複数の学者はどのように反応している?

                                                                                                

How Trump Has Pocketed $ 1,408,500,000

ニューヨーク・タイムス編集委員会  January 20, 2026

ニューヨーク・タイムスの編集委員会が今年1月20日に公開したこの記事はトランプ大統領が、2025年1月20日に大統領に就任して以来、過去一年間で、最低限 $1,408,500,000を懐に入れたと伝えている。この特集記事は、トランプ氏がいかにして、この巨額のお金を彼個人および家族のために取得したかを説明している。この報告から約半年後の6月初旬でさえ、複数の学者は、この驚くべき状況に初めて公的にコメントを提供した。

この記事は「1年前、ドナルド・トランプはアメリカ国民に奉仕することを誓いました(took an oath)。しかし実際には、大統領という地位を自らの私腹を肥やすために利用することに専念してきました」と言う見出しで始まっている。「トランプ大統領は、これまで一度たりとも『国のために何ができるか』を問うような人物ではありませんでした。1期目と同様に2期目においても、彼はむしろ、『国が自分に何をしてくれるか』というその限界を試そうとしています。 彼は大統領職を私物化するにことに(into the exploitation of the presidency)そのエネルギーと創意工夫を注いできました。つまり、政府の権力を自らの利益にかなうよう動かそうと期待する人々や企業、そして諸外国が、一体どれほどの資金を彼の懐に注ぎ込もう(put into his pockets)とするのかを見極めることに腐心してきたのです。 報道機関の分析(analyses from news organizations)に基づいた本紙編集委員会の調査によれば、トランプ氏は大統領職を利用して少なくとも14億ドルを稼ぎました。一部の利益は公にされていない(hidden from public view)ため、この数字は実際よりも過小なものであると理解しています。」

しかも、その額は今も増え続けています。トランプ氏とその一族は、再選以降、 同氏の名前を海外でライセンス供与することによって、 少なくとも2,300万ドルを稼いでいます。オマーンのホテル、インド西部のオフィスビル、サウジアラビア・リヤド郊外のゴルフ場など、これらはトランプ組織が手掛ける20以上の海外プロジェクトのほんの一部であり、その多くは外国政府との協力を必要とする(often requiring cooperation with foreign governments)ものです。ロイター通信によると、こうした取引はトランプ氏の一族に巨額の利益をもたらしてきました。トランプ政権は、それらの国に対して好意的な対応をとることもありました。例えば、ハノイ郊外でトランプ組織による15億ドル規模のゴルフ複合施設の建設が始まった約1ヶ月後、政権はベトナムに対して発動を示唆していた関税の引き下げに合意しました。ベトナム当局は、このプロジェクトを迅速に進める(fast-track the project)ために自国の法規定を無視する対応をしていました。

トランプ氏の一族は、メラニア・トランプ氏に関するドキュメンタリー制作をめぐり、アマゾンから2,800万ドルを受理しました。WSJ紙によると、アマゾンが「メラニア」の権利に対して支払った金額は、次点の入札額を大幅に上回る(next highest bidder)ものであり、同社が過去に同様のプロジェクトに支払った金額と比べても桁外れに高いものでした。アマゾンの会長であり世界有数の富豪であるジェフ・ベゾス氏には、独占禁止法規制への対応、アマゾンが受注する国防関連契約、そして自身の宇宙開発企業が請け負う連邦政府との契約など、トランプ政権の機嫌を取るべき理由は数多く(many reasons to curry favor with the administration)あります。さらに、大手テクノロジー企業やメディア企業は、トランプ氏の再選以降、同氏に対して和解金として9,050万ドルを支払いました。和解金を支払った企業には、X、ABCニュース、メタ、ユーチューブ、パラマウントなどが含まれます。いずれの和解も、法的な正当性や理論に基づいたものではありません。例えばパラマウントは、カマラ・ハリス氏の2024年のインタビュー映像を「欺瞞的に編集した」とするトランプ氏の主張を受け入れ、同氏に1,600万ドルを支払うことに合意しました。しかし、その編集作業はジャーナリズムの通常のプロセスの一環に過ぎないものでした。そのわずか3週間後、連邦通信委員会(FCC)は、同社とスカイダンスとの80億ドル規模の合併を承認しました。

カタールはトランプ氏に4億ドルのジェット機を供与しました。 同氏は大統領在任中、この機体を『エアフォース・ワン』として使用し、 退任後も自身のものとして大統領図書館に移管する意向(expects to transfer the plane to his presidential library)を示しています。トランプ氏は、この贈り物がカタールに対する自身の対応に影響を与える(the gift would influence his treatment of Qatar)ことを認めているようでした。カタール側から航空機の提供が申し出られた直後、同氏はドーハで「我々はこの国を守るつもりだ」と述べています。更に、トランプ一家は、 様々な仮想通貨(cryptocurrencies)を通じて、 少なくとも8億6,700万ドルの利益を上げています。ロイター通信によると、トランプ氏にとって仮想通貨資産の売却は、最大の収益源(far his biggest moneymaker)となっています。外国人を含む連邦政府の政策に影響を与えることを望む人々は、トランプ一家のコインを購入することで、実質的に一家へ資金を移転させることができ、そうした取引は秘密裏に行われることも少なくありません(the deals are often secret)。公になった事例の一つとして、アラブ首長国連邦(UAE)の支援を受ける投資会社が昨年、トランプ氏の関連企業に20億ドルを預け入れる計画を発表したことが挙げられます。これは、トランプ大統領が同国に対して先端半導体の利用を許可する決定を下す2週間前のことでした。トランプ氏は大統領職への復帰により、米国の世帯所得の中央値の16,822倍に相当する金額の利益を得ました。

