トランプ政権は、不法移民の強制送還の計画の一環として、学校や教会も捜査すると述べている。トランプ大統領22 日、学校や教会で米国移民関税執行局(ICE)による不法移民の逮捕を認可すると述べた。つまり、これは「敏感な」地域での逮捕を禁止するガイドラインを撤回したことを意味する。この指令は20日、国土安全保障省(DHS)の長官代行を務めるベンジャミン・ハフマンによって発令されたものであるが、21日の声明で発表された。これにより、税関国境警備局(CBP)とICEの職員が殺人犯や強姦犯などの犯罪者を含めて、違法に入国した人々を逮捕できるようになるため、「犯罪者は逮捕を逃れるためにアメリカの学校や教会に隠れることができなくなる」とトランプ政権広報担当者は述べている。そして、トランプ政権の司法長官代理は、これらのプロセスを含む強制送還に協力しない公職者を告訴すると脅しているようである。
APニュースが入手した新しいメモによると、司法省は連邦検察官に対し、トランプ政権の移民取り締まりを妨害しているとみられる州や地方の役人らを捜査するよう命じ、刑事訴追の可能性があるとし、全米に数十あるいわゆる聖域都市に対する警告を発した。トランプ大統領の元弁護士で、司法副長官代行に任命されたエミル・ボヴェが書いたこのメモでは、司法省の民事部門に対し、新たに結成された聖域都市執行作業部会と協力し、トランプ政権の移民政策を「妨害する恐れがある」州や地方の法律や政策を特定し、法廷で争う可能性もあるよう指示している。 このメモは、民主党政権ジョー・バイデン大統領の優先事項を急激に転換することを示唆しており、検察官らは、政権全体で不法移民や国境犯罪を取り締まる取り組みの最前線に立つこと、暴力犯罪、国際ギャングの脅威、麻薬密売に関してはトランプ大統領の共和党ホワイトハウスの政策ビジョンを実行するよう期待されることをはっきりと告げられている。ボヴェは「確かに、憲法を守り、それに応じて、アメリカ国民がトランプ大統領に実行するよう選んだ政策を合法的に実行することが司法省の責任である」と書いている。
また、トランプ大統領が2021年1月6日の議事堂での暴動で服役中の暴徒らを全員恩赦したため、批判が相次いでいる。米国上院議会の長年のリーダーであったミッチ・マコーネルを含む少なくとも10人以上の共和党議員は、警察官に対して暴力を振るった暴徒らを恩赦したことは間違いであると述べている。マコーネルは21日、「誰も暴力を許すべきではありません。特に警官に対する暴力は」と述べた。彼は「平和的に抗議した」人だけが恩赦を受けるべきだと述べ、「その日に暴力を振るったなら、当然恩赦を受けるべきではないです」と付け加えた。共和党上院議員ジェイムス・ランクフォード(オクラホマ州)はCNNのインタビューで、「警察官を襲撃するのは非常に深刻な問題であり、彼らはその代償を払うべきです。我々は法と秩序を重んじる政党だと言い続ける必要があります。そして、それは毎日我々を守ってくれている人々を守るために極めて重要なことです」と語った。共和党上院議員ビル・キャシディ(ルイジアナ州)は、トランプ大統領の全面恩赦に反対し、「警官を襲撃する人は、犯罪を犯したのであるから刑に服すべきだと思います」と語った。そして、下院議会の議長マイク・ジョンソンは2021年1月6日の国会議事堂襲撃事件を調査し、「アメリカ国民に負っている完全な真実」を明らかにするため、特別小委員会を設置したと22日に発表した。これは、ある意味ではトランプ大統領のブランケット恩赦を直接批判することより最も効果的な対抗である。
保守系のWSJの編集委委員会は、トランプ大統領のブランケット恩赦を厳しく批判した。この行動に対する反響は想像以上に激しい。ホワイトハウスは、公文書で刑期を減刑した14人の名前のリストを公開している。そのなかには、18年の禁固刑を言い渡されていたオースキーパーズの創設者スチュワート・ローズが含まれている。また、ご承知のように、プラウド・ボーイズの元リーダーであるヘンリー・“エンリケ”・タリオは22年の刑務を言い渡され、服役中であったが、彼も釈放された様子がテレビで放映された。大統領は就任前から、2021年の平和的な政権移行を阻止しようと企て、国会議事堂を襲撃した彼の支持者のほぼ全てに恩赦を与えると述べていた。その公約を実行したが、WSJは、退任するジョー・バイデン大統領が、次期政権の潜在的な標的である検察官に先制防備として恩赦を与えた数時間後にトランプ大統領は起訴された1,500人のうちほぼ全員を恩赦したと述べている。
