FBI家宅捜査後の混沌と暴力は何を示唆?

FBIシンシナティの事務所 By CNN

家宅捜査を受けた2日後に、ニューヨーク州司法長官の召喚に応じたドナルド・トランプ前大統領は400回以上、憲法第5条を行使し、全ての質問に答えなかったという。複数の法律専門家は、トランプはいつもの通り、自身が犠牲者であるとの戦略を利用しはじめたと指摘している。トランプの同盟者である幾人かの議員らは、司法省の長官メリック・ガーランドとFBIディレクターのクリストファー・レイに対して、喧騒的な主張をしている中で、レイは昨日、脅しが危険であるとの懸念を表明した。その後24時間も経過しないうちに、11日、武装した男性がFBIの地方事務所に侵入し、容疑者は銃撃戦後に死亡した。

月曜日(8日)東部時間午前 10 時頃から開始されたマー・ア・ラゴの家宅捜査は、トランプに対する捜査が直接的で急速であることを示唆した中で、トランプはその翌日、FBIの捜査令状執行を「政治的迫害」であると主張した。加えて、10日にニューヨーク州司法長官は捜査の一環として、トランプに直接尋問を行った。しかし、CNNニュースによると、トランプは約440回、憲法第5条を行使し、全ての質問に答えることを拒否した。ニューヨーク・タイムスが伝えたところによると、宣誓下で数時間ニューヨーク州司法長官レティシア・ジェイムスと対面して座り、捜査官からのすべての質問に「答えは同じ」という表現を何度も繰り返した。トランプが「裁判所命令の証言録取で実質的に回答することを拒否した」ことは、「ローンやその他の利益を確保するために、資産の価値を不正に膨らませた」前大統領に対する3年間の民事捜査を行なっていた彼女の最終的な捜査結果が「予想外にねじれた」という。FBIの家宅捜索から2 日後、トランプは別の調査で「修正第 5 条の権利を行使しながら、米国の選挙制度と同様に、法的手続きの正当性を公然と批判し、わずか数メートル離れたところに座っている法執行官を侮辱した」という。数時間の証言中、唯一詳細にコメントした時、トランプは「司法長官と彼女の調査に対する全面的な攻撃」に集中し、米国が「史上最大の魔女狩り」をしていると批判した。また、準備された声明文を読みながら「以前に『あなたが無実なら、なぜ修正第 5 条を採用するのですか?』と尋ねたことがあります。私は今、その質問に対する答えを知っています。」と言った。弁護士、検察官、報道機関から標的にされているトランプは、第5 条を行使する以外に「絶対に選択の余地がない」と言った。

本格的な捜査に直面しているトランプは、法務執行システムを政治化することで、不正行為の告発から注目を逸らそうとするいつもの手段を使い始めている。トランプに対する最初の弾劾時期に下院司法委員会の特別顧問を務めたブルッキングス研究所の法律アナリストであるノーマン・アイゼンはトランプに言及し、「脚本をひっくり返し、以前展開した時とまったく同じ戦術」を利用して、彼が「犠牲者であると誤って主張することは、最もひどい偽善にすぎない。しかし、一貫性、論理、証拠、真実 — これらは常に、民主主義が内部からの攻撃にさらされた」場合、議会委員会は調査を行うと述べた。また、パーム・ビーチの州検事であるデイブ・アロンバーグは、「この時期に多くの人が彼の周りに集まるので、これは彼にとって非常に役立つ可能性があります。トランプはこれを利用して殉教者の地位を取り戻すでしょう」とBBCに語った。つまり、トランプは神に救済される犠牲者としての立場を演じることを可能にすると述べ、過去4年間の就任中、トランプは彼の不正行為が暴露される危機に直面すると、そのニュースから注目をそらすため、調査および報告する側を攻撃し、彼自身が標的にされていると繰り返し主張する同じ戦術を利用すると指摘した。もちろん、幾人かのトランプ支持者は、FBIの活動に反感を表明した。

