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TikTokは米国が所有するソーシャル・メディアではないため、近年米国政府当局は、中国とTikTokの関係に基づく国家安全保障上の懸念に対して、繰り返しTikTok禁止の行動を起こしてきた。最後の任期であったドナルド・トランプ大統領は2020年、TikTokに対抗する大統領令を発行した。米国最高裁は1月17日に満場一致で、TikTokを禁止した連邦政府の法律を支持すると決定した。しかし、次期大統領トランプは妙な事に、最高裁のその判定に対して、TikTokのサービスを一時的に延長するために大統領令を発行すると述べた。これまで、どの大統領も米国最高裁の判定を大統領令で覆した例はなく、特に満場一致の最高裁の決定に対し、そして自身の4年以上前の大統領令に反して、一貫性のない態度を示す大統領は過去に存在しない。
ドナルド・トランプは明日20日に就任するが、TikTokは2025年1月19日の今日から米国で全国的に禁止されている。それにも関わらず、トランプは日曜日の19日、彼のツゥルース・ソーシャルでの投稿で、連邦政府によるTikTok禁止を遅らせる大統領令を発令すると述べた。彼は「企業に対し、TikTokを闇に置かないように求めている。国家の安全を守るための合意ができるよう、法律の禁止が有効化するまでの期間を延長する大統領令を月曜日に発令する予定である」と書いている。しかし、米国ユーザー向けの大手アプリ・ストア・サービスは今日19日停止したばかりである。TikTokのビデオで、トランプに感謝を表明している様子を紹介しているTikTokのCEOショウ・ズィー・チュー(42歳)は、「TikTokを米国で引き続き利用できる解決策を見つけるために、私たちと協力するというトランプ大統領の決意に感謝したいと思います」と述べている。チューは、明日のトランプの就任式に参加すると見られている富豪者の一人である。
米国最高裁は、米国司法省に挑戦していたTikTokに対して、控訴裁判所の意見を保持し、1月17日の命令書で、連邦政府側を支持したことを示した。最高裁9人全員が同意したことを示す署名のない27ページの意見書によると、最高裁は今年1月10日に審理を行い、17日の最終判定で、1月19日が法律施行されることを示唆している。その冒頭で、「米国人を外国の敵対者による管理対象アプリケーションから保護する法律により、米国でのプラットフォームの運営が中国の管理から切り離されない限り、米国企業がソーシャル・メディア・プラットフォームTikTokを配布、維持、または更新するサービスを提供することは違法となります」と書いている。米国の企業がTikTokを所有し、管理しない限り、現状を維持することは非合法であるという結論である。また、この意見書は「2017 年の立ち上げ以来、このプラットフォームは米国で 1 億 7,000 万人以上、世界中で 10 億人以上のユーザーを獲得しています。これらのユーザーは、多作なコンテンツ・クリエイターおよび視聴者です。2023 年には、米国の TikTok ユーザーが 55 億以上の動画をアップロードし、世界中で 13 兆回以上視聴されました」との驚異的な現状を述べている。つまり、莫大な情報を中国が収集できるという懸念が大きな問題であることを示唆している。
そして、妙な事に、この裁判文書によると、約4年半年以上前にトランプは2025年1月19日の投稿とは全く逆の反対の行動を取ったことを示唆した。2020年8月、トランプ大統領は「(中国)企業が開発・所有するモバイル・アプリケーションの米国での普及は、米国の国家安全保障、外交政策、経済を脅かし続けている」とする大統領令(第13942号、3 CFR 412:2021)を発令した。トランプ大統領は、TikTokが特に懸念を引き起こしていると判断し、同プラットフォームは「ユーザーから膨大な情報を自動的に収集」しており、中国政府の利益を促進するために利用される可能性があると指摘した。
2025年1月19日、TikTokは米国での営業を停止し、アプリへのユーザー・アクセスを遮断した。グーグル、アップル、マイクロソフトはアプリ・ストアからアプリを削除し、新規ユーザーがダウンロードできないようにしていると報告されている。このような状況下で、下院議長マイク・ジョンソンは19日、NBCニュースの「ミート・ザ・プレス」での対面インタビューで、「我々は法を執行すると思います」と語った。
要するに、これらの状況は、明日就任するドナルド・トランプ大統領に多大な混乱が生じていることを示唆している。同氏は4〜5年前に彼自身が署名した大統領令を忘れることは年齢的にありえるが、H-1Bビザに対してもそうであるように、彼は一貫性がない場合もあるため、今後、同様のパターンを見る可能性があることを示唆している。明日の就任式も野外で予定されていたが、極寒であるとの理由で、突然建物内で行うとして18日に急遽変更したようである。室内での人数には限定があるため、屋外での参加に入場料を支払った個人は、屋内のイベントに参加できない可能性がある。TikTokの例は、明日就任する大統領は、ビジネスに関連する問題では特に一貫した方針はなく、2020年の大統領令は、実際には米国の安全保障問題に懸念があったホワイトハウスの関係者が書いた文書に署名しただけであることを示唆している。1月20日の正午まで現役大統領であるジョー・バイデンは15日の告別スピーチで、一部富豪者による寡頭政治が巨額の寄付をする事で、大統領に影響を与える状況を警告した。この突然の変化はTikTokのCEOとトランプの間で、会話があったかどうかの疑問を提起したことを示唆している。その可能性はなかったとしても、大統領は法律を無視し、最高裁の決定にさえ、その時の感情と都合次第で立場を変えるべきではない。そうでない場合、次期大統領は、法律の上に立つことを意味し、米国を独裁専制国に導く危険性もあることを示唆している。大統領の仕事は、議会が可決し、大統領自身が署名した法律を誠実に行使することであるが、トランプの発表は、その宣誓に反する事を示唆している。しかし、下院議長ジョンソンの19日の発言は、民主国の議会は法的にトランプに挑戦すると思われるため、彼の行動は成功しない可能性があることも示唆している。