しかし、トランプ大統領は、彼の「権力維持のために警官を殴打し、化学薬品を散布し、電気ショックを与えた罪で有罪となった人々も含めて、今彼は彼らを刑務所から釈放しようとしている。これは、大統領が自らのために行った政治的暴力について伝えるひどいメッセージであり、おとり商法である」と批判している。そして、「11月下旬に1月6日の恩赦について尋ねられた大統領は、慎重な姿勢を示し、『私はケース・バイ・ケースで対応するつもりだ。もし暴力的であれば、彼らは大いに罰せられたと思う。我々は個々のケースを検討するつもりだ』と言った。 また「先週、副大統領JD・ヴァンスはボスの指示に従い、「その日に暴力を振るったなら、当然恩赦を受けるべきではないと明確な線を引いた。大統領の恩赦宣言は、組織化され暴力を振るう準備ができていたプラウド・ボーイズやオースキーパーズの著名な指導者を含む、名前の挙がった14人の懲役刑を服役に減刑し、トランプ大統領は、1月6日に暴動に加担した他のすべての人々に完全かつ無条件の恩赦を与える」ことで、この事件を歴史から「消し去ろうとしている」と批判している。
トランプの無謀な恩赦に反対を表明したのは保守派の議会やメディアだけでなく、いくつかの団体も含まれている。例えば、宗教からの自由財団とバプテスト宗教自由合同委員会は、1月6日の議事堂襲撃事件に関与した約1,500人の被告を「人質」または「愛国者」と呼んだトランプ大統領が彼らを全面的に恩赦したことを「良心の呵責」であると非難した。そして、繰り返し、トランプ大統領を支持している警察団体は22日、大統領は有罪判決を受け、服役中の被告に全て恩赦を与えたことは「危険なメッセージ」を送っていると批判した。国際警察長官協会および米国最大の警察組合である警察友愛会は共同声明で、トランプ政権が「警察官を殺害または暴行した罪で有罪判決を受けた個人」に最近恩赦を与えたことに失望を表明し、「犯罪、特に重大犯罪の加害者が完全な責任を問われない場合、法執行機関を攻撃した場合の結果は深刻ではないという危険なメッセージが送られ、他の人々が同様の暴力行為を起こす勇気を与える可能性がある。法執行機関に暴力を振るう者は恩赦の恩恵を受けるべきではない」と述べた。
要するに、まだ、ほぼ全てのトランプ大統領の指名者は米国上院議会での承認を得ていない状況で、二つの起訴に直面し、生誕市民権の略奪と職業連邦職員の雇用保護を排除し、不法移民の強制送還において、それに協力できない聖域都市の公職者を告訴し、最終的に米国最高裁に持ち込むことで、米国の法制度を試す意図があることを示唆している。しかし、そのような挑戦は、論争的である為、彼は自身の政権と米国社会を混沌に導いている。そして、注目すべきパターンは、最初の4年間と同様であり、上院議会の承認を必要としない長官代行者を先に配置するという手段である。例えば、司法省では、司法副長官代行に任命されたエミル・ボヴェが書いたメモの中で米国司法長官に指名されたパム・ボンディの承認を待つ間の暫定的な決定と政策変更を概説しているという重責を担っている。また、トランプ大統領は、就任式でのスピーチで、カルテルやその他の国際犯罪組織が増加し、不法移民の大量流入と犯罪、有害な薬物の流行などで、米国は悲惨且つ危険な状況になっているとの非常に暗い話を強調した。従って、トランプ大統領の新政権下で移民法執行を妨害する州または地方当局者を全国の連邦検察官が捜査することになると脅しているのである。しかし、聖域都市には、それぞれ州の法律があるため、トランプの大量強制送還も大幅な法的問題に発展する可能性がある。大統領令には複数の重要な課題が含まれているため、国民は既に反応していることを示唆する報告もある。