言は弾劾を恐れている心理状態を裏付けているかもしれません。
トランプ氏はまた、自分でも郵便投票を行いながら、証拠を提供せず、郵便投票には大幅な詐欺があると主張し続けています。トランプ政権は、昨日(9月6日)に3回目の緊急措置として郵便投票を削減する大統領令をブロックしている下級裁判所の判定を阻止するよう、米国最高裁に上訴しました。多くの州は、既に事務的に間に合わないと警告しています。下級裁判所はそれぞれ憲法に違反しているとして、トランプ氏が三権分立の規定範囲を超えていると指摘しています。憲法第一条のセクション4は「上院議員および下院議員の選挙を行う時期、場所、および方法は、各州の議会がこれを定める。ただし、米国議会は、上院議員の選出場所に関する事項を除き、いつでも法律によって、かかる規定を定め、または変更することができる(The Times, Places and Manner of holding Elections for Senators and Representatives, shall be prescribed in each State by the Legislature thereof; but the Congress may at any time by Law make or alter such Regulations, except as to the Place of Choosing Senators.)」としています。従って、このような選挙条項に基づく議会の権利と州に委ねられた権限を侵害する可能性があるため、郵便投票に関する複数州の訴訟において、選挙前にトランプ政権の米国最高裁への上訴がトランプ氏の好みに沿う結果になる可能性は低いかもしれません。現時点では、最高裁は8月24日に一時的に認めたため、混乱の要因になっていますが、6日の緊急要請にはワシントンD.Cを担当している民主党のケタンジ・ブラウン・ジャクソン判事が対応しており、即時の回答は提供されていません。