DNAの影響による癌は食の質と関連性があるか?

Photo credit : The Great Greek Mediterranean Foods

アルバート・アインシュタインは1954年に、「菜食主義への移行ほど、人間の健康に恩恵をもたらし、地球上の生命の生存可能性を高めるものはないでしょう」と述べた。早すぎる年齢で家族の誰かを癌で失った時、一般的にその家族の一部は、遺伝子の影響を恐れて、ダイエット、運動、その他のライフスタイルを変える努力をしているかもしれない。寿命を延ばす努力において、ある時からベジテリアンと呼ばれるようになった野菜食のみに変わり、長年完全に野菜と果物だけの食事を続けている人は一般的に女性が多いと言われている。栄養健康の専門家は、圧倒的に植物性の食事の利点を強調しているものの、近年の結論では、完全な植物のみのダイエットは理想的なバランスに欠けたものであるとしている。

罹患率、死亡率、疾病、および寿命はどちらも食事の質と関連している。1990年から2017年に195か国を対象に、食事リスクの健康への影響を調査した包括的な「世界疾病負担報告書」を引用したAmerican College of Lifestyle Medicineの記事によると、慢性疾患の主要な世界的リスク要因は、果物、野菜、全粒穀物の摂取量が少ないこと、一方、赤肉や加工肉の摂取量が多いことである。2017年には現在、慢性疾患の主な世界的な危険因子の一つである野菜や全粒穀物の摂取不足、赤身肉や加工肉の過剰摂取で2017年には1,100万人が死亡した。ナトリウムの過剰摂取では300万人が死亡し、全粒穀物の摂取不足では300万人が死亡、果物の摂取不足では200万人が死亡した。世界疾病負担研究は、研究参加者のサイズが非常に大きく、長年の追跡期間を必要とするため、総死亡率を結果とする栄養研究が少ないことから非常に重要であるとされている。

一方、完全に植物性の食事だけが必ずしも絶対的に健康的で寿命を延ばすとは言えない研究もある。野菜や果物だけの食事の効果は、短期的であり、長期的な食事はバランスの良い食品を摂ることが重要であり、それは地中海食であると述べている。例えば、Medical News Todayに掲載されたジル・セラディ=シュルマン博士によって検証され、2024年7月29日に掲載された管理栄養の専門家であるケルシー・コスタの記事によると、「完全菜食主義の植物性食品中心の食事は、食物繊維、抗酸化物質、植物性化合物が豊富で、腸内環境を整え、炎症を抑え、健康的な代謝プロセスを促進する。最近の一卵性双生児を対象とした研究では、短期間でも健康的な野菜食を実践することで、生物学的年齢の推定値が低下する可能性が示唆されている。 野菜食は短期的には体の生物学的時計に良い影響を与えるかもしれないが、専門家は長期的な健康のためには、地中海式ダイエットのようなバランスの取れた食事法を推奨している。

 最近の研究では、8週間の野菜食と雑食の食事を比較し、生物学的年齢の推定値への影響を調査した。生物学的年齢は、全体的な健康状態や心臓病およびアルツハイマー病などの加齢関連疾患のリスクを測る指標である。研究者らは、DNAメチル化レベルを測定することで生物学的年齢を推定した。DNAメチル化とは、DNA配列自体を変化させることなく遺伝子発現に影響を与える化学的な変化である。これまでの研究では、DNAメチル化レベルが高いほど加齢が進んでいることが示されている。 21組の一卵性双生児を対象としたこの食事介入実験では、野菜食を取り入れることで、比較的短期間で生物学的年齢の推定値が大幅に低下する可能性が示唆された。これらの結果は、植物性食品中心の食事が抗加齢効果をもたらす可能性を示唆するこれまでの研究結果と一致している。しかし、研究の主な著者と外部の専門家は、研究参加者数が少なく、研究期間が限られているため、これらの結果の解釈には注意が必要であると述べている。

 BMC Medicineに掲載されたこの研究結果は、食事やライフ・スタイルの選択が遺伝子レベルで健康にどのように影響するかについて、より深く探求することを促している。スタンフォード大学の研究主任、著者およびスタンフォード予防研究センター、栄養学およびエピジェネティクス(遺伝子発現によって引き起こされる生物の変化を研究する分野)の講師であるルシア・アロニカ博士は「植物性食品と動物性食品の両方を含む地中海食のような他の食事療法も、エピジェネティック老化を効果的に逆転させることが示されている。有益な植物化学物質は豊富な植物性食品と、ビタミンB12やコリン (一部の食品に自然に含まれている必須栄養素)などの必須栄養素を提供する動物性食品は、私たちのエピゲノム(DNAに付着する化学マーカーとタンパク質の集合体)をサポートする上で重要な役割を果たす。最終的に、多くの食事療法は、ホールフード(果物、野菜、ナッツ、全粒穀物など最も自然で加工されていない状態の食品)、多様性、そして個々の需要に焦点を当てた食事はエピジェネティックな健康を向上させることができます」と述べている。

がんの遺伝子を持っている人にとって、脂肪や肉類の摂取を完全に停止し、野菜や果物のみに限定した場合の医学研究は何を示唆しているだろうか?多くの研究は、「果物や野菜を多く食べることで特定の癌の発症リスクを減らせる可能性を示唆しており、菜食主義者は非菜食主義者よりもがんの発症率が低いという証拠もある。しかし、その差はそれほど大きくはない。菜食主義の食生活は、推奨される1日5食分の果物と野菜を摂取しやすくするかもしれないが、純粋な菜食主義食が、魚や鶏肉を含む植物性食品中心の食事よりも必ずしも優れているとは限りません」とハーバード・ヘルスの医師らは述べている。

最後に、長寿や幾つかの慢性疾患のリスク軽減に関連していることが判明している地中海料理が最も健康なバランスの摂れた食事であることは繰り返し強調されている。地中海食と老化の関連性は既に研究結果が知られており、米国心臓協会も地中海料理を奨励している。地中海料理は一般的に、果物、野菜、豆類、穀物、魚介類、オリーブオイル、ハーブ類を豊富に摂取し、乳製品、卵、ワインは適量にとどめ、陸動物性の肉はほとんど含まれていない。アルバート・アインシュタイン(1879年3月14日〜1955年4月18日)は栄養学者ではなく、現在ほど栄養医学が発達していない時代にノーベル賞を受賞したドイツ生まれの物理学者であったことから、菜食主義を強調したことは、ある程度、確信的な彼の個人的意見であると思われる。

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