ジミー・キメルはなぜ番組に復帰できたか?

約一週間のブランクがあった後、ABCの司会者であるジミー・キメル(左)は、23日夜彼の番組に復帰した。基本的に言論の自由は誰も弾圧できないことを示唆したが、連邦通信委員会(FCC)の努力は終わっていない。番組がキャンセルされた後の昨夜の最初のショーで、立ち上がって激しい拍手、歓声、笑いによる活気に溢れた群衆は、興奮した雰囲気の中で、ジミーの復帰を歓迎した。最初のモノローグでキメルは言論の自由の重要性を強調し、FCCを批判した。ジミー・キメル復帰後の最初のゲストは、現在リベラルな政治活動家であり、長年有名な男優として、ショーに参加した群衆からの笑いの旋風を起こした。ジミー・キメルは彼の番組に復帰したが、引き続き、特にリベラル系のメディアはFCCの標的になる可能性がある。

ジミー・キメルは最初の約20分間のモノローグ(独り言)で、「この番組は重要ではありません。重要なのは、このような番組を放送できる国に住んでいることです」と言うと、聴衆から大きな拍手があった。彼は更に、言論の自由は当然のものだと思っていたので、自分が話した事が原因で、突然キャンセルに遭遇するとは思っていなかったと示唆した。更に、知性とユーモアで、恐らく、ジミー・キメル・ライブ(Jimmy Kimmel Live!)の司会者キメル以上に知名度が高く人気のある同業界で経験の長いスティーブン・コルベア(中央)のCBSの政治風刺番組( The Late Show)も来年5月に停止になることに言及し、「友人のスティーブンが放送から外されました」と語り、番組の放送を中止するよう強要することは「違法であり、非アメリカ的であり、非常に危険です」と語った。彼の23日夜のゲストは、有名な俳優で、昨年後半にニューヨークの裁判所の外側でスピーチを行っていたリベラルな政治活動家ロバート・デニーロであった。彼は、連邦通信委員会(FCC)の委員長ブレンダン・カーが辞職または解雇され、カーの後継者として、トランプ大統領に任命されたとのパロディを演じた。

ABCテレビ局はウォルト・ディズニーが所有している。同社は17日に、Jimmy Kimmel Live!の放送中止を発表した時、彼の発言は、保守派で政治的影響力のあったチャーリー・カークの死を悲しみながら喪中時であったため、タイミングが悪かったと述べていた。つまり、保守派で政治的影響力のあったカークの殺害に対して、一部「無神経な発言」があったとされる中で、言論の自由と企業責任に関する二つの重要な課題を浮き彫りにした。企業は貴重な職員を一方的に解雇することより、話し合いが非常に重要であることを示唆した。多数のメディアが22日にキメルの復帰を発表したことは驚きであった。ABCの所有者であるウォルト・ディズニー・カンパニーとキメルとの間で、真剣な話し合いを行った後、2025年9月23日(火)に彼の深夜番組を再開する決定に至り、番組に復帰することができた。ジミー・キメルは、非常に多数のファンを抱え、コルベアおよびキメルの番組は、非常に視聴率が高い為、番組を永遠に停止することは経済的にもマイナスであることは明らかであった。ABCが番組打ち切りの決定をした後に、ウォルト・ディズニーの株価は数十億ドル下落したことも別の理由であると思われる。

一方、FCCの委員長ブレンダン・カーは、引き続き言論の自由を制限する戦いを続けると述べている。彼は15日のジミー・キメルの発言に反応し、ポッドキャストに出演した際、「考え得る最も悪質な行為の一つ」と呼び、ディズニーの放送免許が危険にさらされる可能性を示唆した。それから約1週間後に混んだ群衆の前に立ったキメルは、昨夜エモーショナルであり、彼の発言の真意は誤解されたとし、カーのようなトランプ政権のFCCの役人から全く逆の悪意の解釈をされたと示唆した。更に、彼は「政治的には全く意見が一致しないものの、私が愛し、親しい友人や家族が反対側に多数います」と語り、政治的イデオロギーが異なる多くの人々との交流があることを強調した。

