トランプ政権は、ビザやグリーンカードを保持する合法的移民もターゲットにしているという複数のケースが報告されている。不法移民と犯罪容疑のある移民に限らず、合法的移民や観光者も拘束される危険性が懸念されているため、最近、驚異的な変化が見られるという。
ニューヨーク・タイムスの21日の報告によると、米国の国境警備当局は、米国への入国港での審査を強化する新たな戦術を駆使しており、トランプ政権は、ドイツなどの米国同盟国は渡航勧告を更新するよう要求している。同時に、「国家安全保障を脅かし、外交政策を弱める」など、米国に対する批判を表明する合法移民を標的にしているという。これは「外国人観光客を不安にさせ、米国の移民コミュニティに衝撃」を与えているという。移民の地域社会は、「法律違反ではなく言論が標的にされている」と述べている。元税関国境警備局長官で4都市の元警察署長のギル・カーリコウスキーは、トランプの第一期の反移民政策を振り返り、「言論や批判であれ、グリーンカードであれ、彼らはそれをまったく新しいレベルに引き上げています。これはステロイドを投与されたデジャブ(現在の状況を過去に経験したかのように感じる現象)の再来です」と述べた。
合法的な滞在者が逮捕されるケースは、トランプ政権の政策に適合しない人々が強制送還される可能性があるという。最近の例は、コロンビア大学の学生が、親パレスチナ派の抗議活動を組織化したとして、逮捕された。今月初め、トランプ政権の移民関税執行局(ICE)の職員は、コロンビア大学を最近卒業したグリーンカード保持者のマフムード・カリルを3月8日に拘束し、国外追放すると脅した。パレスチナ系であるカリルは昨年コロンビア大学で学生抗議運動を主導したとして、テロ活動の容疑で国家安全保障上の脅威があるとして告発されたことはご承知の通りである。合法的な滞在者であるとして、グリーンカードを提示したが、彼のグリーンカードもキャンセルされたという。
今週初めに、ICEの職員は、バージニア州の自宅前でジョージタウン大学の学者を逮捕した。今日20日、バージニア州アレクサンドリアの連邦地方裁判所判事パトリシア・ジャイルズは、拘留されたジョージタウン大学の教授および博士研究員の入国管理当局による国外追放を差し止めた。同判事は、インド国籍のバダル・カーン・スリは「裁判所がこの拘束に反対する命令を出すまで」米国から追放されることはないと述べた。同日の判決は、この学者が妻と3人の幼い子供達が住んでいるバージニア州ロスリンの自宅に戻ることを可能にする釈放までには至らなかった。スリの弁護士は依然として釈放に向けて動いているという。
そして、今月13日にICE当局は、南の国境から合法的に入国したドイツ人観光客2人を数週間拘留した。米国に合法的に入国したジェシカ・ブロシェは46日間拘留され、ルーカス・シーラフは16日間拘留された。ドイツを含むほとんどのヨーロッパ諸国および日本や韓国などからの観光客は、最長90日間、米国へのビザなしで旅行することが可能である。しかし、シーラフとブロシェは、サンディエゴとティファナの間のサンイシドロ国境検問所で別々に呼び止められ、入国を拒否されたと告げられ、混雑した拘置所に送られたという。入国管理局職員による「手荒な扱い」が報告された後、ヨーロッパからの旅行者も安心して米国に旅行することは危険であることを示唆し、「ホワイトハウスの移民政策がヨーロッパからの旅行者にとって何を意味するかを示す兆候である」とニューヨー・タイムスが伝えた。
最後に、米国の移民政策は、トランプ政権が可能な限り政府縮小を試みている中で、人員および経費を劇的に削減するために、法的手続きの省略も含め、様々な制限を行っているため、ICEの移民に対する措置は益々辛辣になっているという。永住権を保持する合法的移民であっても、突然どのような事態に遭遇するかわからない状況になっている。移民および移民法を専門とするハーマン法律グループは、最近「米国のビザおよびグリーンカード保持者が拘束、尋問、国外追放されたと報告するケースが増えている」と述べている。これは「トランプ大統領政権下での移民取り締まりの強化と同時期に発生しており、これらの措置が日常的な取り締まりを反映しているのか、それとも恣意的な拘束と国外追放へのより広範な移行を反映しているのかについて懸念が生じている」と述べている。そして、グリーンカード保持者が米国の入国港で拘束されることについて知っておくべきこと、米国に再入国する際の権利とリスク、グリーンカード保持者が拘束される理由、拘束された場合の対処方法、グリーンカード保持者が空港やその他の入国港で拘留される可能性がある理由、旅行前に法的地位を保護する方法、その他多数の重要な情報を提供している。