
Photo credit : The Washington Times. マフムード・カリルの解放を求める抗議者
最近、永住権保持者を不安にさせている事件は、憲法修正第一条で保護されている言論の自由を行使したコロンビア大学の合法的学生が抗議活動で、パレスチナを支持するスピーチを行っただけで逮捕され、拘束されていることである。トランプ政権は、グリーン・カード保持者で学生活動家のマフムード・カリルがテロリスト・グループのハマスを支持している危険な人物であるため、彼の永住権も学生ビザも略奪し強制送還を試みているが、弁護士はそのような証拠はないとして法廷で争っている。
マフムード・カリル(30歳)は、先週土曜日(3月8日)の夜、妻とともにマンハッタン北部にあるコロンビア大学所有のアパートに戻る途中、米国国土安全保障省の職員に拘束された。職員は夫妻に対し、カリルが拘束されているのは学生ビザが取り消されたためだと伝えた。妻が彼女の夫はグリーンカード保持者であることを証明する書類を提示したところ、捜査官はそれも取り消されると言って、彼を手錠で連行したという。カリルの弁護士は拘留に異議を唱えて訴訟を提起した。国土安全保障省は同日、カリルの逮捕を確認し、カリルが「指定テロ組織ハマスと連携した活動」を主導したと非難した。ホワイトハウスの報道官キャロライン・リービットは11日、カリルがハマス支持のプロパガンダが流布される抗議活動を組織したと主張した。リービットは、「この政権は、我が国で学ぶ特権を持ちながら、米国人を殺害したテロ組織を支持するような人々を容認するつもりはありません」と述べた。しかし、カリルの弁護士は、そのような証拠はないとして否定している。弁護士は、パレスチナを支持している彼のスピーチは、米国政府がイスラエルを支持しているという政府の外交政策に反する永住権者を「国外追放するという見せしめ」の為に逮捕したと示唆している。
しかし、国外に追放される前に、裁判が開始された。マフムード・カリルの事件は、2025年3月12日、マンハッタンのニューヨーク南部地区連邦地方裁判所で審理が行われた。CNNの報道によると、トランプ政権は彼に対する強制送還を試みているが、同氏は、連邦当局に逮捕された数日後、ニューヨークでの手続き上の審問を経て、ルイジアナ州のICE拘留施設に移送された。同氏は著名なパレスチナ活動家であり、2024年春にコロンビア大学で行われたイスラエルとハマスの戦争に対する抗議活動での役割を理由に8日に逮捕され拘留された。カリルの弁護士によると、同氏のグリーンカードはトランプ政権によって取り消されたが、ニューヨーク連邦裁判所のジェシー・ファーマン判事は、同氏の弁護士と連邦政府が法廷に出廷するまで、同氏を強制送還する即時の取り組みを阻止した。
同日、法廷でファーマン判事は、カリルの弁護士が依頼人との接触を良くするため裁判所に支援を求めため、水曜日と木曜日に少なくとも1回は同氏に弁護士との電話を許可するよう命じた。カリルの弁護士ラムジ・カセムは水曜日の審理後、法廷の外で 「依頼人がニューヨーク市の路上から連行されて以来、私たちは文字通り一度も彼と協議できない状況である。彼は基本的に、憲法修正第1条の権利を行使したこと、ガザ地区やその他の地域でパレスチナ人を守るために声を上げた為、米国政府とイスラエル政府を批判したことに対する報復として米国政府職員に連行された」と語った。カセム弁護士はカリルがルイジアナ州に移送されたのは「人身保護令状請求の憲法上の権利を行使した」ことに対する「さらなる報復」であると語った。
最後に、この事件はこれまでに見られない異例のもので、トランプ政権は大学キャンパスでの親パレスチナ・デモに対して取り締まりを強化していることを示唆した。特に移民学生は合法的でも、親パレスチナ派の活動家である場合、逮捕され強制送還される可能性があることを示唆している。ホワイトハウスは、カリルがハマスのテロリスト組織を支持する活動を行っていると主張したが、その証拠を提供していないという。また、犯罪者として告訴されていないが、「深刻な外交政策上の悪影響を及ぼす可能性がある」人々のグリーンカードまたはビザを取り消す権限がある国務長官マルコ・ルビオは、記者団に「これは言論の自由の問題ではない。そもそも米国に滞在する権利がない人々の問題だ。学生ビザを取得する権利を持つ人はいない。ちなみに、グリーンカードを取得する権利を持つ人はいない」と述べた。犯罪を犯した訳ではないマフムード・カリルに対する処置は、合法的移民が憲法修正第1条の自由を行使し、公然とパレスチナへの支持を表明した場合、逮捕される可能性があるかどうかの疑問を提起している。バイデン政権下では、コロンビア大学で行われたイスラエルとハマスの戦争に対する抗議活動で中心的人物が標的になることはなかった。約一年後に、トランプ政権下で同氏を逮捕するという多大な変化を示した。この違いは何かとの疑問も含めて、この事件は、米国で永住権を保持している他の合法的移民の権利について考える機会を与えている。