最近の裁判ケースは何を示唆?

連邦控訴裁判所は、下院共和党議員らが前大統領ドナルド・トランプに対する刑事告訴について、マンハッタンの元検察官に質問することを一時的に阻止した。つまり、共和党が支配する下院司法委員会による元検察官への召喚は上訴で停止された。しかも、召喚での公聴会が予定され、委員長であるジム・ジョーダンは、その日に質問する予定であったが、絶妙なタイミングで控訴裁判所は同日、下級裁判所の判定を覆したのである。これは、マンハッタン地方検事アルビン・ブラッグの事務所と下院司法委員会との間の法廷闘争による最初のエピソードである。これとは別に、米国最高裁は、圧倒的多数派の支持により、中絶錠剤の使用を維持できるよう上訴したバイデン政権の要請を受け入れた。

トランプが4日に告訴された直後、強烈なトランプの支持者である米国下院司法委員会の委員長ジム・ジョーダンは、すぐに公聴会を開始し、マンハッタンの地方検事事務所の元検察官を召喚した為、地方検事アルビン・ブラッグの事務所は、米国下院司法委員会の委員長であるジム・ジョーダンが元検察官のマーク・ポメランツに召喚状を発行した後に、その召喚を停止するよう裁判所に要請した。トランプに指名され、2019年12月20日からニューヨーク州南部地区連邦地方裁判所の判事であるメアリー・ヴィスコシルは、ポメランツへの召喚状は「有効な立法目的」で発行されたものであり、司法委員会の元検察官ポメランツへの「召喚状を阻止する法的根拠はない」と決定した。その決定直後にブラッグは上訴した。

第 2 巡回控訴裁判所の判事ベス・ロビンソンは19日、地方裁判所のヴィスコシルの命令は「本案に関する判断を反映するものではない」と述べた。ロビンソン判事は、彼女の控訴裁判所3 人のパネルが最終的に、下級裁判所の判決を支持するかどうかを検討すると述べ、ブラッグの事務所は、21日までに控訴を詳述した法廷書類を提出し、下院司法委員会に22日までに回答を提出するよう命じた。委員長のジョーダンは20日、トランプが口止め料の支払いで4日に告訴され、34の罪状全てに無罪を主張したことなどに関して、元検察官ポメランツに質問する予定であったが、それはその日、即時に控訴裁判所によってブロックされた。ロビンソン判事はジョー・バイデン大統領に指名され2021年11月5日に就任した判事である。

21日から22日にかけて報告されている大きな進展は、米国最高裁が、中絶薬の保持を求めるバイデン政権を支持したことである。米国最高裁は21日、カクスマリクの判決後、第5巡回連邦控訴裁判所に上訴し、それらの判決を却下するよう求めていたバイデン政権の要請を保持し、引き続き、FDA が承認した中絶薬ミフェプリストンは利用可能であると判定した。現在論争的なクラレンス・トーマス判事とサミエル・アリート判事を除き、7人の判事はバイデン政権の要請を保持した。前大統領ドナルド・トランプに指名されたテキサス州連邦地方裁判所の判事マシュー・カクスマリクによる中絶錠剤の使用を全面的に禁止するという4月7日の判定は既にご承知の通りである。その後、バイデン政権は13 日、連邦控訴裁判所に上訴したが、ここでは中絶薬の部分的なアクセスを認可し、薬の投与方法に新たな制限が加えられたため、同日、司法長官メリック・ガーランドは最高裁に上訴すると述べていた。

最高裁の保守派判事は昨年6月24日、歴史的な憲法の権利を保証したロー対ウェイド判決を突然、非常に簡単に覆した記録があるにもかかわらず、今度は中絶薬を保護することを求めたバイデン政権側に立った。それはなぜか? 昨年の6月以降、記録的で衝撃的なプロテストの波動が拡大した。その後、女性は選択する権利があるとし、少なくとも、ロー対ウェイドで定めた範囲内の中絶の権利は非常に重要であることを訴えるプロテストは全米に拡大していた。レイプされ妊娠した10代の女子も含めて、ほぼ全てのケースの中絶を禁止し、それを行った場合には犯罪者として対処し、中絶が可能な州外への旅行も禁止するという、極端な法律を制定し始めた守派州の動きがエスカレートする中で、カクスマリク判事の決定は更に混沌と怒りを促進した。2024年の大統領選もこれが主な課題であると言われている真っ只中、最高裁は昨年のロー対ウェイドの判定と矛盾する決定を下した。

最高裁の中絶に関連する立場は混乱するものであり、彼らの政治的立場は実際には不明である。なぜなら、この判決は、緊急な対応であり、現在のところ、ミフェプリストンの錠剤が市場に出回ることを保持したが、詳細な意見書を提供していない。アリート判事は、第5巡回連邦控訴裁判所に上訴したバイデン政権の主張を支持しないと述べた。最高裁の21日の判定は、ロー対ウェイドをあっけなく無効にした判定と一貫性がないことを示唆している。主席判事のジョン・ロバーツは、強固な保守派判事の一人であるサミエル・アリートの意見書が漏れた後、その漏れの調査を行うと発表した当時、ロー対ウェイド判決を保持するために穏健派の保守派判事にロビー活動を行ったが、その漏れた意見書には、トランプに指名された3人の判事がアリートに同意していたことが公的に判明したため、ロー対ウェイドを救うことができなかったと述べたことが報告された。従って、ミフェプリストンの錠剤に関しては、企業寄り又はビジネス支援傾向があるロバーツの最高裁は、カクスマリクが先導した論争的な判定を保持しないだろうと予測していた通りの結果になった。

これらの状況は、合理的、合法性、常識を超えた極度な行動がある場合、それはある時点で、何らかの形で修正されるという自然の法則があることを示唆している。下院司法委員会の共和党委員長ジム・ジョーダンは、彼の司法委員会は多数の法律専門家に囲まれていると語ったと言われている。彼は、進行中の捜査に関する情報を提供することは違反であることを説明した正当な書簡を送ったアルビン・ブラッグを結局、召喚することができず、幾分戦略を変え、現役ではない検察官を召喚するという苦戦の挑戦をしたが、バイデンに指名された控訴裁判所のロビンソン判事は、合理的、合法性、常識を重視したことを示唆した。加えて、ロー対ウェイドに続いて、20年以上安全とされる中絶薬まで、全米で総体的に禁止した場合、特定の製薬会社まで最高裁を敵とみなす可能性が高くなるだけでなく、大多数の米国民から喧々轟々の批判を受け、最高裁に対する評価は、潜在的に歴史上最悪になる可能性もあったが、結局、最高裁の大多数は合理的、合法性、常識的な決定をしたことを示唆した。最高裁の評価を最も意識していると言われている首席判事ロバーツは、6(保守派)対3(リベラル派)のパネル構成で、バランスを保つため、トランプに指名された3人の判事にロービー活動している可能性があることを示唆している。

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