キメルは昨夜、自分の番組に復帰したが、メディア、テレビ、ジャーナリズムは引き続き言論の制限または抑圧に直面する危険性があることに注意を払う必要がある。FCCの現職および元職員10人へのインタビューを実施したニューヨーク・タイムスが24日に伝えたところによると、ブレンダン・カーは、保守系ラジオ・トーク番組やFOXニュースに出演し、自らの行動を弁護した。彼は「地方放送局は偏向した番組にうんざりしていた視聴者にようやく応えている」と述べた。ABCの昼間のトーク番組The View(ザ・ビュー)の政治的内容をめぐり、FCCが調査を行うべきだと提言した。さらに、地方テレビ局が意見の合わない番組を拒否できるよう、FCCの取り組みを継続していく考えを示した。ABCに関するカーの発言は、その後緩和したが、総体的なメッセージは変わらない。カーは22日の会議で「現状を歪曲するキャンペーンを展開している民主党員は大勢いる。彼らはFCCの活動と我々のこれまでの取り組みを完全に歪曲している。もし国民が不満を抱いているなら、議会に訴えて法律を変えることもできる」と述べた。FCCは、放送テレビが公共の利益にかなうようにするという議会の責務を継続すると述べた。同氏は「リベラルなテクノロジー企業やメディア企業が右派の意見を不当に封じ込めているという信念に突き動かされた」人物であると言う。カーは、これまで目立たない機関であったFCCを「保守的な言論の擁護者へと変貌させようと尽力し、テレビで放映される番組を審査することも含めて、FCCの権限拡大」に取り組んでいると言う。

最後に、ジミー・キメル(1967年11月13日誕生)は、ニューヨーク市ブルックリンで生まれ、アメリカン・エキスプレスの職員およびIBMの幹部でもあったジェイムス・ジョン・キメルの長男である。アメリカのテレビ司会者兼コメディアンであり、ジミー・キメル・ライブ!の司会兼エグゼクティブ・プロデューサーである。彼はアカデミー賞の司会を2017年から2024年までに4回務めている。彼は1980年台の中頃に、アリゾナ州立大学に入学したが、退学し、2013年にネバダ州立大学ラスベガス校から名誉学位の学生として卒業した。元俳優で、2001年9月11日の同時多発テロ攻撃での緊急救援を行い有毒な瓦礫への曝露により重篤な疾患を発症した人々に、健康補償や、治療、そして金銭的補償を提供するため議会に法案の制定を求め、長年粘り強い努力をし、政治風刺番組(The Daily Show)のホストであるジョン・ステュワート(左)、およびニュース風刺家のスティーブン・コルベア(コメディアン、作家、プロデューサー、政治評論家、俳優、テレビ司会者)などがキメルの先輩である。彼らのショーは、退屈な政治を非常に賢い風刺とユーモアで笑いに導くことから爆発的な人気を維持している。

長年、彼らは言論の自由の圧力に直面したことはなかったが、2025年1月から米国の政治的環境は著しく変化している。弁護士であり、2017年8月に第一期目のトランプ政権下でFCCの委員長として任命され、プロジェクト2025に関与したブレンダン・カーのような極右傾向の個人がFCCの委員長であるため、政敵の言論の自由を抑制する彼の標的になる可能性があるのは、このような有能なコメディアンである。彼らは低級で攻撃的な発言を避け、スキャンダルを含む論争的な政治家に対して、風刺的又は比喩的なモノローグを提供し、番組中、飽きることがないほど優れた表現で群衆を魅了するため、中産階級の人々の間で安定した人気を維持している。キメルの番組が一時的に停止された時、「言論の自由」のサインを掲げた抗議者らが立ち上がったように、今後も民主主義の基盤の崩壊を防ぐため、米国の有権者はプロテストを通しての戦いを止めることはないと思われる。

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