肯定的な進展がある債務上限の交渉

ホワイトハウスの高官と議会補佐官らによる歳出削減交渉は10日と11日にドアの裏で行われ、双方は米国政府による債務不履行を回避するための努力を開始した。バイデン大統領と下院議長ケビン・マッカーシーを含む4人の議会リーダー達は、9日に対面協議を行ない、再度12日の今日予定されていた2回目の会合を肯定的な意味から延期した。来週、バイデンはG7首脳会議に出席するため日本に旅行する前に、再び会談する予定であると報告されている。交渉は重要な進展があることを示唆している。議会予算局は12日、借金を支払うための現金が6月中旬に枯渇する為、議会が行動しない場合、非常に深刻な状況になると警告した。

ニューヨーク・タイムスの報告によると、バイデン政権は、管理予算局と国家経済会議の職員を交渉に派遣し、両党の議会トップの二人のリーダーの事務所は財政政策や大規模な歳出合意の削減に経験のある補佐官を派遣した。彼らは、米国が借りられる金額の債務上限を引き上げるために、財務省が債務の請求書を支払い続けている現在の状況で何ができるか、非常に真剣に模索していることを示唆している。ホワイトハウスと議会の代表者は、歳出制限やその他の提案に関する協議を開始したことで、6月1日までに合意に達する可能性があるとの楽観的な雰囲気があるようだ。保守主流派の影響力のある党員集会のリーダーでサウス・ダコタ州の米国下院共和党議員ダスティ・ジョンソンは「過去48時間で、希望を持つ理由がさらに私たちに与えられた」と述べた。双方の専門家は協議を続けており、10日と11日にそれぞれ約2時間行われた協議で  ⑴  使われていない新型コロナウイルス感染症救援基金を取り戻すこと、⑵  エネルギー・プロジェクトの許可を迅速化するための規定、⑶  連邦支出の固定上限、⑷  連邦政府のプログラムに一定期間支出の上限を設定するなどの分野での提案が浮上した。

ホワイトハウスの交渉担当者らは、税金不正行為を取り締まるための内国歳入庁への資金、メディケイドやフード・スタンプ受給者の労働要件に関連する共和党の取り組みについても検討から除外するよう求めている。最終合意にはバイデン大統領、マッカーシー下院議長を含む議会4人のリーダー達が承認する必要がある。また、最終承認には超党派の支持による投票が必要となる。バイデン政権は、最終合意に経済団体の承認を獲得することで、共和党への圧力が高まることを期待している。こうした懸念から、米国商工会議所の関係者らは今月、債務限度の交渉で合意に至る可能性のある道筋を概説したという。これらの報告は、2011と2013年にフリードム・コーカスの債務不履行の脅しを体験しているバイデン大統領が事前に準備をしていたことを示唆している。

とは言え、予算の関係当局は、議会に油断の隙を与えないため、引き続き警告を強化している。超党派の議会予算局(CBO)は12日に報告書を公開し、次のように説明している。

一般に債務上限と呼ばれる債務制限は、財務省が国民または他の連邦機関に対して発行できる債務の最大額です。この額は法律で定められており、政府の運営資金を調達するために必要な追加借入を可能にするために、長年にわたり増額または停止されてきました。2021 年 12 月 16 日、議員らは債務上限を 2.5 兆ドル引き上げ、2023 年 1 月 19 日に総額 31.4 兆ドルの上限に達しました。財務省は「国債発行停止期間」を発表し、債務上限を突破せずに追加資金を借り入れる「臨時措置」として、十分に確立された債務制限の適用を開始しました。

CBOは、債務上限が変更されない場合、6月最初の2週間のある時点で政府がすべての債務を返済できなくなる重大なリスクがあると予測しています。 財務省が最終的に6月初めに資金を使い果たすとしても、政府の継続的な運営に財務省がどの程度資金を供給できるかは不透明なままです。 この不確実性は、その間の数週間の歳入徴収および支出のタイミングと金額が CBO の予測と異なる可能性があるためです。財務省の現金と特別措置が使い果たされる前に債務限度額が引き上げられるか停止されない場合、政府は一部の事業の支払いを遅らせるか、債務不履行、またはその両方を余儀なくされます。財務省の現金と特別措置が十分であれば 6月15日まで政府に資金を供給する予定であるが、予想される四半期ごとの税収と追加の臨時措置により、政府は恐らく、少なくとも7月末まで財政運営を継続できるでしょう。

要するに、CBOは6月初めに財務省の現金と臨時措置が枯渇する前に、議会が債務限度額を引き上げるか又は停止しない場合、債務を返済できなくなる重大なリスクがあると警告している。その結果として、 ⑴  財務省は満期または償還された証券の代替以外に追加の債務を発行する権限を失う。⑵  一部の政府活動に対する支払いが遅延し、政府の債務不履行、またはその両方につながる危険性がある。⑶  信用市場の混乱、経済活動の混乱、財務省の借入金利が急速に上昇する危険性がある。⑷  最終的に、米国は景気後退に直面し、グローバル経済にも多大な影響を及ぼすだろうと予測している。幸い、ホワイトハウスの経済顧問および議会の予算当局者は交渉を開始し、48時間後には交渉が進展しており、一部の共和党議員は希望を表明しているため、良い兆候があるということである。議会のリーダー達が9 日にホワイトハウスで最初の会議を行なった時、バイデンは共和党議員らが、債務不履行の脅威を即時に除去し、その後に予算削減の交渉をすべきだと言った。一方、下院議長マッカーシーは、その前に大幅な予算削減の交渉を期待していたようである。そして、この日からドアの裏でホワイトハウスと議会の代表メンバーは、本格的な交渉を開始していたということである。彼らが決定した歳出削減の詳細は、4人の議会リーダーらが承認する必要がある。ドナルド・トランプは、10日のCNNとのインタビューで、彼が2024年の大統領選に勝利した場合、民主党が共和党の望む方法で支出削減をしない場合、債務不履行になるだろうとの立場を表明した。これと比較し、現状は民主党の大統領下で、債務不履行に陥ることは、言語道断であるという態度を示している。

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