一部の富豪者が政府を支配する独裁制の一種である寡頭政治について、先任者が警告したような危険な状況が起きている。ドナルド・トランプ大統領は、彼の大統領令を次から次にブロックしている連邦判事に対して、米国議会で弾劾をするべきだと述べた。その後、米国最高裁の主席判事は、裁判官に対する弾劾は不適切であり、司法制度を通して行われるべきであるとの声明を公開した。その翌日、トランプ大統領の最高顧問であるイーロン・マスクは更に弾劾の主張をエスカレートし、弾劾を推進する集会などを考慮すると述べ、19日、判事らを弾劾することや、政府効率化局(DOGE)を奨励することを公的に表明した両院議会のメンバー7人に、公的記録が利用可能な法的範囲内の選挙資金を提供した。
彼らの名前はニューヨーク・タイムスが公開した。ほとんど無名の米国下院議会共和党議員6人と上院議会では最高齢者のチャック・グラスリー(91歳)を含む合計7人の共和党議員の選挙キャンペーンに一人当たり6,600ドルを贈与した。マスクからの寄付を受理した7人は、トランプの大統領令に基づく行動を最近ブロックした判事に対する弾劾を表明し、またはDOGEのほとんど違反の行動を支持した人々である。アイオワ州を代表する上院共和党議員グラスリーは、トランプ大統領が1798年の外国人敵国法を行使し、ベネズエラ人を国外送還した直後に、法的手続きが行われていないため違法であるとして、暫定差し止め命令を出したコロンビア特別区米国地方裁判所の首席判事ジェイムス・ボアズバーグを即時に批判した。米国下院議会の共和党議員6人の中には、次のような人物が含まれている。アリゾナ州のエリ・クレインは、マスクのDOGEチームによる財務省の支払いデータ・システムへのアクセスを一時的に制限したニューヨーク南部地区連邦地方裁判所のポール・エンゲルメイヤー判事に対する弾劾条項を提出した。テキサス州ブランドン・ギルは、ボアズバーグ判事対する弾劾条項を提出した。コロラド州のローレン・ボーバートは、ボアズバーグ判事に対する弾劾条項を支持すると述べていた為、マスクは自身が所持するXで、彼女を称賛した。テネシー州のアンディ・オグルズは憲法違反であるにも関わらず、トランプを三期目の大統領として立候補できるよう求める決議案を紹介した。しかし、議会共和党の大多数は、裁判官を弾劾する意欲はないと見られている。
マスクの裁判官に対する弾劾活動は、トランプ大統領の声を反映している可能性がある。裁判官に対する虚偽と憎悪に満ちたトランプの投稿が公開された翌日、米国最高裁のジョン・ロバーツ主席判事の声明は広範に注目された。これらの成り行きについて、主要メディアのジャーナリストらは、トランプが裁判所と議会を統一しようとしていると見ている。つまり、民主主義国である米国の政治は歴史的に三権分立でチェックとバランスを維持してきたが、ドナルド・トランプはそれを変えようとしていると言う。ニューヨーク・タイムスの著名な記者マギー・ハーバーマンを含む3人の記者は、「トランプは裁判所、議会、さらにはある意味では米国社会と文化に対する統制を強化しようとしている。大統領の権限を広範に解釈する姿勢は、2期目の決定的な特徴となっている。それは、政府を再編し、政策を新たな方向に導き、トランプとその支持者が根深いリベラル派とみなすものを根絶するために、行政権を主張する複数の方面にわたる積極的な取り組みである」と書いている。
ジョージタウン大学法律センターのスティーブン・ブラデック教授は 「大統領がこれほど包括的に他部門の権限を独占し、強化しようとするのを見たことがない。ましてや、就任後2カ月でそんなことをするとは…」と述べた。ホワイトハウス、議会の両院、米国最高裁で保守派が多数派を占めている現在、共和党議員らは「立法府の支出権限の一部をホワイトハウスに委譲し、議会が認可した機関が閉鎖(または縮小)されるのを傍観するなど、その中核的任務の一部をトランプに譲り渡した。大統領は、自身の政策に敢えて挑戦する数少ない共和党員の再選を阻止する『攻撃の先頭に立つ』と脅し、共和党はあらゆる場面で大統領の意向に従ってきた」という。
そして、トランプは「独立した牽制と均衡の手段を解体し、監察官を解雇し、報復キャンペーンを実行する意志のある忠実な支持者を司法省に据えた。彼は、政治上の敵とみなす人々とつながりのある民間の法律事務所を標的にし、以前は懐疑的または敵対的だったビジネス・リーダーを脅して公的支援を約束させ、採用慣行を指示しようとすることで民間部門にMAGAの刻印を刻み込んだ。自分のイメージで組織を作り変えようとする彼の努力は、政府と政策に限定されていない。トランプは、複数の機関の民主党関係者を次から次に解雇した。また、ワシントンのジョン・F・ケネディ舞台芸術センターの会長に就任するなど、芸術を通して影響力を広めようとした。しかし、トランプの最新の標的である司法府は、憲法学者や歴史家によって、おそらくこれまで最も憂慮すべき権力闘争であると評されている」と伝えている。
要するに、ホワイトハウスを乗っ取ったとされる富豪者イーロン・マスクは、米国最高裁主席判事の警告を完全に無視し、このような行為に及んだ。彼は平然と金力がものを言うという態度を露骨に示した。米国最高裁に対して、これほど傲慢な態度を示す選出されていない個人が大統領の裏の声を代表して動いていると見られている影響力のある人物を見たことがない。加えて、多数派である両院議会の共和党議員らは、大統領令を通して、成分化された憲法および法律に次から次に挑戦しているトランプの行動に歯止めをかける動きはない。これは、トランプが共和党多数派である米国議会と米国最高裁でさえ支配しようとしている独裁的な寡頭政治台頭の危機を浮き彫りにしている。ジョー・バイデン大統領は任期が終わる前の1月15日に、国民に向けた告別演説で、寡頭政治の台頭とハイテク産業複合体の危険性を警告したが、その警告が的中している状況を見ている。
タイムスの3人の記者が指摘している三権分立の機能を解体しようとする動きは、ホワイトハウスに入った富豪者が法律を無視して、独裁的な形で、次から次に解体または削除を容赦無く行っている。そして、目立たない分野での別の危険な動きは、性転換した人々、女性、黒人および多様人種DEI(多様性、平等性、包括性)に関連する歴史、写真、記事、科学的データなど全て貴重な記録はホワイトハウスおよび関連省のウェッブ・サイトから消えたことも含まれる。また、ドナルド・トランプ大統領は11日、テスラの所有者で彼の顧問あるイーロン・マスクに対する明らかな感謝の表明として、ホワイトハウスの南庭にテスラのショールームを一時的に設置し、新車5台の電気自動車が展示された中で、トランプが赤い車の運転席に座る様子がビデオで紹介された。マスクとトランプの関係は最初から憲法違反の利益相反が潜在的にあることを指摘されたが、公職者が、特定のビジネスを促進することは倫理違反であるとされるその実例が注目された。