二つの裁判所で失敗した前大統領は最高裁で成功するか?

前大統領ドナルド・トランプは、行政特権を主張し、1月6日の国会議事堂での反乱を調査している下院特別委員会が入手を求めているホワイトハウスの書類をブロックするため、二つの裁判所に告訴していたが、両方の裁判書は彼の訴訟を却下した。つまり、最初の地方裁判所で却下され、2つ目の控訴裁判所への挑戦でも失敗したため、最高裁に上訴する場合、14日間の期限が与えられた。前大統領が最高裁に上訴した場合、その上訴は成功するだろうか?

議会に対する調査関連書類に対するトランプのブロックは、10月18日に連邦地方裁判所に告訴することから始まった。連邦判事タニヤ・チュトカンは11月9日に、トランプの主張を却下し、委員会はホワイトハウスの書類を受けることができると判定した。その後、トランプの弁護士は11月30日に連邦控訴裁判所に、地方裁判所の判定を差し押さえるよう求めたが、控訴裁判所は、双方の論議を聴聞した。しかし、12月9日、控訴裁判所は、彼の要請を却下した。つまり、二つの裁判所は、前大統領には行政特権があるため、ホワイトハウスの書類を議会に提出することはできないとのトランプの弁護士の主張を否定した。1月6日の彼の役割を明白にする可能性がある物理的証拠書類をブロックするというトランプの努力は失敗に終わった。しかし、トランプは12月9日から14日間、米国最高裁に緊急上訴する期間を与えられた。最高裁にはトランプが指名した3人の裁判官が存在するため、最高裁は保守多数派であるという楽観的観測に基づいた動機によって、その機会を利用する可能性がある。

12月9日、米国控訴裁判所コロンビア地区のパトリシア・ミレット判事は 68ページの意見書の冒頭で、2021年1月6日、当時のトランプ大統領への支持を公言し、激しく攻撃した合同会議を防ぐための努力において、米国議会議事堂で、ジョセフ・R・バイデンを第46代アメリカ合衆国大統領に指名した州の選挙人団の投票を議会が証明することを阻止するために、暴徒は国会議事堂での大暴れにより複数の人を死亡させ、さらに140人以上を負傷させ、そして何百万ドルもの損害を与えた。当時のペンス副大統領、上院議員、および下院議会の代表者全員は憲法に従い、任務を遂行することを停止され、安全のために下院と上院の部屋から避難する必要があったとの、当時の状況を説明している。

ミレット判事は「トランプ前大統領は、この裁判所がバイデン大統領の勝利を無効にする根拠を提供しておらず、これらの文書をめぐって政治部門間で合意と調整が行われた。両部門は、これらの文書には独自の立法上の必要性があり、立法府への攻撃と政権交代におけるその憲法上の役割に関する委員会の調査に直接関連していることに同意する」と書いている。ミレット判事は 1月6日の反乱は「私たちが当たり前のように思っていた民主的な制度や伝統の脆弱性を露呈しました」と述べた。つまり、書類を秘密にするためのトランプの主張は、法的に保護されるには「十分に近いものではない」と判定した。

パトリシア・ミレット判事は大統領の特権について、幾つかの判例を引用しながら、大統領は、書類が公的に暴露されることを防ぐ権限があるが、他すべての第2条の権限と同様に、その「徳権は座っている大統領にある」と説明した。つまり、大統領は常に一人だけ存在することを明白にした。この意見書には、米国控訴裁判所が3人の判事で構成されており、全員が同じ立場であることを示唆する判事の名前が明記されている。現時点で、トランプの弁護士が最高裁に上訴したかどうか、上訴していた場合、最高裁が聴聞会を行うかどうか、それとも、この上訴は取り扱いをしないとして却下するかどうか、もっとも肝心な情報は主要メディアさえまだ伝えていない。地方裁判所のチュトカン判事と控訴裁判所のミレット判事はいずれも、過去の十分な判例を引用して、元大統領の行政特権について論じている事から、最高裁が関与する可能性があるかどうか疑わしい。

なぜなら、これまでのパターンでは、二つの裁判所が同じ判定を下した場合、二つの裁判所の間で紛争がない為、上訴は受けないとして却下することが多い。更に、出発点に逆戻りして展開を推測する場合、これら一連の裁判は、トランプと彼の同盟者が選挙結果を覆すために起きた選挙詐欺の虚偽のキャンペーンから始まり、親トランプ派の反乱は計画されたものであり、トランプはその先導者の一人であったことが既に10月初旬の「上院司法委員会の劇的な調査報告」が示唆している。更に、最高裁は、昨年4つの接戦州の選挙結果を変えるために、テキサス州の司法長官ケン・パクストンの要請を拒否した記録があるため、その行動に矛盾のない決定をする必要がある。最高裁の評判に対して最も関心が深い裁判官は、首席判事のジョン・ロバーツである。最高裁のトランプ指名者であるニール・ゴーサッチ、ブレット・カヴァナフ、エイミー・コニー・バレットは、指名を受けたことに対して、現在一般市民であるトランプに対するこだわりがあるような印象を受けていない。そのような様々な観点から推測した場合、最高裁は、トランプの弁護士に上訴を受けないと伝える可能性があり、その結論が最も無難であると判断する。

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