
Photo credit : iStock
日常の食生活およびサプリメントの利用において、ビタミンB6は我々が何気なく摂取している重要な栄養素の一つである。これまでの研究は、ビタミンB6が体内で果たす役割、ビタミンB6の欠乏は死亡率の高さと関連性があること、ビタミンB12との併用は、心血管疾患や脳卒中のリスク、あるいはその重症度を低減させる効果はないことを発見している。ビタミンB6の欠乏率は低いが、近年、多くの人々はサプリメントを利用しているため、むしろ過剰摂取の問題やビタミンB6の薬物相互作用なども考慮する必要がある。
ビタミンB6が体内で果たす役割:ハーバード・ヘルスが3月12日に掲載した記事によると、ビタミンB6は、体内での100種類以上の酵素反応において重要な役割を果たしている。このビタミンは、筋肉の形成やエネルギー供給、その他多くの不可欠な生理機能の維持を担うタンパク質、炭水化物、および脂質の分解を助ける働きがある。また、ビタミンB6は免疫系を正常に機能させ、セロトニンやドーパミンを含む、脳内の重要な情報(神経)伝達物質を生成する。更に 赤血球内で酸素を運搬する役割を担うタンパク質、ヘモグロビンを生成する。
ビタミンB6の欠乏:学術誌Nutrientsに掲載されたある研究を引用したハーバード・ヘルスによると、ビタミンB6の生物学的活性型(ピリドキサール5-リン酸)の血中濃度に基づいた分析の結果、アメリカ人の約13%はビタミンB6が欠乏している可能性があると言う。研究者らは、ビタミンB6のレベルが不十分、あるいは欠乏している人々において、死亡率がやや高くなる傾向が見られると指摘している。しかし、このような人々は、相対的に食生活の質が低い傾向にある可能性があるため、ビタミンB6の不足のみがその原因であると単に結論付けることはできない。
ビタミンB6と他のB群との併用に関する研究:米国で著名なメイヨー・クリニックの2025年8月13日の解説によると、特定の疾患に対するビタミンB6の使用に関する研究では、以下の重要点が示されている。研究者たちは以前、ビタミンB6をビタミンB9(葉酸)およびビタミンB12と併用することで、血液中のアミノ酸(ホモシステイン)の濃度を低下させ、心血管疾患を予防できる可能性があるとされていた。しかし、その後の研究では、これらビタミンの併用は、心血管疾患や脳卒中のリスク、あるいはその重症度を低減させる効果はないことを示唆している。
ビタミンB6の効力:ビタミンB6は、妊娠中のつわりの症状を軽減する可能性がある。吐き気や嘔吐が続く場合には、担当の産科医や医療従事者がビタミンB6のサプリメントを処方することがある。ビタミンB6が月経前症候群(PMS)の症状を軽減する可能性があるという一定の根拠は存在する。しかし、これらの研究は質が低いものとみなされている。ビタミンB6は、遺伝性の貧血である鉄芽球性貧血に対する治療では有効と評価されている。
ビタミンB-6を多く含む食品:ビタミンB-6(ピリドキシン)は、脳の正常な発達や、神経系および免疫系の健康維持にとって重要な栄養素である。鶏肉などの家禽類、魚類、ジャガイモ、ひよこ豆、バナナ、栄養強化シリアルなどがある。また、ビタミンB-6はサプリメントとして摂取することも可能である。一般的にはカプセル、錠剤、あるいは液状など複数の形態が利用されている。
ビタミンB6サプリメントの安全性:メイヨー・クリニックによると、食品からのビタミンB6の過剰摂取は安全であると考えられている。サプリメントとして適切な量を摂取する場合、ビタミンB6は概ね安全であると言う。しかし、サプリメントからビタミンB6を過剰に摂取すると、以下の症状を引き起こす可能性がある。(1) 筋力のコントロールや随意運動の協調性が失われる(運動失調)、(2)痛みを伴う、(3)外観を損なうような皮膚病変、(4) 胸焼けや吐き気、(5) 日光に対する過敏症(光線過敏症)、(6)しびれや痛み、(7)極端な温度を感じる能力の低下などが挙げられる。
ビタミンB6の薬物相互作用:更に、何らかの薬品を服用している個人はビタミンB6薬物相互作用を起こす場合もある。(1)アルトレタミン抗がん剤とビタミンB6を併用すると、薬剤の効果が低下する可能性がある。(2)シスプラチン抗がん剤とビタミンB6を併用する場合には注意が必要である。(3)中枢神経抑制作用があるバルビツール酸系薬剤をビタミンB6と併用すると、薬剤の作用持続時間や強さが低下する可能性がある。(4)ホスフェニトインおよびフェニトインなどの抗てんかん薬では、ビタミンB6を併用すると、薬剤の作用持続時間や強さが低下する可能性がある。(5)レボドパはパーキンソン病の治療に用いられる薬剤であり、ビタミンB6の併用は薬剤の効果を低下させる可能性があるため避ける必要がある。
最後に、食品から摂取するビタミンB6の過剰摂取は、比較的に安全とされている。ビタミンB群(B1、B2、 B3、 B5、 B6、 B7、B9、 B12)およびCは水溶性ビタミンと呼ばれている。これらは、水に溶けやすいため、体内に大量に蓄積されることはなく、過剰分は尿として体外へ排出されるため、毎日摂取する必要がある。ビタミンB6は果物、野菜、および穀類などの多くの食品に含まれているため、研究が示すように、ビタミンB6の欠乏率は非常に低い。ビタミンB6の6の数字は、6種類の化合物が含まれていることを意味する総称である。米国では人口の約50%がビタミンのサプリメントを摂取していると言われている。それらの多くは、一日の摂取推奨量(RDA)の基準を上回るビタミンB6が多く含まれている可能性もあるため、サプリメントを利用している個人は過剰摂取にならないよう、時には自身の摂取量を点検する必要がある。以下は当ブログが調査した性別および年齢別によるビタミンB6のRDAである。以下の基準は米国国立衛生研究所のデータに基づいている。
| 性別 | 年齢 | RDA |
| 1 〜 3歳 | 0.5 mg | |
| 4 〜 8歳 | 0.6 mg | |
| 男性 | 9 〜 13歳 | 1.0 mg |
| 男性 | 14 〜18歳 | 1.3 mg |
| 女性 | 9 〜 13歳 | 1.0 mg |
| 女性 | 14 〜18歳 | 1.2 mg |
| 男性 | 19 〜 30歳 | 1.1 mg – 1.3 mg |
| 男性 | 31 〜 50歳 | 1.1 mg – 1.3 mg |
| 女性 | 19 〜 30歳 | 1.1 mg – 1.3 mg |
| 女性 | 31 〜 50歳 | 1.1 mg – 1.3 mg |
| 男性 | 51 〜 70歳 | 1.4 mg |
| 男性 | 70歳以上 | 1.4 mg |
| 女性 | 51 〜 70歳 | 1.3 mg |
| 女性 | 70歳以上 | 1.3 mg |