米国のインフレは安定化に向かっている?

Is the Inflation Storm Letting Up?by Paul Krugman                           ニューヨーク・タイムス:2022年12月26日

この記事で、ノーベル経済学賞の際立った経済学者ポール・クルーグマンは、幾つかの理由により、現在インフレーシンは収まっていると述べている。また、インフレーションの主要因について説明し、現在、総体的な安定化に向かっていると述べている。

クルーグマンによると、レギュラー・ガソリンの全国平均価格は、1 年前よりも 1 ガロンあたり 20 セント近く低くなり、経済閉鎖(economic shutdowns)によって、世界の石油価格を押し下げた(depressed world oil prices)パンデミックの低迷時よりもまだ高いものの、ガソリン価格に対する平均賃金の比率で測定される燃料の価格は、コロナウイスのパンデミック以前の状態(pre-Covid levels)に戻っている。

現在、ガス価格は経済の健全性や経済政策の成功を示す良い尺度(good measure)ではないが、価格の下落(subsiding prices)は、2021 年から 2022 年にかけてのインフレの嵐が収まっている(is letting up)ことを示す多くの指標の ひとつにすぎない。配送料金が通常の何倍にも跳ね上がったサプライ・チェーン危機(supply-chain crisis)も終わっている。より広範に言うと、連邦準備制度理事会(FRB)が金利政策を導くために伝統的に使用しているインフレ指標( the inflation measures)に関する最近の報告は、非常に優れているが、インフレの最前線ですべてが解決した(all clear on the inflation front)と宣言するのは時期尚早であると述べている。しかし、インフレ率は急速に低下(inflation has declined rapidly)しており、失業率(unemployment)は依然として、記録的な低水準(record lows)に近づいている。

インフレーションの主な要因は、サプライ・チェーンの問題であった。消費者は感染のリスクを恐れ、外食などの対面サービスを避け(avoided in-person services)、代わりに商品を購入したため、世界は輸送用コンテナや港湾容量(port capacity)などの突然の不足に直面した。グローバリゼーションの兵站学(the logistics of globalization)は、予測よりも強さと柔軟性(robust and flexible)に欠けていることが判明したため、多くの商品の価格が急騰し(soared)、その後、住居の需要が急増(surge)した。これは、おそらく、パンデミックによる遠隔労働(remote work)の増加が主な原因である。その結果、家賃料金が急上昇した。

しかし、新規テナント(new tenants)の急激な賃料上昇(rapid rent increases)は止まり、賃料は下落傾向にある可能性が高い。家賃の減速はまだ反映されていないが、住宅はインフレの主要な推進力(a major driver)から安定化の力(a stabilizing force)へと変化している。著者クルーグマンの(そして、恐らくFRB の)懸念は、雇用市場(the job market)が依然として非常に熱く、賃金の上昇が速すぎるため、許容できる低インフレ率(acceptably low inflation)と一致していないという事実に帰結する。また、目に見えるインフレ率の鈍化に伴い、非常に大きいと思っていなかった賃金価格スパイラル(a wage-price spiral:物価の上昇に伴い賃金があがり、賃金をあげることでもっとに物価が増加するような悪循環)のリスクはさらに後退している(receding even further)とクルーグマンは述べている。

バイデン大統領は12月中旬、良好な経済報告を受けて、ホワイトハウスでのスピーチで、11月のインフーレション率が専門家の予想を超えて低下したことを報告した。バイデンは世界の主要な先進国では、インフレは「二桁で上昇」している一方で、米国では、食品やエネルギーも含めて減速していると述べた。もちろん、バイデンは物価がまだ高いことを指摘した。貿易経済学によると米国の年間インフレ率は7.3% の予測を下回り、2022 年 11 月に 5 か月連続で 7.1% に低下した。これは、昨年 12 月以来の最低値であり、10 月の 7.7%から大幅に低下した。一部の専門家は、2023年のインフレ率を約6%から3%の範囲で予測している。クルーグマンの記事は、他の専門家の予測や報告の傾向と一貫性があることを示唆している。

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