
Photo credit : Consulting Cardiologists
アメリカ人の48%は、脳卒中、心臓発作、腎不全のリスクを高める要因となる高血圧を抱えている。ダッシュ・ダイエットは1990年代初頭に科学者たちにより開発された高血圧対策のための健康的なダイエット方法である。これは、大規模な臨床試験において、その有効性が科学的に証明されたものであり、美味しい食事を摂りながら、血圧を下げることを目的にしたものである。この食事を持続する場合、血圧の著しい低下が見られ、降圧剤の役目を果たすほどの効果があるとされている。
ダッシュ・ダイエットの特徴と健康上の利点
2026年6月24日に掲載されたハーバード・ヘルスによると、ダッシュ(Dash)・ダイエットの最も良い側面は、幅広い選択肢の中から食品を選ぶことが可能であり、その多くは手頃な価格で簡単に入手できるものであり、特定の主要な食品群を完全に排除する必要がないことである。加えて、健康的な食事法であり、手軽で柔軟性に富み、何より美味しい食生活を楽しむことができることである。地中海式ダイエットと並んで、健康的な食事法の上位にランキングされている。ハーバード公衆衛生大学院で栄養学の准教授を務めるディアドラ・トビアス氏は「多くのダイエット法は、継続が難しいために挫折してしまいがちです。一方、ダッシュ・ダイエットは非常に柔軟で制限も厳しくないため、長期的に続けやすいと考えられます」と述べている。このダイエットの利点は「血圧改善だけにとどまらない。近年の研究ではダッシュ・ダイエットのアプローチが心臓病、脳卒中、心不全の発症リスクを低下させるだけでなく、2型糖尿病、大腸がん、認知機能低下のリスク低減にも関連している」ことが示唆されている。また、「体重管理がしやすくなった」との感想が提起されている「研究結果もある」という。
ダッシュ・ダイエットの原則
ダッシュ食は、「血圧管理において複数の重要な要因に同時に働きかける多角的なアプローチ」をとっている。(1)塩分(ナトリウム)の食事を制限する。ナトリウム摂取量を減らすと、血液中の水分量が減少し、血管壁にかかる圧力を抑えるのに効果的である。標準的なダッシュ食の計画では、ナトリウム摂取量を1日2,300ミリグラム(mg)以下(小さじ1杯の食塩に含まれる量に相当)に抑える必要がある。また、もっと塩分を控えるタイプでは、1,500mgを上限としている。多くのアメリカ人は1日に約3,300mgを摂取している。(2)カリウムやマグネシウムが自然に多く含まれている 果物や野菜を豊富に摂取する。(3)低脂肪の乳製品を毎日摂取する。これらはカルシウムを供給し、血管の健康維持に役立つ。(4) アルコールを制限する。適量を超えて飲酒すると血圧が上昇する可能性がある。米国心臓協会(AHA)による最新のガイドラインでは、飲酒量は男性で1日2杯まで、女性で1日1杯までに制限するよう推奨されている。
ダッシュ食で摂取すべき食品
ダッシュ食のガイドラインでは、果物や野菜、全粒穀物、脂肪分の少ないタンパク質源、低脂肪乳製品を十分に摂ること、良質な脂肪分を適量摂ることが推奨されている。果物や野菜を豊富に摂る。これらにはカリウムやマグネシウムが自然に多く含まれている。これら2つのミネラルは、血管を弛緩させ、ナトリウムによる血圧上昇作用を打ち消す働きがある。低脂肪の乳製品を毎日摂取する。これらはカルシウムを供給し、血管の健康維持にも役立つ。
ダッシュ食で摂取を控えるべき食品
赤身肉や加工肉、脂肪分の多い乳製品、熱帯産植物油(ココナッツ・オイルやパーム油など) 砂糖を含む飲料やアルコールは控えめにする必要がある。適量を超えて飲酒すると血圧が上昇する可能性がある。米国心臓協会(AHA)の最新のガイドラインでは、飲酒量は1日あたり、男性の場合2杯まで、女性は1杯までとすることが推奨されている。
以下は、1日2,000カロリーの食事における1日および1週間あたりの推奨摂取量の内訳である。
| 食品群 | 推奨摂取量 | 1食分の目安 |
| 穀類(主に全粒穀物) | 1日6~8サービング | 食パン1枚、シリアル1オンス(約28g)、調理済み穀類またはパスタ:1/2カップ |
| 野菜 | 1日4~5サービング | 生の葉物野菜:1カップ、調理済み野菜:1/2カップ |
| 果物 | 1日4~5サービング | 中サイズの果物1個または生の果物・冷凍果物・缶詰の果物:1/2カップ |
| 低脂肪または無脂肪の乳製品またはカルシウムを強化した乳製品以外の代替品 | 1日当たり2~3サービング | 牛乳またはヨーグルト:1カップ、チーズ:1.5オンス(約42g) |
| 肉類、家禽肉、魚、卵、豆腐 | 1日当たり2サービング | 調理済みの赤身肉・家禽肉・魚:3オンス(約85g)、卵:1個、豆腐:4オンス(約115g) |
| 油脂類 | 1日当たり2~3サービング | 植物油 :小さじ1杯、マヨネーズ :大さじ1杯 |
| ナッツ、種実類、豆類 | 週に4~5サービング | ナッツ :1.5オンス:(約42g)、種実類又はナッツバター :大さじ2、調理済み豆類: 1/2カップ |
| 菓子類および添加糖類 | 週に5サービング以下 | 砂糖・シロップ・蜂蜜:大さじ1杯、シャーベット:1/2カップ |
要するに、ダッシュ・ダイエットは脂肪、塩分及び糖分を大幅に減少させることが強調されているようである。加工肉のベーコン、ハム・ソーセージ、ホットドッグ、缶詰のスープ、塩味のついたポテトチップス、ナッツ類、牛肉、豚肉、羊肉など、脂身の多い肉、脂肪分の多い全乳、バター、生クリーム、砂糖を多く含む炭酸飲料、添加糖が含まれるキャンディ、ケーキ、焼き菓子などはかなり制限する必要がある。しかし、これらは一般的なガイドラインと同様である。日々の基本食品は低脂肪の乳製品、魚、鶏肉、豆類、ナッツ類、植物油、野菜、果物、全粒穀物を基本としており、タンパク質、カルシウムその他の栄養素が豊富に含まれている。肉類であれば、一般的に飽和脂肪酸の少ない魚や鶏肉、多種の豆類やナッツ類などが奨励されている。塩分の多い食品や糖分の多い菓子類は大幅に制限されているので、スナックにはシーズンの果物一個に加えて、脂肪と糖分の少ないヨーグルトなどを代用することを示唆している。血圧の高い傾向にある個人は試す価値があると思われる。