ドナルド・トランプ大統領は欧州からの自動車とメキシコおよびカナダから輸入される製品に対する関税を二日間連続的に延期した。先月も延期したため、今月で二回目の延期であることから、米国の経済に影響があることをトランプ自身が認識している可能性がある。その一例は、4日の一般教書演説でのある瞬間に関税に関する同氏のコメントが示唆している。米国は第二次世界大戦後、正常な経済状況を維持すると認識されていた自由貿易を推進していた。それ以来、貿易相手国に関税を課す大統領は誰もいなかったが、それは突然2018年に起きた。
二期目のトランプ政権は1月に、メキシコとカナダからの鉄鋼とアルミニウムに25%関税、中国からのすべての商品に20%の関税を課すと発表したが、アルミニウムに対する関税を撤回した。3月5日には欧州からの自動車に25%の関税を1ヶ月間延期すると発表した。6日の今日、メキシコとカナダに対する関税を再度4月2日まで延期した。トランプは、詳細な説明をせず、その関税は、内国歳入庁 (IRS)が収集すると述べている。トランプの関税計画では、カナダ、メキシコ、中国から製品を輸入する米国企業は、その関税をIRSに支払う必要があるため、それに該当する輸入製品の値段を引き上げるために、米国の消費者は高騰した製品を購入するという結果になる。
保護主義政策が米国の経済政策を左右していた1860年代初期から1930年代初期の期間に、米国は世界で最も高い工業製品に輸入関税率を課していた。1940年代の前半以降、米国は世界的な自由貿易を推進し始めた。しかし、2016年の大統領選挙後、2017年1月から45代大統領に就任したドナルド・トランプは貿易保護主義を強化した。一般的に知られている関税の主な目的は、政府の歳入を増やすこと、及び輸入制限することで、国内生産者を外国の競争から保護することである。しかし、自由貿易が定着し始めた1945年の第二次世界大戦後から、連邦政府は関税をほぼ完全に廃止した。
フォーダム・ジャーナルの企業と財務法の筆者タイラー・ハロランの記事 によると、今日も「関税は米国の産業を保護する上で有益であるが、経済専門家は、大幅に関税が必然的に米国経済に付随的な損害をもたらす」と指摘している。第二次世界大戦の終わりには関税が大幅に削減され、「米国は関税および貿易に関する一般協定を主導した。米国は世界貿易に対する関税障壁の削減を推進し、自由貿易を支持し続け、それ以来関税を一般的に否定する」ようになった。自由貿易は「輸入と輸出に対する差別をなくす政策」と定義されている。多くの経済学者は「自由貿易は各国が比較的に優位のある経済活動に集中できるようにするため、純粋にプラスである」と主張している。自由貿易の支持者は「各国が特化し、他の製品についても相互に依存することを認めることで、各国に実質的プラスの利益がある」と述べている。
要するに、第二次世界大戦後から、長い間、関税を貿易相手国に課す大統領はいなかったが、第一期目のトランプ政権は、トランプ大統領が2018年1月から関税を課したことで貿易戦争と呼ばれるほど論争的な経済問題に発展した。しかし、IRSを通して入る関税は「財務省の収入のほんの一部を占めるに過ぎなかった」と専門家は指摘している。通常、これは教訓になるので、二期目も再度貿易相手国に関税を課すことは考えられない。トランプ大統領は6日、メキシコ、カナダに対するほとんどの製品の関税を4月2日まで延期すると発表した。この二カ国に対する関税の施行が延期になったのはこれで二回目になる。トランプ大統領は4日の両院合同会議での一般教書演説で、「関税はアメリカを再び豊かにし、再び偉大な国にするためのものである。それはすでに起こっており、かなり急速に起こるだろう。多少の混乱はあるだろう。だが、我々は構わない。大したことはないだろう」と言った。しかし、関税の発表があった今週から株式市場は非常に不安定である。例えば、ダウ工業平均株は3日(―650ポイント)と4日(―670ポイント)に急落し、5日(+485ポイント)には幾分戻ったものの 6日には(―427ポイント)再度下落している。株式市場は関税が経済の不安定な見通しとして目に見える形で現れていることから、経済専門家は昨年の選挙前から繰り返し、関税による貿易戦争は予測可能な不況の多大な脅しになると警告していた。二回の延期は、関税に踏み切るには、トランプ政権が多大な障害に直面している可能性がある。