続編1:最初から論争的で混沌たるトランプ政権

就任早々の混沌は予測されていたが、初日から3日目の今日も多数の側面で非常に論争的である。米国生誕市民権を略奪する大統領令に対して、トランプ政権を告訴した州は約二倍増加しただけでなく、数十の政府機関を代表する職員らは雇用を奪うトランプの大統領令に対して告訴した。上院議会複数の委員会は同時に公聴会を行っているが、トランプ政権の閣僚で上院議員のほぼ全員が承認したのは国務省長官に指名されたマルコ・ルビオだけである。国防省の長官指名者に対して新たな宣誓供述書を上院議会は入手した。司法省は強制送還に協力しない公職者を告訴すると脅している。幸い、パム・ボンディは司法省の長官として、上院議会にまだ承認されていないが、まさにトランプ大統領は直接司法省を武器化しているようである。更に、混沌の兆候として、大統領のブランケット恩赦は超党派の批判に直面している。

米国生誕市民権を無効にするという大統領令に対抗するため、州の司法省長官らが告訴に参加した州は最初の12から22及び2都市に増加した。理由と目的は全てほぼ同じであり、通常民主党関係者は団結する傾向がある。1868 年の米国憲法第 14 修正条項は「米国で生まれた又は米国に帰化したすべての人、および米国の管轄権に服する全ての人は、米国市民である」と規定している。つまり、憲法は、米国で生まれた人は誰でも出生時に市民となると定めている為、大統領が署名でそれを廃止できるほど簡単ではない。それを行うためには憲法改正が必要になり、2/3の州が認可し、議会両院でもそれぞれ2/3の賛成票が必要になる。トランプは憲法を忠実に実行し、保護すると就任式で誓ったその数時間後に、その宣誓に反する行動を取っている呆れた状況を見ている。

州からの法的挑戦に加えて、連邦政府の機関と省庁の職員を代表する全米財務省職員組合は21日、トランプ大統領が署名した、現職の連邦機関職員を解雇し、政治的支持者と入れ替えることを容易にする大統領令に異議を唱える訴訟を起こした。ニューヨーク・タイムスの報道によると、同組合は37の機関にわたる約 50,000人の連邦職員を代表している。同組合は、解雇を容易にすることで「公務員制度を根本的に改革する」動きが議会の意思に反すると主張している。トランプ大統領が20日夜に署名した大統領令は「スケジュールF」に基づいており、「多くの職業連邦職員の雇用保護を剥奪する権限をトランプ政権に与えるものである。職業連邦職員は実力に基づいて雇用されることになっており、恣意的に解雇することはできない。トランプは2020年に連邦職員の雇用保護を剥奪することを目指した同様の大統領令に署名したが、2021年1月就任したジョセフ・R・バイデン・ジュニア前大統領によって撤回」された。トランプは彼が「軽蔑的」に「ディープステート」と呼んでいるものを根絶する計画の一環として、この命令を復活させた。トランプ大統領は就任後から22の州の司法長官及び法務執行関係者からの訴訟に加えて、強力な組織からの訴訟に直面している。

そのような状況であるにも関わらず、彼の司法省長官の指名者であるパム・ボンディは先週、上院司法委員会からの公聴会で、彼女は認可されると予測されたが、まだ投票はおこなわれていない。FBIディレクターとしてトランプに指名された非常に論争的なキャシュ・パテルと米国情報庁に指名されたトゥルシ・ギャバードに対してはまだ公聴会さえ行われていない。上院議員らが身元をチェックするための書類が不足しているためであるとの説もあり、承認プロセスは遅れているようである。一方、22日の時点で上院議会の承認プロセスで最初に認可されたトランプ大統領の指名者は長年上院議員であったマルコ・ルビオ(フロリダ)である。彼は20日に99対0票の圧倒的超党派の支持により、国務長官として任命された。2011年から米国上院共和党議員であるルビオは、両党の上院議員らが彼を長年知っていることから、容易に承認されたようである。現在のところ、上院議会が承認したとされる二人目の任命者の名前は挙がっていない。

最初に公聴会に直面したピート・ヘグゼスは新たな苦情に直面している。宣誓供述書のコピーを最初に入手したCNNの報道によると、ピート・ヘグゼスの元義理の妹ダニエル・ヘグゼスが上院軍事委員会に宣誓供述書を提出し、ヘグゼスが2番目の元妻に対して「虐待」していたと告発した。これは、上院議会で公聴会を行い、上院軍事委員会が党派ラインに割れた投票で、彼の指名を承認し、上院本会議に送った1週間後の1月21日に発表された。宣誓供述書には、彼女はヘグゼスが複数の家族の集まりでアルコールを乱用しているのを目撃したこと、また2013年に2回、公の場でヘグゼスが過度に飲酒しているのを目撃したことも記載されている。彼女は「ヘグゼスの承認が私たちの軍隊と国に何を意味するのかを深く懸念しており、この公の声明を出すことで、まだ迷っている一部の上院議員がヘグゼスの承認に反対票を投じることが確実であると確信しているため、大きな個人的犠牲を払って公に名乗り出ることを選択しました」と書いている。

一方、ヘグセスの弁護士ティム・パーラトーレは声明で、ダニエル・ヘグゼスは生涯民主党員であり、実際に虐待行為を目撃していないことなどを挙げ、彼女の主張は真実ではないと反論している。ダニエル・ヘグゼスは宣誓供述書の中で、上院軍事委員会の民主党トップであるロードアイランド州のジャック・リード上院議員の要請で宣誓供述書を提出したと書いた。リード上院議員は、国防長官候補の身元調査の一環として、12月に初めて、そして先週1月18日に再びFBIと話したと述べた。 1月18日、リードはダニエル・ヘグゼスに宛てた手紙の中で、ピート・ヘグゼスに関する虐待、配偶者への虐待、公然酩酊の申し立てについて「委員会の関心事項に関する情報、特に彼の個人的な行動の性質や不正行為の可能性に関して、ヘグゼスがこの重要な役職に就くのにふさわしいかどうかを明らかにする情報」の提供を要請したと述べている。リードは声明で「何ヶ月も前から言ってきたように、ヘグゼスの性的暴行、アルコール乱用、公務上の不正行為の疑いに関する報告は徹底的な身元調査を必要としています。私は身元調査のプロセスが不十分だったことを懸念しており、この宣誓供述書は私の懸念を裏付けるものです。ヘグゼスによる虐待と不正行為の疑惑は憂慮すべきものです。このような行為は、軍人であれば軍の指導的地位に就く資格を失うものであり、ましてや国防長官に任命される資格を失うものです」と述べている。近日中に予定されている投票で、ヘグゼスの指名を阻止する為には上院共和党議員4人が反対票を投じる必要がある。ヘグゼスの支持を明白にしていないことで知られている共和党議員はスーザン・コリンズとリサ・マーカウスキーである。(続)

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