タイムス紙は、この記事の最後に、「トランプ氏の富への執着は露骨なものです。米史上、共和党・民主党の歴代大統領は、公職を利用して私腹を肥やしていると見なされることさえ避けるよう細心の注意を払ってきました。しかし、現職のトランプ氏は、米企業から利益を吸い上げることを喜び、外国政府からの贈り物を誇示し、自身の資産の急激な増大を謳歌しています」と述べている。1953年に退任した民主党大統領ハリー・トルーマンは自家用車さえ所有しておらず、彼と妻は列車でミズーリ州に戻り、しばらくの間、陸軍の退役軍人年金で生活していた。そして、公職での経験を金儲けの手段にするような仕事には一切就こうとしなかったのである。なぜなら、彼が「元米国大統領」だったと認識していたからである。タイムス編集委員会は、14億ドルの推定は記録に残っているものだけに焦点を当てた過去I年間の最低額であり、それは家族が認めている。例えば、英紙フィナンシャル・タイムスが、大統領の次男エリック・トランプ氏に仮想通貨資産の利益推定額について尋ねた際、同紙の推定を上回るだろうと答えたと言う。「2000年以上前にアリストテレスは、指導者が私腹を肥やすことに奔走する政府について、鋭い洞察と警告を残している。統治の目的が公益から私利へと変わった瞬間、その統治機構は中身のない空虚な殻と化してしまうのです。もはや、その政府は国民のためのものではなくなります。公職者が個人の富の蓄積を助長するにつれ、強欲さが政府の活動を徐々に蝕んでいきます。さらに悪いことに、そのような政府は、その統治下にある国民をも腐敗させます。トランプ氏が私利のために政府の諸制度を空洞化させる中、米国はこの冷笑的な悪循環に陥る危険にさらされています」と述べている。

AP通信は2025年7月18日の報道の中で、「ドナルド・トランプ大統領の任期中に浮き彫りになった一つのテーマがあるとすれば、それは、ほぼ前例のない規模で、大統領という職の権力を私利私欲のために利用してきたという点です。仮想通貨から聖書、海外での開発事業、さらには今後発売予定の携帯電話に至るまで、トランプ氏の家族が営む事業は、彼が大統領に選出されて以来、数億ドルもの巨額の利益を上げてきました。その資金の多くは、連邦政府に対して利害関係を持つ富豪や外国政府、仮想通貨資産界の有力者などから流れてきたものであり、その規模と不透明さは前例のないものです」と述べている。ロビー活動や選挙資金、政治腐敗について、数十年にわたり研究してきたアメリカン大学のジェイムス・サーバー名誉教授は、「大統領は本来、公益のために働くべき存在です。それにもかかわらず、彼は自身の富を増やす為に私的な利益を追求しています。これは全くもって異常なことです」と指摘した。

タイムス紙がこの驚くべき調査結果を発表した約半年後さえ、複数の学者は公式に彼らのコメントを発表した。クリスチャン・サンエンス・モニターが6月5日に公開した記事の中で、プリンストン大学の歴史学者ジュリアン・ゼリザー氏は電子メールで、「これほどの規模と範囲に及ぶ事業を抱えた米大統領はこれまで存在しなかったという意味で、彼は唯一無二の存在です」と述べた。ゼリザー教授はさらに、「政治における金の影響力を抑制しようとする試みの頓挫、大統領の倫理に関する不十分な規定、非公式な規範への依存、そして企業によるロビー活動の常態化、これらすべてが、目の前で起きている事態に対して多くの米国人を麻痺させてしまうような文化を作り出しているのです」と書いた。2025年刊行の著書Trajectory of Power: The Rise of the Strongman Presidency(権力の軌跡:強権的大統領の台頭)の共著者であるウィリアム・ハウエル教授は、「彼は公職に就く前から、常に駆け引きや取引を繰り返してきました。富や特定のライフスタイルへの飽くなき渇望、そしてこの政権を貫く忠誠心への強烈な要求」を考慮に入れる必要があると言う。「問題は、そうした要求をどう維持するのかという点です。その手段の一つは『脅し』であり、もう一つは『恩恵』を受けられる可能性なのです」と彼は語る。

ダラスにある南メソジスト大学の政治学者マシュー・ウィルソン氏は、現在の「取引重視」の風潮の中に、19世紀後半の「金ぴか時代」の様相を見出しています。しかし、生活費や日々の暮らしに追われる多くの米国人にとって、トランプ氏の金銭事情は最大の関心事ではありません。ウィルソン教授によれば、特に現代のような政治的分断が進んだ状況下では、有権者は自らの支持する政治家が不正を指摘されてもそれを容認し、あるいは、そうした告発を党派的な「魔女狩り」と見なす傾向があるからです。 教授はその心理について、「トランプ氏が仮想通貨をめぐる怪しげな取引に関与しているかどうかは、私の医療保険料や地域社会の犯罪率には何の影響も及ぼさないのです」と説明している。結局のところ、大統領が私腹を肥やしているように見えることや、実際にそうしていることを懸念するのは、一部の有権者にとっては「裕福な人々のための贅沢な悩み」に過ぎないと指摘している。

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