米国最高裁によるシャドウ・ドケットとは何か?

Is Overturning Roe v. Wade Now A Possibility?

By Break Point

米国最高裁は9月1日夜、首席判事のジョン・ロバーツを除き、憲法違反の可能性があるテキサス州の中絶禁止法を保持する決定をした。これは、歴史的な1973年のロー対ウェイド法を徐々に撤廃する第一歩を踏み出したことを意味する。なぜなら、テキサスに次いで、フロリダ州が同様の法律を制定すると公表している。最も注目すべき事は、危険なシャドウ・ドケットの使用で、早急な決定をした最高裁の動きに対する批判と民主党トップ・クラスの議員らの対抗は通常のレベルを超えていることである。

テキサス州の中絶提供者は、超保守的な第5巡回区控訴裁判所が地区レベルの審理を取り消し、緊急の申し立てを却下した後、週末に米国最高裁に控訴した。テキサス州の中絶禁止は、 ロー対ウェイド判定で確立され、ケーシー対プランズ・ペーレンフッズで再確認された先例を超えたものである。胎児が生存可能になる前、または子宮の外で生き残ることができる前の中絶の権利は憲法上で与えられている。しかし、テキサス州の妊娠中絶禁止法は約6週間前のほとんど全ての避妊を禁止している。従って、同州の中絶サービスへのアクセスに関して国内で最も制限されることになり、ほとんどの中絶専門のクリニックはビジネスが閉鎖される結果になる。しかし、最初に施行されたテキサス州法は1973年の米国最高裁の判決に違反するとして、法的な問題に直面しているが、最高裁は水曜日の真夜中直前の5対4の投票で、この法律を阻止することを拒否した。

昨日の判定で、リベラル系の3人の判事に参加したロバーツ首席判事は、ロー対ウェイドに違反すると警告していた。テキサス州の法律は妊娠6週目頃に発生する胎児の心拍が検出される時に中絶を禁止している。これは妊娠の非常に早い段階であり、多くの女性は妊娠4週間の時点まで妊娠していることに気付いていない場合が多い。テキサス州の法律では、女性は自分の状態を認識し、検査で妊娠を確認し、妊娠を管理する方法を約2週間で決定しなくてはならない。しかも、その法律は、レイプや近親相姦に起因する妊娠の中絶の例外を設けていない。母親の命を守るための例外に関しては、健康上の理由で中絶を許可するが、例外は狭い規定であり、妊娠が母親の生命を危険にさらすか、または「主要な身体機能の実質的かつ不可逆的な障害」につながる可能性がある場合にのみ例外を認めている。

プランズ・ペーレンフッズによると、79%のアメリカ人は1973年のロー対ウェイド法を撤廃することに反対している。1973年の最高裁の判定では、安全で合法的な中絶へのアクセスは憲法上の権利であると断言した。現在ロー対ウェイドは、かつてないほどの危険にさらされている。それは、連邦裁判所には生殖の権利に敵対する記録を持つ裁判官が多数存在し、攻撃的な中絶反対の保守派によって長年攻撃を受け続けているからである。ロー対ウェイド判決が覆されると、2,500万人以上の女性が中絶にアクセスできなくなるリスクがある。これは、この国の生殖年齢の女性の3分の1以上である。これには430万人以上のヒスパニックまたはラテン系の女性、ほぼ350万人のアフリカ系アメリカ人の女性、 80万人以上のアジア系の女性、ほぼ30万人のアメリカ・インディアンまたはアラスカ先住民の女性が含まれている。

昨夜の最高裁の判定は、論議を行い、その後、決定までに数ヶ月待つ必要があった通常のルーティンとは異なっている為、批判の対象になっている。つまり、主要な判決を下す前に、書面の概要を熟読し、慎重に審議し、口頭弁論で論議し、意見を起草するのに数ヶ月かけるというプロセスは完全に省略されている。緊急の請願に対して、急いで重要な問題を取り上げている為、批判されている。最近、最高裁は、移民法執行の変更、選挙規則をめぐる紛争、パンデミック中の宗教集会などに関する判例で、従来の正統な裁判プロセスを極度に短縮しており、それはシャドウ・ドケットと呼ばれている。

昨夜の最高裁の行動に対して、下院議会の議長ナンシー・ペロシおよび下院司法委員会の委員長ジェリ・ナドラーは声明を発表し、最高裁の行動を批判した。ペロシは「下院司法委員会は、最高裁判所の危険で卑怯なシャドウ・ドケットの使用に光を当てるために公聴会を開催します。このような決定は、私たちの民主主義を一掃します」と述べた。最高裁がテキサス州法に何もしないことを一夜にして決定した後、ナドラーは「著しく違憲な法律の施行を許可し、テキサス州の女性に対して、妊娠中絶の憲法上の権利を機能的に否定することは悪い方針です。署名のない意見で、議論の利益なしに、深夜に決定したこの行動は、基本的権利と基本的医療を損なうだけでなく、生命を深刻な危険にさらします」との声明を発表した。

要するに、1973年以来、ロー対ウェイド判決は憲法で保護されており、この歴史的な判定を弱体化するテキサス州の法律に対して、論議を行うことさえなく、最高裁の保守派判事は5対4票で、投票のみによる論争的な決定をした為、稀に見る下院議会のリーダー達が反発し、公聴会を行うと述べている。テキサス州の非合法的な法律を黙認した保守派判事の決定は、中絶禁止を考慮している他の州にも多大な影響を与える為、1973年以来、米国最高裁の画期的な判決であったロー対ウェイドは、非常に深刻な転換期を迎えている可能性がある。

アメリカ・ウオッチ- Yuko's Blogをもっと見る

今すぐ購読し、続きを読んで、すべてのアーカイブにアクセスしましょう。

続きを読む