例えば、米国議事堂の外側で2021年1月6日に反乱の暴徒らに握り拳を上げて、支持の合図を送った若手の上院共和党議員ジャシュ・ハーレイは、ツイートでガーランドとレイが「辞職または弾劾されるべきである」と攻撃し、捜査令状を公開するべきであると主張した。最近、下院議会の共和党議員スコット・ペリーの携帯が押収されるなど、選挙転覆のキャンペーンに関与したと疑われる議員に対する捜査の手も伸びている為、ハーレイの司法省に対する批判は過激である。加えて、下院議会のトランプの同盟者である共和党議員ジム・ジョーダンは最初に反応したケビン・マッカーシをエコーし、フォックス・ニュースでのインタビューで、捜索は「信じられない」と言い、「この前例のない方法でトランプ大統領を追及することが非常に重要である場合は、下院の司法委員会で、私たちの質問に答える」必要があると述べ、レイとガーランドは、家宅捜査ついて証言すべきだと主張した。更に、下院議会の陰謀論者であるマージョリー・テイラー・グリーンは「FBIへの融資停止」を叫んだため、反トランプ派のリーダーであり、共和党全国大会の元委員長マイケル・スティールは彼女の頭脳状態を指摘した。前副大統領マイク・ペンスと上院共和党リーダーのミッチ・マコーネルは、前大統領の住居が家宅捜査されたという前例のない状況について、国民は真実を知る必要があるとし、司法省の説明を求める声明を行った。

FBIと司法省のトップ層に対するトランプの支持者からの死の脅しがある中で、FBIディレクターのクリストファー・レイは、連邦捜査官と司法省に対して、オンラインで広まっている脅威を「嘆かわしく危険」であるとし、「法執行機関に対する暴力は、あなたが誰に立腹していようと、答えにはなりません。」と言った。また、「私は法執行機関に対する脅威を常に懸念しています」と語った。FBIディレクターが、法務執行当局への脅しが危険であるとの懸念を表明した翌日の11日、オハイオ州シンシナティの事務所に武装した男性が侵入した。APニュースによると、その男性はボディ・アーマーを着ており、シンシナティ現地事務所の訪問者用のセキュリティ・スクリーニング・エリアに「侵入しようとした」が、FBIエージェントが彼に対立した時に逃げたと述べた。オハイオ州高速道路パトロールは、容疑者が州間高速道路 71 号線で追跡され、車から発砲されたと報告した。彼は高速道路を離れ、近くの道路に車を置き去りにし、そこで警察と銃撃戦を交わした。男性は「不明な怪我」を負っているが、他に負傷者はいなかった。オハイオ州当局は、州間高速道路近くの半径 1 マイルを一時封鎖し、住民と事業主にドアをロックして屋内にとどまるよう促した。この銃撃戦の膠着状態がしばらく続いた後に、容疑者は警察に射殺されたようである。連邦捜査官がマー・ア・ラゴでの捜索令状を執行して以来、FBI 捜査官と全国の事務所に対する脅威が増大しているようである。 白人至上主義者や反ユダヤ主義者に人気のソーシャル・メディア(Gab )では、ユーザーが武装革命の準備をしていると警告している。

要するに、多大な法的ケオスに直面しているトランプは、再度彼が犠牲者であるとの戦術を利用し始め、家宅捜査中、FBIは「証拠を植えつけた」かもしれないとの虚偽を語り始めた。トランプの先制手段を心理学者はプロジェクトと呼んでいる。トランプは昨日の聴聞会で、質問に対して何かを発言した場合、検察側は「推定犯罪」者に対して、その発言を利用するため、それは自分自身を犯罪に導く可能性が高くなるからである。恐らく、トランプは弁護士にアドバイスされ、準備していたことを示唆した。ジェイムス長官の報道官は、捜査は続くと述べており、この後の対策を考慮していることを示唆した。また、捜査当局は、特に元大統領のような人物に対する捜査進行中に、詳細を発表することはあり得ないため、裁判所による捜査令状は推定犯罪に基づいていることから、トランプがどのような犯罪を犯した可能性があるかを国民に知らせるよう求めるペンスやマコーネルによる共和党リーダー達の発言の意図は不明である。捜査の目的が何であったかを公開するよう求めている一部の共和党議員らは、捜査令状を保持しているトランプにそのコピーを提供するよう求めず、メリック・ガーランドとクリストファー・レイに公的表明を求めた。レイは10日公的にFBIに対する脅しが増えていることを警告した。一方、トランプに対する調査は実際に行われていることが判明した後、令状を認可した裁判官とガーランドに対する脅しもあると報告されている。下院特別委員会の非公開の証言で、ガーランドの前任者であり、トランプ任命者のウイリアム・バァーは、トランプの選挙詐欺の主張を「嘘、狂気」であると表明した。バァーの発言はもはや非公開ではないが、バァーが脅しを受けている様子はないようである。過去および現在の二人の司法長官は、正義を追及することを恐れていないことを示唆している。

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